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第四部 第六章

「まあ、そうして良いと言ったし、書簡も渡したけど、本当に降伏して傘下になっちゃうとはな」


 そう執務室で皆が急遽集まった中で、魔王クルシュの報告を受けて、スタンリー公爵が呟いた。


「本当だな。数百年王国に仕えてきたのがあっさりと終わるもんだな」


 叔父の将軍もちょっと寂しそうな顔をした。


「いや、降伏するって決めたの公爵様でしょ? 」


 そうアルバート守備隊長が突っ込んだ。


「それを言ったらこっちも王国からクシャナ帝国に主が変わってポカーンだけどね」


 そうジョージ部隊長も呆気にとられた顔で答えた。


「大丈夫なんですか? 」


 そうクリス部隊長が心配そうに聞いた。


「いや、下賜された書簡だと本領安堵と王国への攻撃の許可と王国から領土を切り取った場合の恩賞を約束されている」


 そうスタンリー公爵が書簡を見せた。


「本当ですね。でも、これだと本当に王国より条件が良いのでは? 」


「恩賞とか無かったものな。今の国王は褒める程度だし」


 ジェームズ部隊長の言葉にテイラー部隊長が同意した。


「言われて見れば本当にひどい扱い受けてたんですね。うちの公爵家」


「ぶっちゃけ、公爵の娘の王子との婚姻があるから、身内だからそれは将来の外戚としての未来に続くとか全然そんな事無い癖に書状に書かれてるだけだったもんな」


 将軍の叔父がそう愚痴った。


「そもそも、娘は婚約解消だし」


「それはもういいけど」

 

 スタンリー公爵がさらに愚痴るとルイーザが突っ込んだ。


「これで縛王は攻めてこないって事なのか? 」


 アルバート守備隊長が魔王クルシュに聞いた。


「いや、華王もそうは思ってない。逆にこちらに縛王がえぐい攻め方してくるのは間違いない。縛王はその猜疑心と陰湿さと必ず報復することで有名だった」


 そう魔王クルシュが答えた。


「って事は、これ、カルディアス帝は関わり合いになりたくないのに巻き込まれて、実はいやいやの俺達の傘下入りなのか? 」


 叔父の将軍がそう聞いた。


「勿論」


 そう魔王クルシュが答えた。


「うわぁ、かわいそう」


「マジで嵌めたんだ」


 そう部隊長達が呆れた顔をした。


「それで約束は守るの? カルディアス帝はいやいやでしょ? 」


 ルイーザが突っ込んできた。


「一度、こういう風に裏切られたら、縛王が根に持ってずっと陰湿に報復するからね。そもそも猜疑心が強いから、一度会って不可侵条約を結んだのに、再度会ってたら絶対に疑うし。どの道、カルディアス帝は縛王から報復されるでしょ」


「ひでぇな」


「ガチ嵌めじゃん」


 魔王クルシュの言葉に部隊長達から突っ込みが続く。


「で、これを実は貰って来た」


 そう魔王クルシュが言うと、執事のオルバンとともに兵士が大きな袋を持って来た。


「何、これ? 」


「なんなの? 」


 部隊長が騒ぐ中、魔王クルシュが袋を開けるとクシャナ帝国の旗が大量に出てきた。


「うわ、早速貰って来たんだ」


「本当に主替えするんだな」


 そうスタンリー公爵と将軍の叔父が呻く。


「それだけじゃなくて、チャンスだから一気に近隣を落とすよ。縛王が兵の調練やってる今しかないから」


 そう魔王クルシュがいたずらっぽく笑った。


 皆が一斉に唖然とした顔をした。 

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