ゆうげ
僕が風呂場から出て脱衣所に上がったところで、幼女は木の枝から飛び降りた。
幼女の体を拭く。
「ドライヤー」
ブラシをかけながら髪を乾かしてやる。体もバスタオルで背中を拭いてやる。前の方は幼女が自分で拭いていた。
着替えも用意してある。シーズンパスで購入した衣装だ。小悪魔の尻尾がついていて、先っぽがドクダミの葉の様な、ハート形の矢印である。白を基調として、フードの部分が紫色をしたフリースのつなぎ服だ。フードには短いツノが二本生えている。
「虫歯菌みたいだ」
「ジャックフロストと言ってほしいわ」
どうやらコラボ衣装の様だ。ボラれた気分。
僕は湯上がりの水分補給に水を飲んだ。
「にゅうにゅう飲みたい」
「ははは、牛乳だろ」
「知ってるわよ」
生意気だ。
僕がコップ一杯の牛乳を差し出すと、幼女はコップを両手でつかみ、満たされた牛乳を半分だけ飲んだ。
「もういらない」
僕が飲む羽目になった。
夕飯にお粥を作った。おかゆの良いところは、栄養があり、消化も良く、全年齢対応食だと言うことだ。つまりR指定がいらない。
「おかゆ、刻み昆布を添えて、でございます」
「いただきます」
幼女はお粥を飲み干した。鼻の下にくっついた昆布が髭の様だ。




