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343. 誕生日プレゼント

 5月11日、月曜日。

 やはり新たな家族も5月11日に生まれた。

 午後6時になり、リリアナも出産後、少し落ち着いた様子だったので、リリィとアンジェラはミケーレとマリアンジェラを連れて一度家に帰ろうとしていた。


「あー、ママちょっと待ってほしいのよ。」

 マリアンジェラがリリィを止める。

「マリー、どうして?」

「あのね、写真撮って欲しいの、赤ちゃん達と一緒のやつ。」

「でも赤ちゃん達は別の部屋にいるから、今は無理でしょう…。」

「そうなの?ちぇっ。」

「でも、ミルクの時間になったら出てきてリリアナのおっぱい吸うかもよ。」

「おっぱい?」

 その言葉に反応したのはミケーレだ。

「やだ、ミケーレ、なんかエッチな事考えてたんじゃないよね?」

 ぶんぶんと首を横に振って否定しつつも、頬が赤くなっている。

「ね、僕もおっぱい飲んだ?」

「いやー、私、おっぱい出なかったもん。ペッってされて傷ついたわけよ。うん。うん。」

 リリィは、貧乳のため、ミルクは出なかった。と思っている。

 もしかしたら、貧乳はライルの細胞のせいかもしれないけど…。

「赤ちゃん出てくるまで待ちたいな~。」

「わかった。いいよ。でも、一回だけだよ。」

 とりあえず約束させて、その場を収める。

 30分後、アンドレが看護師さんに言われて赤ちゃんを抱っこしてくる。

 アンジェラもお手伝い。一人ずつ抱っこしている。


 強烈に小さい赤ちゃんを間近で見てマリアンジェラの顔がほころんだ。

「はい、写真撮るよ~。はい、おっけー。次ミケーレも一緒に撮る?」

「いいの?」

「いいよ。リリアナの子供ってことはさ、あなた達の弟君たちってことだよ。

 しっかり、お姉ちゃんとお兄ちゃんやってもらわないとね。」

「おとうと…。」

 ミケーレの顔がほころんだ。

 数枚、写真を撮り、リリアナのところへ連れて行きおっぱいを飲ませる。

「リリアナ、ママよりおっぱい大きいね。」

「うん、出てるね。」

 密かにガーンと傷ついているリリィだった。


 授乳の時間が終わり、アンドレを置いて家に戻った。

 もう、お腹がすいてこっちが死にそうだわ。

 長い時間病院にいたので、みんなかなり疲れている。やはり子供にはじっとしているのは辛いだろうしね…。

 仕方ないけど、おめでたいことだから仕方ないか…。

 家に帰ったら、お手伝いさんが準備してくれた夕食が出来ていた。


「手を洗ってきて、皆、食事にしよう。」

「はーい。」

「あい。」

 子供たちがいいお返事で手を洗いに行く。

 戻って来て、ダイニングで食事を始めると思いきや、アンジェラがストップした。

「ミケーレ、マリー、リリィ、目を閉じて。」

「え?目瞑るの?」

 お腹がぐぅ~と鳴って、マリアンジェラは少し待つのが嫌そうだ。

 渋々目を瞑り、ひたすら「ねぇ、まだ?」を繰り返す。

「よし、いいぞ。」

 三人は目を開けて一斉に同じリアクションをした。

「「「わぁ…。」」」

 大きなケーキと大きなターキーとプレゼントが置かれていた。

「誕生日おめでとう。」

 アンジェラが、三人に言った。三人も同じように言った。

「「「誕生日おめでとう~。」」」

 リリィもこっそり用意していたプレゼントをキッチンの棚の中から出して渡した。

 アンジェラからのプレゼントは、ミケーレにはお絵かき用の文房具一式。

 マリアンジェラには、ルビーが中央に配置されているリボンのヘアアクセサリー。

 リリィにはリリィの瞳の様な深い青色のサファイヤをアクセントにしたアンクレットだ。

「わぁ、しゅっごい。きれいね。パパありがとう。」

 マリアンジェラはご機嫌だ。

 ミケーレは、箱を開けて静かにまた閉めた。

「ミケーレ、気に入らないのか?」

「ううん、気に入ったよ。パパありがとう。でも、今ここで広げると散らかるから…。」

 本日三歳になったばかりとは思えない大人な感じである。

 マリアンジェラとリリィは真逆だ。もう、髪にヘアアクセサリーをくっつけているマリアンジェラと、もう足首にアンクレットをつけているリリィ。さすが親子っていうくらいのシンクロぶりだ…。

 リリィからのプレゼントは専用のグラスだった。

 アンジェラにはワイングラス。グラスの外側にはユートレアの紋章が刻まれている。

 子供達には水やジュースを飲むときに使えるタンブラー、ステンレス製でやはりユートレアの紋章とそれぞれの名前が入っている、そして、ミケーレはブルーが少し入っている物、マリアンジェラには少しピンクが入っている色違いだ。タンブラーは全員の分用意されてた。

「おぉ、いいな。」

「でしょ。ライルのお小遣いで作ったの、二人からだよ。」

「そうか…。ありがとう。」

 アンジェラはライルにもお礼のメッセージと誕生日を祝うメッセージを送っていた。

 アンジェラからライルにはリリィとお揃いのサファイヤがあしらわれた腕輪が送られた。

 誕生日の余韻を楽しみながら、夕食をとった。途中で、ライルと分身体が帰ってきた。

 ライルもプレゼントに喜んでいた。


 最後に皆でケーキを食べて、写真をいっぱい撮った。楽しい夜だ。

 他の親族にもメッセージでお祝いの言葉を送った。いい誕生日だった。

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