ルイーザ 第五部 第五章
「あああああああああああああああああああああああ! 」
闇夜に浮かぶ目を見て魔王クルシュが絶叫を上げた。
八頭の龍の目が輝いていたのだ。
水龍神ラトゥースの前で地味だと貶した訳だ。
魔王クルシュが必死に土下座して頭を下げていた。
「早くっ! 早く謝ってぇえぇ! 」
魔王クルシュがそう叫ぶ。
目を見てビビった叔父の将軍も慌てて土下座して、あらら参ったなって感じでテイラー部隊長とジョージ部隊長とジェームズ部隊長も仕方ないなって感じで土下座した。
兵士達も土下座した。
だが、水龍神ラトゥースは姿を現した。
顔が笑いながらひくついていた。
「なるほど、我を美しいと呼ぶのと同じく地味と話すという事は中々正直な奴らよ。我は貴様らが逃げる時間がいるかと思い配慮していたつもりなのだが、そうか。そういう配慮はいらぬようだな」
そう水龍神ラトゥースはひくついた顔のまま呟くと消えた。
魔王クルシュが真っ青のまま土下座していたが、雨がいきなり強くなってきた。
「だ、駄目だ。ブチ切れなさった」
魔王クルシュがそう呟くと、慌てて自分の馬の方に走った。
それに合わせて叔父の将軍だけでなくテイラー部隊長とジョージ部隊長とジェームズ部隊長も慌てて自分の馬に走る。
基本的にいつもの騎馬で向かっていたのが良かったのか、全ての兵士が自分の馬に乗ると必死に避難する予定の場所に走らせた。
そして、雨は降ってると言うよりは水が流れ落ちているのではと言う感じにかわった。
「ああああああああああああああ! これ雨じゃないじゃん。川が流れるみたいになってきたよ! 」
「ほらぁ! 地味だとか言うからぁぁぁぁ! 」
魔王クルシュと叔父の将軍がテイラー部隊長とジョージ部隊長とジェームズ部隊長に叫ぶ。
もう、目の前も見えない状態になってきた。
水で戦う事も考えて、魔王クルシュが騎馬の兵士に川の移動とかを練習させてたのが良かった。
そうでなければ道が水たまりから川になる変化の状況で終わっていた。
普通の騎馬は川を渡ったりとか非常に難しい。
日頃の調練が命を助けたと言って良かった。
命からがら闇夜の中で避難場所の山についたときは、もう全員へたばりまくっていた。
前もって、半分の兵に自分達が過ごす場所を作らせていたので、そこになだれ込んだ。
革製の鎧は雨で水を吸って重くなり、全員が半泣きで脱ぎ捨てた。
「何をやってんですか? 」
こういう後方作業をメインでやっているフラッド部隊長がそう唖然とした顔で魔王クルシュ達を見た。
「水龍神ラトゥース様にお会いしたのに、テイラー部隊長とジョージ部隊長とジェームズ部隊長がやってる魔法が地味だとか言っちゃったもんで、ブチ切れなさった」
そう魔王クルシュが話すとフラッド部隊長が真っ青になった。
彼は海辺がある国からの移民で、水龍神ラトゥースの恐ろしさは良く知っていた。
「ええええええ? 怒らせると海辺の街とかを一撃で沈める御方ですよ」
そうフラッド部隊長が真っ青になったまま、テイラー部隊長とジョージ部隊長とジェームズ部隊長に怯えたような目を向けた。
「あぅぅぅぅぅ! 」
「早く言ってよ」
「いや、言ったろ! 」
魔王クルシュがテイラー部隊長とジョージ部隊長とジェームズ部隊長に怒鳴った。
鎧を脱いだ後に慌てて、兵士を合わせた皆で簡単な雨避けの住居の中で土下座する。
だが、雨はすでにバケツの水をザブザブとかけるような異様なものに変わっていた。
そして、土下座している目の前で予定してた場所の地滑りと城の崩壊する巨大な巨大な音を聞いたのだった。




