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ルイーザ 第七部 第一章

今日からいつも通り、一日一本で投稿します。


宜しくお願い致します。

「で、魔王クルシュはどこへ行ったの? 」


 スタンリー公爵家では深刻な話し合いの最中だった。


 全ての将軍と部隊長と守備隊長が集まり、困惑した顔をしていた。

 

 で、一番困惑していたのは当事者として参加したルイーザだった。


「いや、どうも城を出て行ったのは間違いない」


 そうアルバート守備隊長が呻く。


「何で? 何をしに? 」


 叔父の将軍が深刻な顔をした。


「いや、山籠もりをして悟りを開くとか言ってたぞ。こないだ」


 クリス部隊長の言葉で皆が唖然とした。


「悟りって……」


「いや、まあ、全てに対して絶望したのではないかな」


 テイラー部隊長がそう悲しい顔で呟いた。


「いや、私は……その……何も言って無いんだけど……」


 ルイーザが動揺した。


「まあ、言ってないよ。でも、麗王がああもはっきりと言っちゃうとは……」


「転生はしたが、ルイーザとして生きてきた人格がある。それを押しのけてまでは私には戻れないよって奴か」


 スタンリー公爵がため息をついた。


「どっちかってーと、ルイーザが子供の時から、まわりをうろうろしてた変な霊体のおじさんが君なんだ。悪いんだが、ルイーザは恋愛対象どころかお前を近所の変態おじさんとしか見ていないし、恋仲になるのは物凄い抵抗感を感じているらしい。そこがなんとかならないと昔のように君と恋愛関係になるのはルイーザが不憫でさ……って言葉では……」


 クリス部隊長がそう続けた。


「なるほどな。誰もが思ってて口にしなかった事を、言っちゃったわけだな」


 叔父の将軍が寂しそうに呟いた。


「まあ、そう言う事ですね」


「うろうろしてた変な霊体のおっさんだもんな」


「それでも、近所の変態おじさんと言うのはきついな」


 ジョージ部隊長とかテイラー部隊長が呟いた。


「いや、私は変態おじさんとか思って無いし」


 ルイーザがそう反論した。


「でも、恋愛対象外だろ」


「まあ、そうだよな。子供の頃から、ずっとそばにいるってのがミソなんだな」


 スタンリー公爵と叔父の将軍の結論が厳しい。


「いや、そこまで、言いきっちゃうと駄目でしょう」


「でも、俺よりも転生前とか足すと年上なんだぞ。実は父親としては厳しかったんだ」


「叔父としても厳しいし」


 スンタンリー公爵と叔父の将軍がさらにシビアな自分の感想を言い出す。


「いや、でも、いなくなって勝てるんですか? 」


 クリス部隊長の言葉で一斉に皆が黙る。


 なんだかんだ言っても、ここ十年以上最強と言われた地位は魔王クルシュによってもたらされた評価だった。


 それが山に修行に行ってしまった。


「カルディアス帝にどうします? 」


 アルバート守備隊長の言葉にスタンリー公爵が顔を伏せた。


 降伏に関しても魔王クルシュによって好条件でもたらされたものだった。


「いや、しばらく、そっとしておいてあげてくれって言われてるし、それについてはカルディアス帝と話をしましたし。昔、付き合いがあったせいか良く知ってましたよ。恐らく当分、まともに動けないと思うって……。コンラート皇帝とロイド法王も相当同情してましたしね」


 クリス部隊長が仕事が出来るだけあって用心に話を纏めて来たらしくて、その辺りは皆は安心した。


「まあ、うろうろしてて気持ち悪くて相手にされていないと言うのを待ち続けていた前世の恋人に言われるとかきついな」


 だが、フラッド部隊長がぽつりと呟いたせいでまた空気が悪くなった。


 で、ルイーザはどうして良いのか分からず途方に暮れていた。

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