5、アークデーモン
穴の先に広がっていたのは、木が捻れている森に真っ赤な空だった。
「ここに悪魔がいるのか。早く見つけないと」
「ラララ!」
僕とシルは森の奥へと進む。
何度かモンスターと遭遇したが、モンスター達の目は赤く輝き近くにある木や別のモンスターを手当り次第に襲いかかっている。
「ギシャアアアアアアアアア!」
「くらえぇぇ!」
魔導銃を構え引き金を引く。
体の中から何かが抜ける感覚と共に轟音が響き渡る。
モンスターが光の破片になる。
MPの3割が今の攻撃で無くなっているが、モンスターを一撃で倒せた。
「凄い。気をつけて撃たないと」
僕は木の実を口に入れる。
ほのかな甘みが口に広がると、MPが徐々に回復していく。
完全に回復してから僕とシルは再び移動し始める。
そして僕とシルは森の中に立つ巨大な扉へと辿り着く。
「ここに悪魔がいるのか」
僕はステータスを確認する。
名前:ソラ Lv23
HP208/208 MP150/150
攻撃:79~73(鞭) 83(銃) 敏捷:73 精神:86
防御:64 器用:88 運:92
知力:49
スキル:<使役Lv1><鞭術Lv3><短剣術Lv1><銃術Lv1><狙撃Lv1><集中Lv1><料理Lv2><幸運>
使役モンスター(1/4):ドリアード
名前:シル Lv21
種族:ドリアード(ユニーク)
契約者:ソラ
HP:316/316 MP431/431
攻撃:121 敏捷:108 精神:217
防御:269 器用:132 運:68
知力:110
スキル:<堅牢Lv1><樹魔法Lv2><育樹Lv2><再生Lv1><鞭術Lv1><幸運><森の守護者>
「凄い。これだったら勝てるかも知れない!」
「ララ~~!」
「それじゃあ行くよ」
「ララララ!」
僕は扉に触れる。
扉は自動で動き出し、僕とシルは中に入る。
中には真っ黒な巨大な大樹が立っている。
『その身にまとっている道具はあの女の物だな!』
突然大樹は動き出し、その形を蜥蜴の様に変える。
アークデーモンという名前が現れ、隣に4本のHPバーが浮かぶ。
『許せん。許せん、許せん許せん許せん許せん許せん!』
怒りの声をあげ巨大な腕を振り下ろす。
シルも巨大な木を出現させ、巨大な腕を受け止める。
「【バインドウイップ】!」
Lv3になったことで攻撃範囲と効果が上昇した鞭が悪魔の足に巻き付く。
僕は力いっぱい鞭を引っ張り悪魔の体制を崩す。
「ラララ!」
『ぐはぁっ!』
周囲から大樹が生えてきて、何度も悪魔に叩きつけられるがダメージはほんの少ししか与えられない。
『小癪な!』
蜥蜴は大樹を薙ぎ払い、腕を地面に突き刺す。
僕とシルは急いで離れると、さっきまで立っていた場所から複数の腕が地面を突き破り出現する。
「やぁー!」
「ラララ!」
それから僕とシルは攻撃し続けたが、悪魔のHPバーはまだ1本目の半分しか削れていない。
回復ポーションもこのままでは全て無くなる。
「何か弱点は無いのかな?」
そのとき僕は悪魔の額に光る何かを発見する。
僕は魔導銃を構え、<狙撃>と<集中>が発動し光る何かに自動で照準が合う。
引き金を引き、放たれた弾丸は光る何かに命中すると悪魔は苦痛の叫びをあげHPバーも2割り削れる。
『貴様!』
「シル!敵の動きを止めて!」
「ラララ~ララッ!」
四方から大樹が伸び、悪魔を縛り付ける。
悪魔は暴れ、大樹を破壊するがすぐに別の大樹が縛り付ける。
その間に僕は1発も外さない様によく狙って撃つ。
全ての弾丸が命中し、1本目のHPバーが消滅する。
すぐに木の実を口に含みMPが回復するのを待ちながら、攻撃をして悪魔のHPを少しでも減らし魔導銃で狙撃する。
『ぐあぁっ!人間ごときが図に乗るな!』
2本目のバーが消滅する。
その瞬間、悪魔は怒りの声と共に業火を吐き出し、背中から新たな腕を生やし叩きつけてくる。
HPが徐々に削られ、僕とシルのHPは残り3割りになる。
「ラララ!」
シルの体をあの時と同じ緑色の光が纏う。
「ララー!」
「くらぇ!」
悪魔が光に包まれた大樹に吹き飛ばされ、僕はその隙に弱点を狙撃する。
そしてとうとう3本目のHPバーが消滅する。
悪魔が苦しそうに悶え始める。
『ば、馬鹿な!ぐあああああぁぁぁぁぁぁ!』
悪魔から光の玉が出て来て何処かへと飛んで行く。
悪魔の体は崩れていき、黒い煙の様な物が集まり悪臭を放つ醜い怪物へと変わる。
『寄越せ!貴様の体を寄越せ!』
「ラララ!ララッ!」
「シルに触れるな!」
僕とシルは悪魔に全力で攻撃する。
最後のHPバーが物凄い速さで削れていき消滅する。
『ぐおおおおおおおおおおおおぉぉおおおおお!』
悪魔は光の破片となる。
あれ程強かった悪魔は、最後は呆気なく終わった。