6、ホノ
クエスト《不滅の絆》を達成。
【夢の鍵】を入手しました。
悪魔が消え去ると真っ赤な空は綺麗な青空に変わり、木々は捻れが無くなり大地も元に戻る。
そして、広場には沢山の花が咲き乱れる。
『あなた達!』
振り返ると、ティターニアがおばあさんを連れてやって来る。
「大丈夫かい?」
『本当に倒したのね』
おばあさんは心配して、僕とシルを見る。
「大丈夫です」
「ララ~~」
『あいつに殺された皆の代わりに言うわね、ありがとう』
そのとき、僕達の真上にあの光の玉が現れる。
光の玉はゆっくり地面に着地すると、その形が変化し一体のドリアードになる。
ドリアードはおばあさんに駆け寄り、抱き締める。
「リ~~~リリ~~!」
「エルなのかい?」
「リ~!」
「またエルに会えるなんてね」
おばあさんは涙を流し、エルを抱き締め優しく頭を撫でる。
『奇跡だわ。あの子が生きてるなんて』
「リリ~リ~~リリリ!」
「おや?エルが渡したい物がある様ね」
エルが僕の前に来ると何処からか小さな木の苗を取り出す。
僕が受け取ると木の苗は光り輝き、ドリアードに変化する。
このドリアードはエルやシルとは違い、この子は明るい橙色で年齢は12歳くらいで身長もシルより少し低い。
名前:ホノLv22
種族:ドリアード(ユニーク)
契約者:ソラ
HP:279/279 MP:532/532
攻撃:223 敏捷:128 精神:194
防御:168 器用:130 運:58
知力:126
スキル:<樹魔法Lv4><育樹Lv2><再生Lv1><鞭術Lv3><怒りLv1><打壊Lv2><幸運><森の守護者>
いつの間にか、ホノと契約をしたことになっていてステータスを確認することが出来た。
「ルルル~ルル~~~♪」
「ララ~」
ホノとシルはすぐに仲が良くなった様で、僕の周りを駆け回る。
そのうち、エルも混ざって遊び始める。
「ソラくん、ありがとう。あなたのお陰でエルを解放することが出来た」
「おばあさん」
「これからも遊びに来てくれるかい?」
「勿論です」
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運営陣。
「のあああああああぁぁぁ!」
1人の男が叫ぶ。
それを聞いて全員が反応する。
「どうしたんだ?」
「クエストを全部クリアされてドリアードが持ってかれた!」
「最初の街からすぐに行ける魔物の森のクエストか?」
「そうだよ!しかも発現条件は魔物使いが森の奧に行くことで、ドリアードを手に入れるにはソロでクエストをクリアしないといけないんだよ!」
「ゲームが始まって2日しか経って無いんだぞ。誰がクリアしたのか分かるか?」
男は機会をいじり映像がモニターに流れる。
空色の髪をした少女が、2体のドリアードと遊んでいる。
「プレイヤーネイムはソラ、Lv24の魔物使い。1番最初にログインしたプレイヤーで、最初の魔物プレゼントでドリアードのユニーク個体を引き当ててるわ」
1人の女がソラの情報を調べて提供していく。
ソラの戦闘や何をしていたのかを映像で見ていく。
「この子全然気づいてないけど、レアモンスターを結構倒してるわね」
「今のモンスターは中盤でも凄い活躍するのにテイムしてないからな、多分ゲーム初心者なんだろうな」
「それにしても可愛い子だな」
「ほぼ現実の姿を再現しているからな」
「本当、男の子には見えないわよね」
その瞬間、部屋にいた男達は凍りつく。
「何だと………」
「この美少女が男だと!?」
「そうよ。でも、本当に可愛いわね。この子の映像、今度のCMに使えないかしら」