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第四部 第七章 終わり

「早いなぁ」


「そうか、旧主を攻めるんだ」


 万感の思いを込めたようにスタンリー公爵と将軍の叔父がため息をついた。


「あいつ、調練やってきっちり使えるようにしないと出てこないから。今しかないんだよ。こないだのオブライエン侯爵と戦った時に王国で優秀な兵士は戦わなかった近衛を除いたら殆ど死んだしね」


 魔王クルシュがそう苦笑した。


「一気に動くんだな」


「いや、今まで王国の守護者のような扱いを受けていたスタンリー公爵家が完全に別の国に主替えしたんだ。インパクトはでかい。とくにクシャナ帝国は一番覇権に近い国家とされているから、それは凄い衝撃を与えれる。だから、この旗を持って近隣の領主を攻めたら、戦わずに降伏か退却する所も多いはずだ。オルス帝国攻めで大量のクシャナ帝国の軍勢が近隣にいるのも確かだしね」


「なるほどな」


 叔父の将軍が魔王クルシュの言葉に納得した。


「それとは別で、あちこちでこの旗を持って伝令のように攻める場所の城の近辺を走り回らせよう。その為のクシャナ帝国の騎士が着る甲冑とかも借りてきた。それと近隣の領主に出すクシャナ帝国に降伏するように警告する書簡もだ」


「つまり、先にそうやって降伏をするように書簡を送って、他所の領主も降伏してるかもって猜疑心を煽るのか」


 そうクリス部隊長が唸った。


「そう、そして、攻める場所は一番近いファーガス男爵家とラザーン子爵家の城ではなく、こちらからしたら奥側のウォール伯爵の城だ」


「え? 」


「なんで? 」


 魔王クルシュの言葉に他の部隊長が驚いた。


「ファーガス男爵とラザーン子爵も王家との関係はいまいちで一番うちと戦いそうなのはウォール伯爵である事とあそこを抑えたら今後縛王と戦いやすい事。それと、ファーガス男爵とラザーン子爵には降伏勧告するだけでどう動くか悩むだろうし、逆を言えばいきなり奥のウォール伯爵の城を攻撃すれば、もう男爵も子爵も降伏したのかとかいろいろと互いに疑うだろ。当然、降伏してくるのもいるはずだしな。王国を守ってきたのはスタンリー公爵家でそれが一番列国で強いと言われているクシャナ帝国に寝返ったってクシャナ帝国の旗を持って攻めればインパクトが凄いだろうし」


「つまり、王国内に一気に猜疑心の種をまき散らすという事か」


 そう叔父の将軍が唸る。


「本領安堵は約束して良いとカルディアス帝に言われてる。雪崩になる可能性も高いし」


 そう魔王クルシュがいたずらっぽく笑った。


「よし、じゃあ、決まりだな」


 そうスタンリー公爵が言うと皆が頷いた。


 そして、次の日には作戦が始まり、魔王クルシュが指揮をとりながら、クシャナ帝国の旗を掲げてウォール伯爵家に進撃を開始した。


 そして、王国の守り神とすら言われたスタンリー公爵家がクシャナ帝国に寝返り、その傘下に入った事は王国で凄まじい衝撃をもたらした。


 すぐにファーガス男爵家とラザーン子爵家は降伏してカルディアス帝への仲立ちを頼む使者を出してきた。


 それと同時に王国攻めの兵も出してくるようだ。


 ウォール伯爵家はそれに対して断固抵抗を決めて籠城した。


 かくして、最初の関門であるウォール伯爵家との戦いが始まろうとしていた。


 


 これで第四部は終わりです

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