行きついた街で
簡単な自己紹介で始めようとしたら何故かラーメンを作る話に・・・
なぜこうなったw
俺は山田ヤマト。
かつては日本でどこにでもいる普通の男子高校生だった。
日本から異世界に来てから1か月くらい経ったか。
目的の街につく途中の街で難関クエストを受けて、がっつり金を稼いだ俺は日銭には全く困らないようになっていた。
服装も日本のものでは目立つのでこちらの世界の衣服に着替えた。
生地は麻っぽい感じだ。
現在のアイテム
所持金20万G
装備
頭「なし」
体「異世界の布の服」
足「スニーカー」
まあそんな感じでお腹が空いたので何か食べようと街をうろついていた。
「何食うかなー」
そんなことを考えていると、ふと友達の川野とよくラーメン食べに行ったことを思い出した。
今じゃ、転生してチート能力者よく食べるものは、ボアやカエルなんかのモンスターの肉だもんな。
味付けはシンプルで塩ふっただけなんだけど日本では食べたことのない味がする。
すげぇー複雑な気分なんだけどかなりうまいから困る。
あーあ。
「またラーメン食べたいな~」
そんなことを言いながらあるいていたが、当然ラーメン屋などない。
あるのはモンスターの肉を扱った店ばかりだ。
そんな中で、ひときわ際立つ看板を見つけた。
【魅惑の創作料理】
~店主考案の日替わり料理が味わえる店~
面白そうだしここにするか。
カランコロ~ン
トビラを開けると小さな鐘の音が鳴り響いた。
店内はこじんまりとしていてあまり客も入っていない。
席はカウンターで奇しくも駅前にある隠れ家的なラーメン屋のようだ。
一人二人獣人族が座っているがそれ以外には人が見当たらない。
俺はカウンターに座りレシピを探そうとする。
しかし、そんなものはなかった。
この世界では料理店にレシピがないのはざらだ。
印刷技術があまり発展しておらず、文字はそこそこに擦れるようだが写真のようなものはあまり見かけたことがない。
まあ、仮にあったとしてもほとんど読めないのだが。
「すみませーん!店主さんいますかー!今日のおすすめを教えてくださーい!」
大きな声で呼ぶと、扉を開けて店主が出てきた。
その体は小さく頭には猫の耳がついている。
「はーい!いらっしゃいませ~」
幼さの残る気の抜けた声で話しかけてきた彼女はやはり獣人だった。
「お勧めですか~某お方から聞いた”スッシ”なる切った魚をコメという白い穀物を握ったものにのせて食べる料理を参考に小さなパソの上に海で取れた魚を軽くあぶったをのせた料理です~」
「ん?スシ?おい誰から聞いた?」
「えっと~黒髪で背の小さなお客さまでした~あ!ちょうどお客さんみたいな人です~」
マジか!ってことは転生者が来て言った料理を再現したってのか!?
ってことはだ――
ラーメンも食べれるかもしれない!!!
俺はそう考えると興奮が収まらなかった。
「店主さんそのお勧めを頼む!」
「はいです~」
「あと、作ってほしい料理があるんだが聞いてくれるか」
「なんですか~!お客さん新作のネタくれるです~?」
キラキラと目を輝かせてこちらを見てくる。
「ああ、”ラーメン”てやつなんだが魚介や塩、動物の骨なんかで作ったスープに穀物の粉で作った生地を細長く切ってすすって食べられるようにしたものなんだが作れそうかい?」
「おお~!何ですかそれ~!今度作ってみるので待つです!」
「マジ!?よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああ」
そうして、出てきた寿司をもとにして作られた料理を食べた。
これじゃない感はあるが、なぜかかなり近い味がする。
この子天才だ!
まだまだこの店は大きくなる気がするぞ!
つづく