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ルイーザ 第八部 第二章

「やはりな。相当に魂に入り込んでいると見える」


 麗王がその老人の顔と言葉になった縛王に笑った。


「ふふふふ、気が付いていたのは六王でお前だけだったようだな」


 その老人の顔の縛王はそう嫌らしい笑顔で笑う。


「まあ、そうだな。私は楓じゃ無いかと思っていたから、ずっと観察していた。だから、私がいろいろと知っていると見て困って殺したのだろう。知られてはまずいから」


「その通りだ」


 老人の顔の縛王は笑う。


「つまり、我々が持つ力は本来、最悪の魔物を倒す為に、この世界の神々が加護として下されたものだ。だが、御奈神榊(みなかみさかき)御奈神楓(みなかみかえで)も違ったようだ。彼らの力は私達が元居た世界の神から与えられた力のようだ。そうなると話が違ってくる」


「ほう、どう変わる? 」


「貴様は私が見るに老いるのを恐れていた。そして、それを何とかしたいと足掻いているように見えた。だから、老いから逃げたい、永遠に生きたいと思っていたのだろう? そう考えると最悪の魔物を倒してみたら弱かった理由も分かる。私にはお前でも倒せると思った。つまり、お前は何かのきっかけで異界を覗いている時に我らの世界を見たのだ。魂だけを移して永遠を生きている御奈神家の人間を。だからこそ、御奈神榊(みなかみさかき)御奈神楓(みなかみかえで)を呼んだのだ。クラスの34人と一緒だがな。その力を奪う為に……」


「ふはははははははは、流石だ。流石は麗王……いや三神麗子(みかみれいこ)。流石の慧眼よ。お前だけは恐ろしかった。気が付かない振りをして全部を知っている所があった。だからこそ、貴様を最初に殺した。そうで無いと、私が実は生きていると分かってしまう」


 麗王の推理に老人の顔の縛王は笑った。


「どこで、縛王と交わった? 」


「お前達に倒されるときに、縛王は……いや、御奈神楓(みなかみかえで)は異界に呼ばれた結果兄が亡くなったのでわしを憎悪していた。だから、最後の戦いの時に惜しげもなく肉体から肉体へ移動してわしを倒そうとした。その力を本当は仲間には見られたくなかったのだろうがな。わしに復讐する為に幾度も魂の転移を繰り返した。裏を返せば、その魂の入った肉体が致命傷を負えば移動せざるを得ない訳だ。だから、部下に相打ちで致命傷を負わさせ、とっさの時に近くに変装したわしが倒れて居ればいい。後は転移して来るのを待つだけだ」


 老人の顔の縛王は嬉しそうに笑った。


「えげつない事を」


「一度転移して魂が交わってしまえば、あらゆる魔道を極めたわしじゃ、<生き返り>と御奈神(みなかみ)の一族では言っているらしいな。その摂理を理解するのも使い方も簡単だ。そうやって、わしは永遠の命を手に入れたと言う事だ」


 老人の顔の縛王が笑った。


「ここで手の内を明かすという事は随分と準備はしていたようだな。教団の教祖で当時は教王と名乗っていたよな」


 麗王が冷やかに笑った。


「然り。お前が転生するのはわしの魔道の卜占に出ていた。だから、お前達を滅ぼす為に準備をしておった。楓が抵抗する為に、あの時は滅ぼす事が出来なかったからな。ようやく今はコントロール出来るようになった。貴様らを許すわけなかろう、わしの教団を中から奪い破壊した者どもめ」


「自分が我々をこの世界に呼び出して、クラスメイト達を殺した事は無視か? 」


「異界の虫けらどもがどうなろうと知った事か」


 老人の顔の縛王……いや、皆を召喚した教団の教祖であった教王は身体を揺すって笑った。


「なるほど、容赦はいらないという事か? だが、御奈神楓(みなかみかえで)の部分がまだ出てくると言う事はまだまだ完全に縛王の全ての魂を奪ったわけでは無いな」


 麗王が殺気立つ。


「ふふふふ、流石だ。やはり、お前が一番油断ならない。お前はまた死んでもらおう」


 教王が笑った。


「悪いが話は聞いたぞ」


 そうカルディアス帝がキンキラキンの鎧を着て現れた。


「そう言う事だったのか。すまないけど話は聞かせてもらった」


 ロイド法王も現れた。


 二人とも戦う気満々で教王を取り囲むようにした。


 部下はそれぞれ護衛の数人だけだが、かっての六王として戦った自分の強さに自信があったのだろう。


「馬鹿なの? 」


 麗王が震えたように呟いた。


「「え? 」」


 カルディアス帝とロイド法王が驚いた。


「あいつが罠を仕掛けてるに決まっているだろうがぁぁぁ! 」


 麗王がそう叫んだ。


 それと同時に凄まじい騎馬の馬蹄が響いた。


 騎馬兵が麗王達のいる場所に殺到していたのだ。


 

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