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第1話 私はどこから生まれてきたの?

機能不全家族、毒親、育て方差別、人気者だった妹の精神的病と自殺未遂、核家族の孤立、受験戦争、就職超氷河期、交通事故、デキ婚、切迫早産、産後うつ、近所の過干渉、娘の友達の窃盗やいじめ、娘の不登校や入院、ひきこもり、体調不良、離婚、犬の世話、再就職、再婚、いじめ、セックスレス、自称セレブなサイコパスとの出会い、発達障害との誤診、…

現代の苦悩がこれでもかと覆い被さるが、一見、お嬢様育ちの恵まれた娘、恭子。三姉妹の長女で、甘えん坊で病弱でわがままな妹たちと、それを溺愛し言いなりになるストレスと、姑との確執のストレス、仕事人間の父の機嫌んとるストレスを恭子にぶつける専業主婦の母。そんな家が苦しくて、自分には無いものを求めた結婚は結局、大失敗に終わる。いつも必死に生きているのに、いつも僻まれていじめられたり、仲間外れにされたり、生活保護も受けられず、頑張るしかない恭子。友達と思っていた人にも裏切られ、一人ぼっちの恭子。周りに理解されない恭子。

勉強はできたので、そもそもは嫌いだったとはいえ、奇跡的に中学校で国語教師をすることができ、生徒には親しまれ一生懸命働くが、先生方との人間関係において何も報われず、評価されず、空回りしてると言われる。その間にも、妹の自殺未遂、失踪が何度も繰り返され、続く。しかし、なぜかモテはして、ほとんどストーカーというほどしつこく押しきられ再婚。ところが、これもまた不幸の一つになってしまう。シングマザーの自由や自分のお金を減らすような結婚生活。旦那の実家の事故、旦那のアル中や骨董趣味、いびき、変な昔気質と外面の良い子分気質、夜尿、同じどうでもいい話の繰り返し、躁鬱病に悩まされる。ついに、いつまでも甘えてくる妹とも実家とも疎遠になり、ますます孤独が強まる。

使命感をもち、使命感を掻き立て滅私奉公してきたが、お金や人並みの家族構成は得ても、職場に仲間もできず、最後は馬鹿馬鹿しさと失望と怒りで打ちのめされてしまう。

どこでも消耗するばかりで人間不信にもなり、自殺したっておかしくない恭子は、それでも自分を守り励ましながら生きていく。そして、それと気づかぬうちに、人の心の痛みがわかる人間に成長していたのだった。

その先に、どんな未来があるのか、最後は感動の涙が流れるはず。

ある日、前のうちのおばちゃんに言われたのだ。

「恭子ちゃんは段ボールに乗って、どぶ川を流れてきたんだよ」って。

そんなわけないだろ。そんな子猫じゃあるまいし、あり得ないだろ。「子猫物語」っていう何十年前かの映画のCMで、箱に乗って川を流される子猫を見た気がする。

しかし、確かに、近くに小さなどぶ川があるのだ。まさか、あれか、あれなのか。

「それで見てたんだけど、だんだん段ボールに水がしみて、溺れ死んでしまうから、もってきて、今の家の前に置いておいたの。誰も助けないから、可哀想でしょ?だけど、うちじゃあ、貧乏で、可哀想だし、恭子ちゃんちの方が金持ちで幸せだと思って、家の前に置いといた」

そんな話を聞かされて、小さな私は、ちょっと信じてしまったのかもしれない。おばちゃんは、いろいろな話をしながら、サスペンス劇場を見ながら、お菓子やお茶を出してくれるいいおばちゃんで、私は信用していた。

もしかしたら…本当に私は、よりによって段ボールに乗ってどぶ川を流れてきたきたところ、助けられた子どもなのか。疑うにはあまりにも、詳細な描写と、真剣な語り口だった。そんなことを言う理由もないし、普通は言わないだろうし。稲川淳二の怪談のような真剣な語り口。モキュメンタリー映画のような詳細な描写は、子どもを恐怖の世界に誘うには十分過ぎたのだろう。

親にはちゃんと病院で生まれたと聞かされた。でも自分ではわからない。親が自分にやたら厳しくて冷たいのは、そのせいなのか。妹には優しいのに、自分だけは我慢や犠牲を強いられるのは、そのせいなのか、と恭子は自然と、そうである理由を探してしまった。自分が不条理に厳しくされる理由を求めたかったのかもしれない。

そんなことない、私は捨て子ではないと思う一方で、そうでないとも言い切れなかったから、なんだか不安。からかっただけと思うには、恭子はあまりにも、純粋だった。このおばちゃんのからかいが、恭子の真面目で騙されやすい性格とマッチして、恭子の勘違いは始まってしまったのかもしれない。これが、この後ドミノ倒しのように連続するガタ崩れ人生の最初の一押しでは無かったと、誰に断言する権利があるというのか。

いや、誰かを裁いてはいけない。もしかしたら、そんな風に思わせようとしたおばちゃんが悪いのか、それとも、親がわるいのか、それとも自分が悪いのか。そんなの、この際どうでもいい。全ては運命だったと思う方がまだカッコいいというものだ。せめてカッコつけくらい、させてくれよと思う。

しばらく面白くありませんが、書き足しながら推敲していきますので、良かったら、懲りずに読んでください。

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