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第二部 第一章

 第二部投稿します。

 

 宜しくお願い致します。

「とうとう動き出したか」


 真っ暗な場所でテーブルに座っていた黒衣の男が二人と豪奢な服を着た一人が座っていて、そのうちの一人が呟いた。


「いや、前から魂でうろうろしていたはずだが」


 その密談をしていた一人が笑った。


 その男は豪奢な薄絹の服に金の装飾をつけていた。


 金髪で青い目をして非常に美しい容姿をして笑っている。


「まさか、こんなに早く動くとはな」


 もう一人の黒衣の服を着た男もため息をついた。


「最初から分かっていた事だろうに」


 豪奢な薄絹を着た男は苦笑した。


「予定ではもう少し先だぞ? 」


「というか、三百年前もここに来ていない誰ぞが余計な事をしたから、ああなったのだろうが」


 豪奢な薄絹を着た男は少し強めに答える。


「縛王は今は我等と距離を置いているからな」


「だから、三人しか集まって無いと言うわけか? 」


 そう豪奢な薄絹を着た男は眉を吊り上げた。


「仕方あるまい。我等が提案して、奴が武王と麗王を嵌めた。前世では奴等三人は幼馴染だったしな」


「幼馴染で思い出したが、武王は相変わらず麗王のストーカーか? 」


 豪奢な薄絹を着た男があざ笑うように話す。


「しょうがあるまい。執着が過ぎるとは思うがな」


「それよりも、クシャナ帝国のカルディアス帝としてはどうするのだ? 」


 そう最初に呻いた黒衣の男が聞いた。


「何もせんよ。放置して様子を見るつもりだ。奴が大ダメージを与えたオルス帝国の方が気になるな。上手い事をすれば領土が増える」


「待て待て、それでは話が違う」


「いやいや、僧会のトップのお前の方がよっぼといろいろと手が出せるだろうに。暗殺者とか飼っているんだろ? 」


 そう豪奢な薄絹を着た男……カルディアス帝は黒衣の男の一人に聞いた。


「やれやれ、誰か分からないようにする為の、黒衣を着た会合なのに」


 そう黒衣を抜いで綺麗に剃った頭の僧の姿をした男がため息をついた。


 その衣装は西洋の修道士に近いものだった。


 この世界の僧会と言われる宗教の最高権威であるロイド法王であった。


 目は印象深いエメラルドグリーンをしていて東洋人的な顔をしていた。


「ここはかっての技術で出来ている。余人は入れまいよ」


 そうカルディアス帝が笑った。


「では、お主も脱げ」


 ロイド法王がそうもう一人の黒衣の男に告げた。


「やれやれ、クシャナ帝国の敵国であるゼクス帝国のコンラート皇帝としては、こんな所で密談とか兵士達に見せれるものでは無いのだが」


 そうコンラート皇帝が苦笑して黒衣を取った。


 カイゼルひげのやや老け顔の鋭い目をした男だ。


 銀髪で印象的な灰色の目をしていた。


「そもそも縛王が考えすぎだろう。我らもすでに各国の重鎮として転生している。奴がいくら騒ごうとも関係など無かろうに」


 そうカルディアス帝が苦笑した。


「後ろめたいものがあるから、復讐が怖いのさ」


「まあ、御執着の麗王がいれば武王は何も言わんだろうよ」


 ロイド法王の言葉にカルディアス帝が答えた。


 それでロイド法王もコンラート皇帝も哄笑した。


「まあ、確かにな。元々、麗王にちょっかいを出したのが前の破局だ。武王も強すぎて分離して封印するしかなかった。魔王として悪名を立てて奴の復活をさせようとするものが無いようにしたのに、まさか、勝手に麗王が転生するとはな。完全に計算が狂った」


 ロイド法王が笑いを止めるとそう話す。


「まあ、武王が相変わらずの戦上手は認めるよ。ただ、相変わらず下品だがな」


 そうカルディアス帝が嫌悪感に溢れた顔をした。


「最悪、我らの方で再度封印すれば良かろう」


 そうコンラート皇帝が答える。


「では、奴の問題は今回は様子見で良いか? 」


 そうロイド法王が聞くとカルディアス帝とコンラート皇帝が頷いた。


「僧会の方でそれとなく監視はさせておけよ。それは大事だ」


「ふむ、やはり、奴の事は気になるか? 」

 

 カルディアス帝がそう話すと、コンラート皇帝がからかったように話した。


「まあな。奴を三百年前に封印をする前に、奴がどれほど暴れたかを忘れるな。真実の話は我らによって隠蔽されたとしても、あれが強すぎた事には変わりはない。そちらは安易に考えるべきではないだろうよ」


 そうカルディアス帝がじろりと話した。


 それに関しては皆が記憶にあったようで、皆の表情が引き締まる。


「分かった。武王……今は魔王クルシュか……奴の見張りは僧会が責任を持って行おう」


 そうロイド法王が答えた。


 そして、一斉に全員が立ち上がると黒衣を着てその場を退場した。


 最初から関係ないとばかりに互いに無関心の様子で、挨拶どころか振り返りもせずに。


 

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