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9話

俺は軽く混乱していた。


5000の兵が敗走?

どんな奇襲喰らったんだ?



「詳細は分かるか?」



「はい。

どうも森林内で何かを探しながら進んでいたようなのですが未発見のダンジョンの近くを運悪く通りかかってしまったようです。

比較的散開した状況で奇襲を受けたため、各個撃破されてる状況です。」



「魔導騎士がいたんだろ?

それにクリーチャーに慣れた冒険者たちもいたはずだぞ?」


「騎士については、奇襲を受けたことで指揮系統が分断されてしまった模様で、組織的な反撃を行えなかったのが原因と考えられます。

冒険者の方は手慣れていることから騎士団と比べて損害は小さいですが、戦力差があり過ぎ、苦戦しているようです。」



「……」





さて、どうしようか?


この場合どちらを支援してもメリット、デメリットが同時に発生する。



最初に騎士団・冒険者を助けた場合だ。

メリットとしては王国とギルドに対して良い印象を与えられることが上げられる。

討伐対象から外す…のは難しくても交渉ぐらいはできるかもしれない。


デメリットとしては彼らを助けても、彼らが此方を攻撃しないとは言い切れないことだ。

まぁ最悪全員撃退するが。




次にダンジョン(恐らくは、だが)側を助けた場合だ。



この場合のメリットは、自らの敵になる可能性のある騎士団・冒険者たちを殲滅出来ることだ。


デメリットとしては王国とギルドへの宣戦布告に等しい行為になってしまうということ。

戦争すら起きかねない。


…多分こっちが勝つけど。






それぞれメリット・デメリットはある。

だが、正直言って全て力で解決出来てしまうのだ。

あまりデメリットを気にする必要はないのかもしれないな。



そうなるとより良いメリットは……




「…待機中のA10とアパッチに出動命令を出せ。

攻撃対象はーーー」










side ???


くそ、どうしてこうなった。



俺はチチェンツァ王国第3騎士団の団長をしていた。


ギルドから王国に対して2つ名付きダンジョン消滅の報が入ったのは2週間程前のことだった。

ギルド側からは合同での調査を持ちかけられたのだか、軍を派遣するか否かで紛糾した。



国王陛下はすぐさま軍を派遣しようとしたのだが、貴族共がなんやかんやと文句を言い始めたのだ。

もちろん中には派遣に賛成する少数派もいたが大半は反対派だった。




大方、戦費がかすんで来年度の税金が増えるのが嫌だとかそんな感じの理由だろう。

安全保障の文字は頭の中にないのか、と思いたくなるような危機感の無さである。




結局1週間以上かかった協議の結果魔導騎士と冒険者の混合部隊約5000が派遣されることになった。


その後騎士達が装備を整えたりするのにも時間がかかり、結局俺達が出撃したのはギルドからの報告の2週間後だった。






冒険者達と合流して出撃し、当該地域に着いた時にも問題はあった。


ダンジョンがあったはずの大まかな場所は分かっていたが詳細な場所までは分からず、散開しながら捜索をしなければならなかったのだ。


ただでさえ視界の悪い森の中での散開に、俺は嫌な予感がした。





そしてその予感は直ぐに的中することになる。


捜査中にいきなり、ゴブリンやらスライムやらの大群が襲いかかってきたのだ。

1人あたり10匹程度なら全く問題はないはずだ。

そこまで柔な訓練はしていない。

ただ、1人で4、50匹を連続で相手にするとなれば話は別だ。

しかも散開していたのが更にまずかった。


どこから、何故、そんな数のクリーチャーが出てきたのかを知ることすら出来ない状態だった。


仲間は1人、また1人と倒れていき、気付いた時には3000人ほどまでになってしまっていた。





「団長、このままでは全滅してしまいます!」



「んなこと分かってる!

黙って戦え!」





ここまでか………。

俺が覚悟を決め、部下に玉砕する旨を伝えようとした時に部下から報告があった。



「団長!

何か巨大な物がこちらに飛んできます。」




そんな報告の直ぐ後だった、俺達の周りで爆発が連続的に起きたのは。




side out





「アタッカーリーダーよりHQ、これより攻撃を開始する。」



「HQ、了解。

先程地上部隊を送った。

まだ少し時間が掛かるからそれまで頑張ってくれ。」




…遅くなったがどうやら全滅は防げそうだ。

現在は先行して出撃したA10による攻撃中だ。

もう少しで、アパッチが到着するのでそれまでは頑張って貰おう。

追加で送った地上部隊が到着するには少し時間がかかってしまうが、まぁ大丈夫だろう。




結局俺は、騎士・冒険者を助ける、つまりは王国・ギルド側へ肩入れする事にした。

ここで助ければ交渉出来るかも知れないし、そうすれば厄介ごとを幾分か無くせるかも知れない。

絶対ではなく、あくまでもそうなればラッキー、程度でしかないがやってみる価値はあるだろう。


…と、そんなことを考えているうちに地上部隊も到着し、敵勢力はほとんど全滅した。

後でクレア陸将補に今回のクリーチャー大量発生の調査わやっておいて貰おう。

まぁ多分ダンジョンか何かだろうが。




「HQより全陸上部隊、負傷者を中心に回収せよ。

A10は一旦帰還、アパッチは残弾のない者は帰還し、そのほかは敵勢力の監視を行え。」



「「「了解。」」」





さて、ここからが正念場かな?

ご意見、ご感想お待ちしております。

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