後編
「もぅ怒ってないから、出てきな ? 」
ぐすぐすヒクヒク、プルプルしながら女神がおずおず出てくる。
「もぅ、痛い事しない ? 」
「しない、しない。あたし、後引かないから 」
ニパァと途端、笑顔になる現金女神。
「そっかぁ ! 良かったぁ ‼︎ じゃあさ、そろそろ転生してもらってもいいかなっ ⁉︎ 」
「はっ ⁉︎ 」
「ん ? 」
何か問題でもぉ〜な女神。
「いやいや。この場合、天国とかに昇天でしょ。」
「出納帳にもう記入しちゃったもん。
あんたは私の統べる世界、ミクロエディーターのとある国に生まれ落ちてもらうよ ? 」
出納帳て、あれか。
現金を出したり入れたり、現金の管理を行うあれか ?
「神様女神様連合会で言うと、現金でなくあなた達ね。人間管理帳てとこかしら。」
ほほうーー
ズンッーーーー
場が重くなる。何Gまで逝けるかなぁ〜 ??
「いやぁぁぁ〜重〜いっ ‼︎‼︎ 字がちがーーうっ !」
「すごいのよっ!チートあげちゃう!美少女、ケモミミ、美少年、他種族、何にでもなれるよ。魔法も使えるよ? 」
ほ〜〜ちょっと誘惑かな。
「でしょ ⁉︎ 」
パァ〜と明るくなる笑顔。
面倒事に巻き込まないでよ ?
「うん ! それは、大丈夫だよ!召喚とかじゃないから、自由に生きて謳歌してよ。妹の所為で巻き込んじゃったのもあるし。罪ほろぼしね!」
「そっか……。じゃあ、お言葉に甘えよっかな。」
日本じゃ、青春も恋も何もなかったもんな……。
「青春謳歌してくるよ。」
「チートや種族どうする ⁉︎ 」
「ん〜〜使命とかも特にないんだったら、貰えるだけで有難いからさ。女神にお任せするよ。生まれてからのお楽しみも楽しいかもね。」
「うん。うん。了解 ‼︎ そしたら、楽しんで来てね ‼︎
」
あたしの思考は暗転した。
身体がふぅわりと軽くなる。
瞼越しに暖かな光を感じて意識が浮上する
「おっぎゃああぁぁっ 」
光の中で産声を上げる。
「まあっ ‼︎ なんて神々しい王子なんでしょう ‼︎ 」
「創世の女神の御加護付きですわねっ。」
「この動乱の時代に女神が、遣わされたのだ。
ミクロエディーター全世界の統一が成されるぞっ」
外野……うるさいっ……。
おいっ、女神っ ‼︎‼︎ 面倒事しか感じないぞ ⁉︎
てか、あたし男 ⁉︎ 前世の女の記憶持って……男……。
言っていいか、女神。
バカやろーーーーーーうっ ‼︎‼︎‼︎
「オギャギャアアーーーーッ 」
あたしの切ない悲鳴が響き渡った。
去年に思いつきで書いていました。
拙い点は多々あるかと思いますがご容赦下さい。