表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/678

68. Case5&6 徠央と徠輝そして徠人の異変

 五月十四日土曜日。

 僕とアンジェラは父様(とうさま)に呼び出されて朝霧家に帰って来た。

 自分の部屋に戻ってから父様の部屋に行く。

 コンコン。ノックして、声をかけた。

「父様、僕だけど。何かあったの?」

 バン。と勢いよくドアが開いた。父様の顔が怒っている。見たことがないくらいコワイ。

「どういうことだ?ライル。来月結婚をするなんて聞いてないぞ!」

 どうやら、芸能情報番組でアンジェラの結婚についての報道が出てしまったのを見てしまったらしい。

「僕もよくわかんないよ~。アンジェラ~。えっ?」

 後ろにいたはずのアンジェラがいない…。逃げられた…。マジか…。

 アンジェラは、結局アズラィールの部屋に隠れていた。父様に捕まって只今尋問中。

「どういうつもりだ、アンジェラ。ライルはまだ十歳になったばかりだぞ。」

「でも、大きさは二十一歳だし、私はもう待てないと言うか、限界で…。」

 おいおい、墓穴掘ってないか?

「そ、それは、どういう意味だ?」

「え?我慢しすぎて気が狂いそうって言うか…。」

「な、アンジェラ、お前、本気でライルを女だと思って見てるのか?」

「え?どっからどう見ても女だし…。もう、ギリギリ…で。」

「…。うまくいくと思うのか?」

「うまくいくもいかないも、私はこの百年くらい、度々ライルに助けられてきたんだ。

 毎回毎回命を助けられて…。それだけじゃない。待ってて欲しいって言われて、それを信じて、ずっと待ってた。だから、二人が一緒にいる未来しか考えられない。それとも、私に死ねというのか?」

 父様は、さっきまですごく怒ってたはずなんだけど、実は僕の日記を時々読んでたみたいで、度々のアンジェラを助けてた話は知っていたみたい。

 そのせいだとは思うけど、条件付きで許可を出した。

「アンジェラ、いくらトップアーティストだからと言って、浮気が許されるわけじゃないからな…。浮気したら、即死刑だ。いいな。」

「そ、そんなことはわかっている。この百三十二年の純潔をなんだと思っているのだ。」

「え?」

 モテモテのトップアーティストが七歳の時から一途に一人の事を思い続けているなんて、誰も思っていなかった。しかも、百二十五年間もだ。


 どうにか父様の怒りが収まったようで、もう帰ってもいいと言うので、イタリアに戻った。

 結婚式の話の詳細は僕には教えてもらっていない。

 本当に行われるかどうかもわからないままだ。

 まぁいっか…。しばらくは楽しく過ごそう…。


 次の帰還者を助けるのを誰にするかという話し合いが翌五月十五日に行われた。

 徠神(らいじん)の息子、徠央(らいおう)徠輝(らいき)の二人のどちらをターゲットにするかという話だ。

 徠輝の方が幼くして拉致被害に遭っている。

 逆に回復の早いのはある程度大人になってから拉致されている徠央の方だ。

 では、即日徠央を奪還し、意識を取り戻したらすぐに徠輝をという話になった。


 五月十六日月曜日。

 僕はアンジェラと徠神を伴い、徠央が拉致された日の様子を探ることになった。

 徠央は、三十代なかばで、国の政治にも多少口を出せるほど大きな派閥の中堅議員をしていた

 。その日は重要な会議があると言われて、大臣のところへ訪問するところだった。

 普及し始めたばかりの車に乗り移動し、三十分ほど進んだところへ、人が飛び出してきた。

 運転手が急ブレーキをかけ、車を停めると道の脇から三人の不審者が出てきた。

 合計四人になった暴漢は同乗していた徠央の部下と運転手に怪我を負わせ、徠央は襲撃で意識を刈り取られ拉致された。

 僕は犯人たちが去った後、徠央の部下たちの傷を癒してから徠央の後を追った。

 徠央は意外にも、旧朝霧城跡の徠人が見つかったあの場所へと運ばれていった。


 少し離れた場所からアンジェラと徠神と僕でしばらく監視する。

 一九六五年頃にはこの施設があったということか…。

 一度中へ転移し、様子を伺う。

 監視カメラをチェックしている部屋へ行き、監視している奴がいるか確認する。

 一人いた。手をたたいてこちらに注意を向かせる。

 赤い目で掌握。僕たちが見えても何も見えていないと思うようにした。

 監視カメラの映像から、先ほど運び込まれた徠央には個室で麻酔薬が注入されている様だ。

 そのまま三時間後、六時間後、九時間後へと転移をし、外からと監視カメラのある部屋で様子を伺う。

 翌日の正午ごろ、外から様子を伺っている時、神官の恰好をした四人の男たちがその施設に入って行くのが見えた。

「この施設の中にも転移させるための魔法陣があるのかな?」

「そう考えて間違いないだろうね。」

「じゃ、監視カメラのある部屋から様子を伺おうか。」

 僕たちは監視カメラのある部屋に転移しカメラをチェックする。

 廊下の何もないと思っていたところに、隠し扉があったようだ…。

 そこに徠央が運ばれていく。

 一旦外に出て話し合う。アンジェラが最初に口を開いた。

「今までで、一番ハードルが高いな。中がどうなっているのかわからない。」

「どうする?」

「一回家に帰って待機しててくれる?三人だと入れるかどうかもわからないから。」

「お前、ひとりで…」

 アンジェラが話してる途中で、家に転移し、アンジェラと徠神を置き去りにした。その後、徠央がいなくなった一か月後のその場所に降り立ち、徠央を回収し、アンジェラたちを置き去りにした約三十秒後の場所へ、僕は一人で全裸の徠央を肩に担いで家に戻った。

「うへ~。べっとべと。しかも徠央、めっちゃ重い。」

「おい、どうして勝手に…。」

「アンジェラ、ごめん。やっぱり狭くて三人じゃ無理そうだったよ。あそこで鉢合わせしたら大変だった。ねぇ、徠神、べとべとなの拭くの頼んでいい?着替えてくる。」

「了解!」

 アンジェラと徠神で徠央の体を拭き、パジャマを着せて個室に運ぶ。

 さっき拉致されたばかりで麻酔をかけられすぐに儀式で転送されたと考えれば、そんなにダメージもなく、少し経てば気が付くだろう。付き添いは基本的に徠神がやることになった。

 父様に戻ってきたことを報告する。

 僕はなんだかとっても疲れてしまい、自分の部屋で仮眠を取ることにした。

 アンジェラも一緒に部屋に来てくれた。

 アンジェラの膝枕でうとうとしてたら、夢を見た。

 僕の背中をトントンしてくれる、誰かの夢…。

「ライル、眠いの?ちゃんとベッドで眠った方がいいわよ。」

「母様…。」

 そういえば、あの人はどこに行っちゃったんだろう?あの人は何だったんだろう?

 僕には最初から母親なんていなかったのかな?

 そういえば、あまり関わって来なかったな。家の事はかえでさんがやってくれるし。

 物心ついたときには、いつも家の中で一人だった。

 寂しいな…。でも、今日は背中があったかい。ん。幸せな温かさだ。

「ほら、ちゃんとベッドに入って、一緒に眠ろう。」

 暖かな手が僕を引き寄せて抱きかかえてくれた。

「アンジェラ…。」

「ほら、おいで。」

「うん。」

 そうだ、僕にはアンジェラがいる。こうして僕の事を一番に考えてくれるアンジェラが…。

 僕もアンジェラのことを一番に考えているよ…。


 僕はどこか違う場所にいた。

 でもアンジェラの膝枕で眠っているのは確かだ…。

 薄暗い部屋の中で。すぐそばにろうそくの炎が小さくゆらゆら揺れている。

「いいよ、眠ってて。」

 アンジェラがやさしく言った。

「うん。」

 僕はまた深い眠りの中に落ちた。


 コンコン。というドアのノックの音で目が覚めた。

 自分の部屋で、アンジェラと一緒に寝ていた。今何時だろう?夜中の三時だった。

 ドアを開けるとライラがいた。

「どうしたの?」

「徠人が変。」

 そ、それを僕に言われても…。

「ちょっと待ってて。」

 僕はアンジェラと父様とアズラィールを起こし、ライラについて徠人の部屋に行った。

 確かに、それは「変」だった。

 徠人だったと思われる物体は、ベッドの上で膝を抱えた徠人の外側に無数の黒い血管のようなものが張り巡らされ、(さなぎ)の状態にすこしずつ変化している最中だった。

 父様がライラに色々と質問するが、ちゃんとした答えが返ってこない。

 仕方がないので、僕が質問してみる。

「これ、いつからこうなっちゃったの?」

「今日の夕方。ごはん食べた後。」

「何かいつもと違うことあった?」

「テレビでそっちのでかい人とライルが結婚するって言ってるのを見た。」

「それだけ?」

「うん。急に怒って、すごく怒って…。」

 困った、どう見ても普通じゃないし、病気でもない…。

 このまま見守るしかない…よね。

 父様が、ライラはお風呂にも自分で入ることができないと聞き、困惑していた。

 ライラは中学生くらいの女の子の状態なので、今女の子になってる僕くらいしかお風呂になんて入れられない…。仕方がないので、しばらくの間、僕がごはんとお風呂の時はライラと一緒にいることになった。もちろん、アンジェラが監視しながらだけど。

 これじゃ、イタリアにしばらく戻れないな…。


 父様に頼んで、スマホをライラに買い与えた。

 使い方を教えて、もし何か困ったことがあったらメッセージを送るか、電話をするように言い聞かせた。

 一応、使い方はわかったようで、お腹がすいたら「ごはん」、お風呂に入るときには「おふろ」とメッセージを送ってくるようになった。

 ライラは徠人の部屋ではなく、父様が用意した元僕の部屋で過ごすことが多くなった。


 五月二十一日土曜日。

 徠人が蛹みたいになって一週間経った。

 それは、完全な楕円形の黒い物質になり、表面には血管が浮き出て脈打っている。

 何になるのかと思うとコワイ。

 しかし、それを破壊することも出来ず、セキュリティカメラで映像を見ながら様子を伺うしかない。

 ライラはというと、妙に僕に懐き、ごはんとお風呂以外でもやたらと近づいてくる。


 今日は、外でご飯を食べたいとアンジェラが言うので、アズラィールの新車に乗せてもらって、少し離れた郊外のレストランに行くことにした。

 ライラを父様に頼んだけれど、ライラは完全拒否して、ついていくと駄々をこねた。

 仕方がないので、一緒に連れて行くことに…。

 車に乗り込み走り出すと、ライラは車に乗ったのが初めてだったようで、外の景色に夢中だった。途中に見えた電車や、大きなビルや、何もかもが興味をそそったらしい。

「あ!」

「あれ!」

 とずーっと大騒ぎだった。

 レストランでは、シーフードを大量に食べてた。

 見ているだけでお腹いっぱいになりそうな食べっぷりである。

「ライラ、そんなに食べたらお腹痛くなるよ。」

「たくさん食べてライルみたいになる。」

「意味わかんない。僕そんなに食べないよ…。ほら、こぼさないで食べて…。」

 何気に世話が焼ける。暴れたりはせず、大食い以外は割といい子にしているので、最近は安定している様だ。

 ところで、どうしてライラは僕を何回も殺そうとしているんだろう。

 帰りの車の中で、ライラに聞いてみた。

「ねぇ、ライラどうして僕を殺そうとしたの?」

「…。」

「こんなにいい子なのに、どうしてそんな事したのか教えて。」

「そのでかい人と仲良くするから…。ライルが悪い。」

「え?アンジェラの事が好きなの?」

「違う。でかい人は大嫌い。」

「そ、そうなの…。」

「ライルはライラのもの。」

「え?違うよ~。」

「違わない。」

 ライラが相手だと、埒が明かない話になる。しかし、ライラが言うことがなんだか気にかかった。僕たちはアズラィールの運転で家路についた。


 そんな徠人の異常事態がありながらも、帰還者を探しに行かねばならない。

 五月二十二日日曜日。

 この日は徠央の弟、徠輝の捜索を行う事とした。

 徠輝の父、徠神とアンジェラを伴い、行方不明になったとされる家の裏山付近を捜索する。まずは、いなくなったと言われている日の徠輝の気配を探す。

 家から出て、すぐだ。徠輝を発見。裏山に遊びに入った徠輝に吹き矢のようなものが刺さった。

 その場に崩れるように倒れ込んだ徠輝が、緩やかな斜面をずるずると数メートル滑り落ちる。

 吹き矢には麻酔系の薬物が仕込まれているのだろう。

 徠輝が動かないのを遠くで見張っていたのか、しばらくすると男が二人近づいてきた。

 男たちは、徠輝の履いていた靴をその場に投げ置き、先ほど矢の刺さった服を脱がせて血をつけ、その場に放置した。

 動物に襲われた、あるいは猟師などに誤射されたように見せかけるためだろう。

 その後を少しずつ時間を置いて転移しながら追う。

「また、ここか…。」

 旧朝霧城跡の地下だ。僕は徠神に確認した。

「徠輝は確か覚醒していなかったよね?」

「はい。多分していません。」

 あの宗教団体のやつらは、僕らがなぜ覚醒するのかはわかっていないんだ。

 ある程度年齢がいけば、勝手に覚醒すると思っているのだと推理した。

 そして、覚醒した者を十二人集めなければいけないことも知っている様だ。

「多分しばらくはここで、眠らせて成長させるつもりだ。」

 僕の想像通り、監視カメラのある地下の部屋に行くと、徠央の時とは違い、点滴を繋がれた徠輝の姿があった。

 その時から、五年間、徠輝はそこで眠らされたまま育てられていた。

 左徠の時と同じように…。

 僕は徠央の時と同じようにアンジェラと徠神を一旦家に戻し、一人で徠輝を迎えに行った。

「ただいま~。徠央とは違って、とっても軽いよ。ベッタベタは同じだけど。」

 戻って来た僕にいきなり話しかけたのはライラだった。

「なに、それ?」

「徠輝君だよ。」

「ライキ?」

「そう、親切にしてあげてね。」

「…。」

 アンジェラと徠神が徠輝の面倒を見ている間に僕は浴室で自分の汚れを落とした。

 そこへライラが入ってくる。

「うわ、びっくりした。」

「おふろ」

「いいよ、一緒に洗ってあげる。」

 僕がライラの服を脱がせて一緒に洗ってあげた。

 髪を洗って、トリートメントをして、浴槽にはお湯を貯めながらになっちゃったけど…。

 体も洗って、流したらタオルで拭いて…。

「ちょっと待ってて、僕も上がるから。」

「うん。」

 自分も洗い終わって、浴室から出て、次はライラの髪を乾かす。

「じっとしてて。熱くない?」

「ん。」

 僕はライラの髪を乾かし、自分の髪も乾かした後、ライラの着替えを持ってきていないことに気づいた。

「これね、前に買ってもらったけど、僕には小さくなった服。着てみる?」

「ん。」

 中学生くらいの大きさに自分がなった時にアンジェラが買ってくれた服をライラに着せた。

「すごくかわいいよ。」

「かわいい?」

「うん。」

 ライラが珍しく頬をピンク色にして嬉しそうに微笑んだ。

「笑うとかわいいよ、ライラ。」

「ほんと?」

「うん。」

 ライラが僕に抱きついて嬉しそうに笑う。

「う、うおっほん。」

 わざとらしい咳払いが聞こえた。もちろん、アンジェラである。

 後ろは向いているものの、部屋の中にずっといたんだね…。

「ライラ、寝るときはパジャマに着替えるんだよ。いい?」

「うん」

 とりあえず、ライラを部屋から追い出し、洗濯物は洗濯室のカゴに入れるように言っておく。ライラが去った後、アンジェラがコワい顔で近づいてきた。

「何?アンジェラ…なんかコワイよ。」

「悲しくなった。」

「え?なんで?」

「違う所を見てたから。」

「ん?」

 え、もしかしてライラにやきもちでも妬いてるんですか?

 ちょっとアンジェラさん、自分自身にやきもち妬いたり、ライラにやきもち妬いたり、とっても変ですよ。

「何を心配してるの?僕はアンジェラのものだよ。これからもずっと。」

「本当?」

「本当だよ。ね、ほら。こっち来て。」

 僕からアンジェラに本気のキスをする。

 僕は何も言わずにそのままイタリアの家に転移した。

 こっちはまだ午前中だ。ちょっと疲れてたけど、アンジェラとの時間はとても大切にしたい。どうしてかわからないけど、今一緒にいないとダメだっていう気持ちになる。

「ねぇ、この前アンジェラの膝枕でうたたねしちゃったときに、変な夢見たんだよ。」

「へぇ、どんな夢?」

「日本の家にいたのに、こっちのアトリエで膝枕してもらってて、やさしく撫でてもらったの。」

「ふぅん。」

 アンジェラはその時、無言で部屋からどこかに行った…。

 そしてすぐに一つの小さな絵を手に戻って来た。

 天使がろうそくの灯りのそばで、まどろんでいるような眠っている幸せそうな様子の絵だった。

「…これって?」

「多分、お前が膝枕中にいなくなって、昔の俺のところに行った時の絵だよ。」

 がーん、自分の知らない間にも行ってたりするのか…。

 でも、とてもいい絵だった。やさしさがあふれる絵だ。

 ひぇ~、ごめんなさい。かなり自己嫌悪です。

「ごめんね。」

「いや、いいんだよ。お前が来てくれてうれしかった。たとえ話が出来なくても、少しでも側にいてくれるってわかって、それに私を信頼して眠っていてくれて、安心できた。」

「そ、そうなの?」

「あぁ。」

 アンジェラが怒ってないならいいけど。

 でも、本当に描いた人がその絵に描かれている天使を愛してるってわかるような絵だった。

「アンジェラの絵、大好き。」

 アンジェラは頷いて、抱き寄せてくれた。

 僕は疲れに逆らえず、そのまま意識を手放した。


 ずいぶん時間が経った頃、夜中に目が覚めた。アンジェラはベッドで僕に背を向けて寝ていた。僕はそちらに向いて、アンジェラの背中に頬をつけた。

 あれ、パジャマ着ないで寝ちゃったのかな…。

 上半身裸で、チョーカーの紐だけ後ろから見えている。

 チョーカーの紐がほどけそうになっているのが見えた。

 縛りなおした方がよさそうだな。歩いている時に外れたら嫌だし。

 そう思って紐を手にした。やはり紐はほどけている。手から紐が離れた。

「わっ。」

 封印の羽飾りの効果が切れたのか、アンジェラの体に変化が…。

 また、以前見た大きな白鳥に変わっちゃうのか?と思ったら、少し違った…。

 アンジェラの体全体が薄い白金色に輝き、羽が生え、髪まで白金色になった。あのいつか見た天使の姿になったのだ。思わず顔を覗き込む…。

 これって、ルシフェル~?どっからどう見ても、やはりルシフェルの様だった。

 あわてて、チョーカーの紐を結び直す。

 アンジェラは元に戻った。

 アンジェラ、何か今までのとは違う覚醒でもしたのかな?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ