表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/176

ルイーザ 第八部 第三章

「いやいや、じゃあ、お前はどうするつもりだったんだ」


「一人なら、何とか逃げれると思ってたのに」


 カルディアス帝の突っ込みに麗王が言い返した。


「まあ、護衛がわずかしかいないのに来たのは失敗でしたね」


 そうロイド法王がまわりを見回した。


 ロイド法王の護衛の僧兵が二人とカルディアス帝も最側近のクリトラオスと護衛の衛士が数人いるだけだった。


「いや、待て。あれは、うちの将軍だ」


 カルディアス帝が騎馬隊を指揮している、一際目立つ筋肉隆々のカルディアス帝の旗下らしくキンキラキンの鎧を着たカルブスト将軍を指差した。


「どうかな……」


 麗王が冷やかに呟いた。


「ははははははは、陛下! 長い間ありがとうございます! 我らは先祖代々仕えてきた教団の主である教王に従いますぞ。なんでも数百年前にそうやってあなた方も軍を奪ったとか。ならば、これは問題無いでしょう」


 そうカルブスト将軍が金の槍を上に突き上げた叫んだ。


「簒奪者死すべし! 」


「簒奪者死すべし! 」


「簒奪者死すべし! 」


 そうやって騎士達が次々と怒号をあげた。


「いやいや、お前ら、先祖代々クシャナ帝国だろうに……」


「どうも、洗脳されているみたいですな」


 カルディアス帝の愚痴にクリトラオスが助言した。


「なるほど。こちらもそうか……」


 ロイド法王が僧会のテンプル騎士団を見て呻く。


「サグレス枢機卿……」


 ロイド法王の護衛だった僧兵が呻く。


 テンプル騎士団は僧会の忠実な騎士団だったはずだったのだ。


「ふはははははは、まさか、麗王とともに他の華王と聖王を始末できると思わなかったぞ」


 教王が顔を歪ませて喜んだ。


「待てぃ! 」


 その時、その壊れた石造りの三階建ての建物の屋上から声ががかる。


 皆が一斉にそちらを見た。


 そこには魔王クルシュが居た。


「話は全て聞いた! 楓だったのかっ! 今、俺が皆も助けるぞ! 」


 魔王クルシュはそう叫んだ。


 皆が唖然としてそれを見上げた。


 魔王クルシュの剃られたばかりの頭がキラリと光る。


「どうやって助けるつもりなんだろうな? 」


 ロイド法王がそう呟いた。


「そもそも、どうやって降りるつもりなんですかね? 」


 クリトラオスも冷やかにカルディアス帝に突っ込んだ。


 建物が壊れていて、登るのも難しい所に無理して登ったらしくて、どうやって魔王クルシュが降りるのか疑問に思うような場所だった。


「いや、俺に聞くなよ! あいつはいつもああだからっ! 」


 カルディアス帝の叫びを聞いて、麗王が少し恥ずかしそうに俯いた。


「くはっ! 頼むからドキドキするなっ! あんなハゲのどこが良いんだっ! 」


 教王が胸を抑えた。


「? そうか、楓と魂が繋がっているから、楓の気持に引っ張られるんだ! 」


 麗王が即座に理解して叫ぶ。


「そうよっ! それゆえにあやつを殺せなかった! 魂で繋がっている楓が邪魔をするのでな! 仕方なく封印したのはその為よっ! 」


 忌々しく教王が叫んだ。


「なるほど、チャンスだっ! お前なら、教王は戦えないぞっ! 」


 そう麗王が叫んだ。


「待て待て、そんな事言ったら、あいつ、あそこから跳ぶぞ! 」


 ロイド法王が冷静に止めた。


「あ、そうか? 」


 麗王がしまったって顔をした。


「え? あんなところから跳んだら死ぬんじゃないですか? 」


 クリトラオスがそう冷やかに突っ込んだ。


「そういう馬鹿なんだよっ! 軍略とか凄い癖に後先考えない所があんのっ! 」


 カルディアス帝が叫ぶとさらに麗王が恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ