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ルイーザ 第六部 第二章

 魔王クルシュとクリス部隊長とテイラー部隊長とルイーザが一緒に華王であるカルディアス帝の元に行く事になった。


 ルイーザは服装をドレスから旅装に近い簡易なものに着替えて、馬に乗って移動していた。


 それが魔王クルシュにとってルイーザの前世の麗王の姿に似ているせいもあって、凄く嬉しそうだった。


「私は別に麗王がどうのと言われても知らないけどね」


 そうルイーザが浮かれいる魔王クルシュに釘を刺した。


「いや、居てくれるだけでいいんだよ」


 そう魔王クルシュが嬉しそうなだけでなく、時折、昔を思い出すらしくてウルウルと目を潤ませている。


「ちょっと、お嬢が来ない方が良かったのでは? 」


 それを見て、テイラー部隊長とかが突っ込んだ。


「いや、まあ、浮かれててもしょうがないでしょ。実際に嬉しいんだろうし。それをずっと待ち続けてたんだから」


 そうクリス部隊長がフォローした。


「おいおい、随分、優しいな。彼女にフラれたのか? 」


「いやいや、関係ないでしょ? 」

 

 クリス部隊長とテイラー部隊長が言い合いを始める。


「そんな事よりも、微妙に逃げてる人が多いんだけど、そっちは気にならないの? 」


 ルイーザが冷やかに突っ込んだ。


 確かに、オルス帝国に繋がっている道を進んでいるのだが、荷物を背負ってボロボロになっている人達が必死に大量に逃げて来ていた。


「確かに、ちょっと調べた方が良いかな? 」


 魔王クルシュもそれは一応、注意していたようだ。


 それで、進軍をやめて、クリス部隊長が調べ出した。


 その間、魔王クルシュとテイラー部隊長は干し肉と小麦を水で捏ねて焼いた簡易なものになるはずが、ルイーザが調理をしてちゃんとしたシチューになった。


 もうそれだけで魔王クルシュが涙を溢れさせていた。


「涙腺弱いな。困るんだけどな。指揮官がそれだと」


 そうテイラー部隊長が突っ込んだ。


「いや、だって、本当に一緒に戦場に行くのは本当に本当に久しぶりなんだもの」


 そう魔王クルシュが泣いている。


 それだけ嬉しいようだ。


 ルイーザも注意しようとしたが、気持ちを考えて黙った。


 正直、ルイーザにしても記憶は戻ってないし、魔王クルシュが麗王の生まれ変わりだと断言しているだけで、全く自分ではわからないのだ。


 最初は怒鳴っていたものの、確かに自分にとって最愛の人を亡くして、転生したとして、昔と同じようにしたら涙が出てしまうのも仕方ないのかもしれないと思った。


 そのあたりのルイーザの気持ちは非常に複雑だ。


 ただ、まあ、子供の時から霊体に近い姿で城の中をルイーザを探してうろうろしていたおっさんである。


 自分は彼に恋愛感情は持たないだろうなと心では思っていた。

 

 単なる変態にしか見えないし。


「どうも、厄介ですね」


 そうクリス部隊長が報告を聞いて話しかけてきた。


「どうだった? 戦争から逃げてきたのか? 」


 テイラー部隊長がそう聞いた。


「いや、最初はそうだったのですが、それよりも疫病だそうです」


 クリス部隊長が顔を歪ませる。


 死体の処理とか放置されたままだと、得てして疫病が流行るのはある。


 特に水害の後とは水が引かなくて、死体が浮かんだりして、その水が腐りってのがあるので、疫病が出てもおかしくないと思われた。


「ん? どのあたりで出てるの? 」


 訝し気に魔王クルシュが聞いた。


「水害にあったオルス北部らしいんですが」


「それはおかしいよね。華王なら自国に併呑するはずだから、ケアはちゃんとしてるはず。もう少し詳しく調べてみてくれない? 」


 魔王クルシュが珍しく真剣に悩んだ顔でクリス部隊長に聞いた。


「分かりました」


 非常に珍しい行動なのでクリス部隊長がすぐに再度動いた。


 ルイーザも真剣に悩んでいる魔王クルシュを見て驚いていた。


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