幼なじみ
今回は短めの閑話です。
出会ったのは小学生の頃だ。建人は共働きの家庭でお婆ちゃんに育てられていた。そんな建人の家の正面に同い年の子が引っ越してきたと聞き、興味を持った。
麻李と麻弥の家はシングルファザーでこの街に引っ越してきたばかりだった。父親は特に近所付き合いをしておらず、麻李は専ら麻弥の世話をして過ごしていた。中途半端な時期に引っ越した事もあり、放課後に遊ぶような相手もいなかった麻李を初めて遊びに連れ出したのが建人だった。初めて仲良く遊べた麻李は建人とよく遊ぶようになった。
そのうち麻李は父親が仕事に行っている間、建人の元で過ごすようになり、幼かった麻弥も一緒に毎日のように遊んだ。麻李達の父親が出張の時は建人の家に泊まったりもした。
そのうち、麻李と建人は友達以上の関係になっていた。
しかし、3年前のある日、麻李と麻弥が旅行のお土産を持って建人の家に行くと、建人は突然引っ越したと告げられた。突然の出来事に落ち込み、しばらく立ち直れなかった麻李だが、最近やっと建人の事を思い出さずに過ごせるようになっていた。
そんなときに魔法界へ迷い込み、建人と再会したのだ。