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335. 絵本の内容(2)

 二人が赤い絵本の中を読み終わった時、横から覗いていたミケーレが少し驚いたように言った。

「パパ、またこの絵本、中に描かれていることが変わってる!」

 確か前回ミケーレと確認したときには、最初は夜空と空に浮かぶ星、そして聖マリアンジェラ城とそっくりなお城が描かれていた。

 そして、昔、その城には美しい王子様とお姫様がいて、それは天使だったというくだりだ。

 二人の手を繋いで遊ぶ姿も描かれている。

 そして二人は双子で、言葉にしなくてもお互いの心が伝わる間柄だとも書かれていた。

 神のお告げを聞いた後、二人の天使は高熱を出し、王は二人を色いろな医者に診せたが、結局誰も彼らを助けることが出来ず死んでしまった。

 王は二人をしのんで石像を建てる。

 そして、その石像の天使たちが『星降る夜』に、何かから自分たちを守るために、金色の光をまとい空に飛び立っていく絵が描かれている。

 その次のページだ。前回はまだ真っ白だった。しかし、今日は、そこには大きな灰色の星が一つ描かれていた。

「パパ、これなかったよね?」

「あぁ、ミケーレ。今朝はチェックしたのか?」

「うん、今朝はなかった。」

 この灰色の星が何かの災いに関わっているのか…。

 この星が何か調べる必要がありそうだ。

 アンジェラはそのページをスマホで撮影し、今までのページも含め、書斎のプリンターで印刷をしてブラザーアンジェラに渡した。


「ブラザー、私達は、この絵本が伝えている事を無視してはいけないと思っている。

 もしかすると、なにかが地球に衝突したりするのではないかと思っている。」

「衝突ですか?」

「専門家に聞くと、2年後の2029年4月13日に小惑星が最接近する。2031年には彗星が最接近するともいわれているそうだ。あくまでも最悪の事態にならないようにと考えているのだ。」

「これ、いただいていってもいいんですか?」

「もちろんだ。もし、そっちの世界でも同じことが起きるなら、対応方法を考えなくてはならないだろう。」

 ブラザーアンジェラは受け取った絵本のページを印刷されている紙に小惑星の最接近するとされる日付と彗星が最接近するという年をメモした。

「私も戻ったら調べてみます。」

 ブラザーアンジェラは心の中で、このような小惑星の衝突などが起こっても自分たちには到底対応できないと思っていた。

 これに対応しようとしているここの人たちが異常なのだ。


 アンジェラが赤い表紙の絵本を置き、次に除菌装置を開けて、オレンジ色の表紙の『天使の羽のひみつ』というタイトルの絵本を手に取った。

 念のため、除菌ウェットティッシュで外側を拭いてページを開く。


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