忠犬
二次創作の気があります。お気をつけてお読み下さいませ。
俺は、あんたにとって何なのだろう。
ふと、そんな事を考えてしまった。
『忠犬』
「あら、珍しく遅刻しなかったのね」
普段鬼みたいに怖い俺の1こ上司が柔らかく微笑みかけてくれた。
思わず頬が緩みそうになるのをくわえていた煙草をきつくくわえ直すことで耐える。
俺は自分の定位置に座る。
そして俺の1こ下の部下がコーヒーを煎れてくれた。
そしてまたいつもの日常。
…に、なるハズだった。
「あれ?」
いつも、その場所でぼーっとしているか女性に電話をしているかしている上司がいない。
「あら、今日から出張だって言ってなかったの?確か上の命令で…」
「ッ!」
俺は勢い良く立ち上がった為に倒れた椅子を気にすることなく部屋を出てゆく。
なんとなく、視線が痛い。
でもそんなこと初めて聞かされたから、今は止められそうにない。
何であの人はそういう大事なことを言わないのか!
何でいつも頑固なのか!
同居している部屋のドアを乱暴に開ければ、かなり驚いた様子でこちらを見る、双方。
「お、おはよう」
「おはようございます」
「いや、その
「何で言わないんスか」
有無を言わさず、俺はかなりの至近距離まで近寄る。
これにはかなり驚いたようで、切長の目を見開いている。
「あ、や、これはだなぁ…」
「言い訳ッスか。」
俺が鋭く問い詰めると、いつもは強気な光を浮かべている瞳が大きく揺れ、一筋の熱いものが溢れた。
「えっ!!!???」
「…す、すまん…」
見ればうつ向いて華奢な肩を震わせていた。
少し赤くなった頬が可愛らしい。
ちょっと、我慢の限界かもしれなかった。
「あの…ちょっときついッス。マジで…」
「いいぞ?この先、3日程会えなくなるんだからな」
うわ―!その笑顔マジで反則だよ。
かなり危ない橋を渡ろうとしてるんだよな、俺。
押し倒しても、黙って帰っても、
もう実際考えるのも煩わしい。
「いきますよ?」
甘い睦み合いで確かめあう互いの心。
だが俺の心に浮かんだ疑問が胸に刺さったままだ。
意を決して、聞いてみた。
「おれって、貴方によって、どんな存在なんですか?」
「ん――?………お手」
え――――っ
「俺って…やっぱ犬すか」
「うむ。忠犬とでもいっておこう」
「え―――」
「だって、何があっても必ず待っていてくれるだろう?」
どくん
かなり心臓が高なった。
見透かされた心。
全く、この人には敵わない
「……待ってます」
「うん」
「待ってますから」
「うん。お土産何がいい」
「え……」
俺はそこまで言って、耳元に口を寄せる。
すると、顔を真っ赤にしてこちらを見つめてくる。
「おまっ………//よくもそんな恥ずかしいことが言え……//」
「あなただけですって//」
俺がそんな事を言えるのは、
あなただけですよ、my master...