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177. 未徠の告白

 朝霧家では、徠夢の妻であり、瑠璃リリィの母である留美が、仕事から帰宅した夫徠夢と義父である徠夢の父未徠とその妻に、その日の午後にあったことを説明していた。

「昨日、瑠璃リリィのスマホのメッセージに気づき、返信していた方からご連絡を頂きました。信憑性があると考えたため、瑠璃リリィに会って下さいとメッセージを送りました。今日の午後、その方が訪ねて来られました。」

 アンジェラが置いて行った名刺を見せ、花束、そして瑠璃リリィへ贈った婚約指輪の存在を報告した。

「お義父さんの言う通り、彼はライディーン・アサギリ・ライエンさんの弟さんだとご自身が名乗りました。不老長寿の血筋だとも言っていました。」

「やはり…。そうだったか。」

 未徠は、昔祖父から父である徠央に伝え聞かされた話だと言って語り出した。

「私達のルーツはドイツの家系なんだが、男児は個々で特有の能力を持ち、女児は変化の能力があると言われている。

 言われている。というのは、個人差があるのか、能力が覚醒しない者もいるからだ。

 能力には、色々なものがあるらしいが、未来予知や、天候を操るもの、動物や人を操るもの、徠夢のように傷を癒すものなど様々だ。

 そして、男児には覚醒を妨げるアイテムを使い成長を遅らせる場合があると言っていた。その場合は、通常の三倍以上の寿命となるという話だ。

 しかし、実際には事故や戦争で死ぬ者がほとんどで、私の曽祖父が七十五歳で結婚したが、見た目は二十そこそこだったという話くらいしか聞いたことがない。

 まぁ、それでも十分すごいのだが…。」

 未徠は続けた。

「本来、アンジェラ・アサギリ・ライエンも若い時期に死ぬような事実に直面したことが何度かあるのだろう。しかし、それを覚醒した瑠璃リリィが過去に戻り、助け出したことで彼の命が今も続いていることは考えられることだ。

 瑠璃リリィは、脳の手術の後、彼の元へ行った際に意識不明の状態から脱し、活動可能な状態になっていたのも事実だ。残念な事故で現在の様な状況に陥り、もう目覚める見込みがないのも事実だ。

 彼が、もし瑠璃リリィと本気で結婚するつもりでいたのだとしたら、申し訳ないとしか言いようがない。

 百年待って、この結果だ。彼に何もなければいいが…。


 未徠の話がひと段落したときに、徠夢のスマホが鳴った。

 弟の徠太からの着信だった。

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