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336. 絵本の内容(3)

『天使の羽のひみつ』と書かれたオレンジ色の絵本を開いたアンジェラは、一瞬ドキリとした。その最初のページには、あの大天使ルシフェルとその恋人の天使アズラィールが暮らしていた全てが明るい色の世界の宮殿と庭園がキラキラと描かれていた。

「わぁ、綺麗だね。パパ」

 ミケーレはアンジェラの膝にしっかり座って特等席から食い入るように見学中だ。

 文章はこうなっている。

『はるか昔の遠い世界で、幸せに暮らす天使という種族の人々がいました。』

 次のページへ進むと、何人もの羽の生えた天使が、やはり明るい色の世界の庭園で、楽しく遊んでいる様子が描かれている。


『天使には神から授けられた使命がある。それは、新しい世界を作ることだ。』

 そう書かれたページには、二人の天使が手を取り合ってキスをしている。

「ねぇ、パパ。チューしたら新しい世界ができるの?」

 ミケーレがアンジェラに質問をするが、答えに困る。

「さぁな、新しい世界は出来ないが、子供は出来るかもな…。」

「ちょっと、苦し紛れに変なこと言わないでよ~。」

 リリィがアンジェラに突っ込みを入れる。

「あ、スマン。私にはわからない話だ、ミケーレ。封印の間でルシフェルにでも聞くしかないな。」

 と、アンジェラは適当にごまかした。

「聞いたら教えてくれるかな?」

 ミケーレのその言葉には誰も反応しなかった。


 次のページには、星が一つ描かれている。そこに降り立つ天使二人が手を広げ神に祈ると星がキラキラで覆われ、星に変化が起きている様な絵だ。


 更に次のページに移ると、次の言葉が書かれていた。

『天使たちは自分の羽を抜き、草木や動物に変え色々な種を創り出す』

 天使の羽が舞い、そこに動物や、花や人間が描かれている。


 まためくる。

『もし、天使たちが、真実の愛を見つけることができたなら、神は天使たちに自身の化身である子を持つことを許すだろう。』

 羽の生えた赤ちゃんが2人、描かれている。


 ページをめくる。

『やがて、時が経ち、天使たちの役目は終わり、終の間で眠りにつくのだ』

 そのページには封印の間で玉座と妃の座に座ったまま目を閉じる二人の天使が描かれている。ルシフェル達の姿そのままだ。


 次のページへ。

『その世界のすべての理を正しく導くためにもたらされた天使の末裔には、美しい翼を持つことが許されるのだ。』

 天使の翼を持つ大人が二人寄り添う様子が描かれている。


 絵本のページはここまでだった。

「ねぇ、パパ。これってさ、ルシフェル達がこの世界を作ったってこと?」

「さぁな、そうかもしれないし、違うかもしれないな…。」

 アンジェラはオレンジの絵本のページも写真を撮って印刷し、ブラザーアンジェラに渡した。

「これは、よくわからない話だが、創造の起源の話だとすれば、興味深いな…。」

 アンジェラは自分の意見を言ってみたのだ。




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