恋文の詩
昔好きだった人へ、届かない恋文を書きながら読んでください
拝啓
きみのすきな色、青色でしたね
少し湿ったコンクリートに寝転がったら気持ちよかったから、気持ちよくて、それで、ふと、君のことを思い出してしまったから、だから、こうして筆を走らせています。
タバコの煙の匂いが好きで、横顔が誰よりも哀しそうで、
生きる意味なんて見出していない君の姿に、終始私の心は締め付けられていました。
あぁー、いや、嘘です、嘘です、嘘なんです、嘘でいいです、
嘘であって欲しいんです、
君の記憶なんて……
……いつも少し猫背でしたね。
そのせいで背が低く見えること、全く気にしてなくて、これがアイデンティティだよとか、言っていましたね。
何も無い空を見上げていて、なんでもないのに泣いていて。
どこまでも痛み続けているだろうに、
それなのに優しい君の心は、脆く儚く、感じました。
はぁ、ため息で思い出すんです。これ吸ったら死のうって、君の言葉。悲しいことを言わないでっていくら私が言ったって、絶対変わらないあなたの瞳の色に、私は殺されてよかったのに。
あぁ、むしろどうか、そう、殺してください。そこはかとなく否応なく過不足なく何気なく気兼ねなく関わりなく、全く関わりなく、殺してください。
全て
生殺しで、いってしまったあなたのせいです。あなたのせいです。私が恋文を未だに送るのも、全て。
敬具
こんにちは、コーノです。令和の目標は公共料金を払い忘れないようにすることです。