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ルイーザ 第五部 第一章

今日から、毎日一章ずつ七章まで投稿します。


題にルイーザがついてますが、投稿する原稿の五部がダブったので許してくださいませ。

 ウォール伯爵家の居城は岩石でできた巨大な二つの渓谷から流れてきた川が合流した上流側にある場所にある。


 その城は川の合流地点の上流の崖の上の山の頂上付近にあった。


 これは王国では有名な城である。


 巨大な岩石で側面を固められた深い谷の岩石群の上に長い年月で木々が生えて、それが土に戻りを繰り返して出来た山に作られた城だ。


 逆にそれだけ自然で出来た要害になっている為に、山の上にある城は簡素であるが、十二分な防御力を持っていた。


 その山の上部をさらに囲む城壁で出来た城で、元は砦であったが、長い年月で増築を繰り返して今の城になった。


 さらに、その深い谷になっている渓谷がまるで王国の王都を攻めあがってくる敵を遮って守るように出来ている天然の要害を利用して難攻不落と言われていた。


 もっとも、スタンリー公爵家が強かったので戦争は実際にはしていなくて、逆に言うとスタンリー公爵家の領土を敵が抜いたとしても、次はウォール公爵の難攻不落の城が残っており、王国が出来てから二度ほど城攻めをされた事があるが、スンタリー公爵家がしぶとくゲリラ戦で生き残り領土を制圧された後も退路を断つ動きをした事と、粘っている間に王都からの援軍が来て敵が戦意を喪失して引いたと言う戦いしかない。


 王都側からは深い谷のある渓谷を避けて、背後から普通に城に到達できるが、他国が攻めてくる場合は、その自然の巨大な渓谷が邪魔になり攻めるのは厳しい、まさに守りの為の鉄壁の城だった。


「うわぁ、これを落とすのかよ」


 そう叔父の将軍が本来は指揮官であるに関わらず、ハッキリと愚痴る。


「いやいや、これはしんどいんじゃないの? 」


 そうテイラー部隊長も愚痴る。


「普通はおっさんだけで攻めさせないよね。何で、留守番組が公爵とアルバート守備隊長とクリス部隊長なの? おっさん虐めなの? 」


 ジョージ部隊長も愚痴りまくってる。


 普通、指揮官はそう言う事は口には出さないのだが、スタンリー公爵家はざっくばらんな感じなので、兵士の前で平気で愚痴る珍しい軍隊であった。


「いや、一応、一番若手の俺がいますけどね」


 そうジェームス部隊長が突っ込む。


「じゃあ、頑張ってくれよ」


「こんな高い谷を登って攻めるのなんて、俺達老体には無理だ」


 テイラー部隊長もジョージ部隊長も大人気なく愚痴った。


「まあ、攻めないから」


 そう魔王クルシュが笑った。


「はああ? 」


「攻めるために来たんじゃないの? 」


 一斉に魔王クルシュに部隊長が突っ込んだ。


「潰すだけとは言ってたけど、どういう事なの? 」


 王国のババを引いて、常に戦場で戦い続けていたスタンリー公爵家は平気で愚痴を兵士の前で言い、作戦もあけっぴろげで話す。


 それは子供の時から皆と関係が深く、そういう部分での信頼感が凄く高いからだった。


 本来は辺境伯で良いのかもしれないが、そういうババを引かされた立場だから、公爵家と言う事で良いだろみたいなふざけた地位だったし、常に他国との戦いの最前線だったせいで、思いっきり貴族らしさを無くしてしまったのがスタンリー公爵家の家風である。


 実際、戦勝の褒美の代りにルイーザが王太子の婚約者になったと言うくらいで王家はケチケチだったために、殆ど王家に対して恩義と言うものは感じていない珍しい貴族だった。


「まあ、クシャナ帝国として戦えば、勝てば恩賞をくれると言うし、カルディアス帝は相当そう言うのの支払いのきっぷが良いと言うから、それは楽しみなんだけどな」


 などと、数百年仕えた王家に感慨はあっても実利を考えたら、最初からなんでこうしなかったかと皆が心で思うくらいだったので、裏を返せばいつ裏切ってもおかしくなかったのかもしれない。


 それがスタンリー公爵家だった。

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