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8話

あの事件が起きてから約2週間が経った。



アリアには申し訳ないが、結局街は全て破壊されてしまった。

元々巨大な虫に壊されていたところにヘリからの攻撃が行われ、文字通り建築物が吹き飛んでしまい、更地になってしまったのだ。



そこで生じた問題が、この土地をどうするのかについてだった。

元々は街が丸ごと1つあった場所なのでかなり広かった。

各種航空機用の滑走路だって余裕で作れるぐらいだ。

純軍事的な思考をするなら、ここを手放すメリットはなかった。



だが正直俺はこの更地をどうするかはかなり迷った。


何となくアリアに対して罪悪感を覚えたのだ。彼女の故郷を吹き飛ばしておきながら、その土地を基地にして良いのか、と。





幾ら考えても結論は出なかったので思い切って本人に尋ねてみることにした。


聞いてみるとアリアは笑って許可してくれた。



「全然問題ありませんよ。

むしろ土地が余っててもったいないから使っちゃって下さい。」



とのこと。

ちなみにお墓などは作らないのか聞いたら、満面の笑顔で、


「石材の無駄です♪」



だそうだ。

シュバルツハイン家の皆さんご愁傷様。






アリアから許可を貰って懸念事項が消えたことで、俺は大規模な基地を作成することができた。


ついでにダンジョンの位置を基地内に移させて貰った。

普通はDPが異常にかかるから出来ない(らしい)のだが…。




うん。

カンスト最高だ。




カンストの影響は部隊にも表れている。



新たに航空部隊が設立されたことで劇的に人数が増え、現在約3万人規模となっている。

今後は対地、対空の両方で活躍が期待出来るだろう。

部隊と装備は基本的に陸自と空自ので構成され、一部アメリカ軍のとなっている。



またバレットM82やプレデターなど、元来自衛隊が装備していなかったのもうちでは使用している。






そして進化したのだダンジョン外だけではなく、内部もだ。

今回新たに雪と森林に覆われた層を作った。雪の層には冬季レンジャー連隊(…そんなのあったか?)を、森林の層にはレンジャー連隊(…上とどう違うの?)を配備した。

通常のダンジョンならフェンリルやらゴブリンやらが出てくるのだろうがうちのダンジョンではそんな分かりやすい仕掛けはしない。

最終層の機械化部隊も増強した。

層の広さ、高さを数倍にしたことでより多く展開出来るようになり、現在は10式戦車10両、アパッチ3機、ブラックホーク6機、火砲10門とMLRS(クラスター爆弾使用)が侵入者を待っている。

えげつなさ全開の層である。



一回演習してるところを見せて貰ったが、こんなのと戦う事になる相手がかわいそうになってきた程だ。








と、まぁそんな感じで着々とダンジョンは整ってきている。



そしてダンジョンの規模が大きくなったことで、俺は総統、鈴木陸将(昇進した)はダンジョン内部隊司令官及び副総統に、クレア陸上補(これまた昇進)はダンジョン外部隊司令官となった。


アリアには特に階級はないが、いつも俺のそばに居ることから一定の敬意ははらわれているようだ。

乱暴したりするのがいなくて本当に良かったと思う。

もしなんかあったら、俺は犯人を全裸で追放させるだろう。アリアと最近ずっと一緒にいた(アリアがついてきた)ことで愛着がわいたのだ。

最初はただ単にかわいい、と思うだけの存在だったが、今となっては自分にとって大切なものとなっていた。




「閣下、よろしいでしょうか?」



そんなことを考えていたら鈴木陸将に気がつけなかった。

のろけもほどほどにしなければ。



「どうした?」



「哨戒中のグローバルホークより報告で、騎士団と冒険者の混合集団約5000が基地から約24kmの地点まで迫っているとのことです。」



「騎士団?

王国のか?」



「恐らくは…」



遂に来たか…。


アリアからこの国の主力は剣と魔法を併用する魔導騎士だと聞いていた。

そしてダンジョンは討伐対象であるということも。



「…A10とアパッチの出動準備を。

地上部隊も展開を開始させてくれ。

それと、グローバルホークには引き続き監視をさせて、逐次報告するようにしてくれ。」



「了解。」




また虐殺が繰り返されるのか。

しかも今回は5000という大人数。

ちょっとした街を滅ぼすようなものである。

DPはもう要らないし、そんなことをしてまで欲しいとは思わない。

くそが…。

なんで来るんだよ!




…と、そんな暗い気持ちになっていると、


いつの間にか俺はアリアに抱きしめられていた。



「アリア…?」


あまりに突然のことで一瞬呆然としてしまう。



「…私がいるから大丈夫です。罰を受ける時は私も受けますし、死ぬ時は私も死にます。

だから困ったり、辛かったりしたら甘えてもいいんですよ?」



「アリア…」










「し、失礼します。」


と、そんなピンク色の空間に1人の士官がやってくる。



「ど、どうした?

遂に奴らと戦い始めたか?」



「いえ、それどころか………、










騎士団・冒険者混合集団が奇襲を受けて敗走しているとのことです。」

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