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ルイーザ 第十四部 第一章

 相変わらず、カルディアス帝の本陣の天幕の中でカルディアス帝とコンラート皇帝とロイド法王と麗王が暗い顔をしていた。


 ロイド法王が僧会のルートで次々と届く密使からの書簡を見てため息をつく。


 それをちらと横目で見て、豪華なソファに座りながらコンラート皇帝とカルディアス帝がいらいらしながら無言だ。


「時間が無さ過ぎる」


 カルディアス帝が呻く。


「そんな事は分かっている」


 一番焦っているコンラート皇帝がそれにイラっとした感じで答えた。


「そもそも、教王の背後にそんなものがいたと言うのが想定外だったよね」


 麗王がそう呟いた。


「魔王クルシュは……武王はどうしてる? 」


「まだ、あそこが痛いらしくて寝てますよ」


「こんな時にか……」


「いや、握りつぶされるレベルだったからしょうがないじゃないですか」


 ロイド法王が庇った。


「だが、今はそれどころで無い状況なのに……」


 カルディアス帝が呻いた。


「現状は少しでもバレない様に対策をするしか無いし、戦うならそちらで決めてくれないと、今は我々スタンリー公爵家は貴方の配下なんだから」


「全然配下に見えないような動きしてたのに? 」


「好き勝手にやってたじゃん」


 カルディアス帝だけじゃなくて、コンラート皇帝まで突っ込んだ。


「いや、でも筋道はそうでしょ」


「戦うとして、どういう策があるんですか? 」


「現状で守護する神様の事を考えれば、ウルギス帝国は砂漠が多く平地が多い。水害になれば甚大な被害が出る。それで、嵐と津波のコンボで水龍神ラトゥースが潰した後に、雷神ベルクナスの力で雨と共に雷撃でワイバーンを攻撃して、その後、疫神ガルビュートの力で疫病を流行らせれば、ウルギス帝国にかなりのダメージを与えれると思うけど……」


「相変わらず、鬼のような考えですよね。神の世界は終わらせるとか言ってませんでしたか? 」


「いや、神が関わってきてるなら、しょうがないでしょ」


 ロイド法王の呆れ切った言葉を冷ややかに麗王が切り捨てた。


「そう思うよ。麗ちゃん」


 また、相手にもされていないのに必死な酒と武の神のバルカスが背後からそう優しく語った。


 だが、麗王は無視したままだ。


「いよいよになれば……貴方の冥府神オルシスがいらっしゃるじゃない……」


「あの力を使うのっ? 」


 コンラート皇帝が突然に大声で驚く。


「でも、一番強いでしょ」


「あれ、使ったら、俺の善なる皇帝のイメージが終わるんだけど……」


「でも、負けたら終わりだよ」


「その通りだ。麗ちゃん」


 麗王の背後で必死に自分をアピールする酒と武の神バルカスをずっと無視し続ける麗王だった。


 コンラート皇帝は、麗王の話が衝撃だったのか、これまた酒と武の神のバルカスを無視した。


 酒と武の神バルカスが悲しい顔をした。


 そして酒と武の神バルカスが悲しい顔のまま、じっと自分達に何とか麗王に言ってくれと言う空気を出すので、ロイド法王とカルディアス帝は本当に困った顔をしていた。


 麗王が意地になってるなら言っても無駄だし。


「さて、まだ時間があるでしょ」


 そう言い捨てると麗王が立ち上がった。


「どこへ行くんだ? 」


 コンラート皇帝が不思議そうに聞いた。


「次の戦いで終わるかもしれないから、ケリをつけておかないとと思って」


「ケリ? 」


「ケリとは何です? 」


 麗王の言葉にカルディアス帝とロイド法王が不思議そうな顔を聞いた。


「私の人格……麗王の心と転生して出来たもう一つの人格……ルイーザの気持にケリをつけないと。だから、武王……魔王クルシュのとこに行ってくるわ」


 そう麗王がちょっと微笑んだ。


「「「それはあかーん! 」」」


 カルディアス帝とロイド法王とコンラート皇帝が立ち上がって一斉に叫んだ。


「ええ? 」


 麗王が困った顔になる。


「だって、下手したら武王がフラれるんでしょうが……」


「今あいつがフラれたら壊れて戦力の一角が無くなってしまう」


「あいつの攻撃力は馬鹿に出来ないし」


 ロイド法王とコンラート皇帝とカルディアス帝がそれぞれの意見を話した。

 

 麗王がそれで深いため息をついた。






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