⑤おじさん、ミサを想う
全10話完結保証!
更新は20時!
新横浜駅に向う新幹線の中で冷静にミサの事を考える。
見た目は美人で程よく色気もあるので好みではある。
気遣い出来て会話も楽しい点は評価は高い。
ストーカーみたいになるのはマジで怖いけど俺への不器用な愛情ともとれるよな?
美人だけど真剣な恋愛をしてなかったからの経験不足が原因かな?
そう考えると、とりあえず付き合うのはどうだろうか?
年齢差が親子程離れているが愛すより愛される方が幸せと何かのセリフにあったし、マルシェタウンの歌詞にも【拒絶から始まった恋もある】とあるし一つの形ではあるかも知れない。
俺はスマホを手にして
【一旦横浜に帰るけど会える?】とメッセージを送った。
するとすぐ返信があり
【嬉しい!一緒にランチしましょう〜
申し訳ないけど関内まで来てくれませんか?
お店は予約します〜】
【了解です。お店決まったら連絡下さい
因みに好き嫌い無くアレルギーもありません
参考までに】
【ありがとうございます〜
お店選びの参考にしますね〜
横浜には何か用事で戻られたのですか?
私はついでかな?(T_T)】
【違うよ】
【えっ!?どういう事?
実はアレルギーありまくるとか?】
【何でそっちに行く!?】
【だって私に会いに横浜にトンボ返りはおかしいじゃないですか!?
私、頭のおかしいストーカーですよ!!】
【自覚あったのか……】
【自覚はありませんでしたよ……
昨日仕事をドタキャンして帰ってきたら目茶苦茶怒られて理由も聞かれて
説明したらストーカー行為だって……
逆の立場で考えたら私そうとうヤバいじゃないですか!
仕事中はプライベートのスマホ取り上げられて連絡出来なかった。
返してもらっても自分のヤバさでごめんなさいも言えなかった】
【確かに浜松に居たのは怖かった】
【ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ…∞】
【ミサの第一印象は好みだと思ったし気遣いが出来て素敵だなと正直に思った】
【トモさん……好き♡】
【ただその後の胸を揉みしだく辺りからヤベー奴だと感じ始めエレベーターで待ってられたのは恐怖しか無かった、浜松にまで来たし】
【…⋯私は虫です、踏み潰して下さい】
【冷静に考えてミサは追われる側が多くて逆の経験が無いから暴走したのかなって思ったんだよ
それを踏まえてトータルで考えてミサはカワイイなって】
【ど、どうしたら良いんですかぁ!?
嬉しいんですけど!!幸せでハートがストップしそうなんですけど!!】
【だからお友達から!!(笑)】
【ウガガガゴァ!!!】
【アハハハァ、うそ、ウソ、嘘、ライヤー】
【やっぱりアレルギーがあるんですか?】
【アレルギー好きだよな!流れを考えろよ(笑)】
【考えたら答え一つじゃないですか!!
婚姻届取りに行ったりしないとダメじゃないですか!!】
【お前はマイナスか100しか無いのかよ!
ってかメッセージでここまでやり取りするつもり無かったよ!】
【という事はトモさんと私は同じ気持ちって事ですよね♡】
【……少し違うと思うけどポジティブな意味では同じかな?
続きは会ってから話そうね。
お店決まったら連絡ヨロシク!】
30分後お店の予約が取れないので駅前で待ち合わせしようと言ってきたので了承した。
待ち合わせの駅に早めに到着しコンセントのあるチェーン店に入りブログの作業する。
今どこですか?と連絡が来たので詳しい場所を教えると直ぐに迎えに来た。
「昨日ぶりです♡
……早速ですけど胸を揉みしだいて良いですか?
ダメなら腕を組んで歩いてもらって良いですか?」
「お前は骨の海賊か!
さりげなく妥協しそうな提案出すなよ!
とりあえずは区切りをつけよう」
「区切り?」
「ミサ、俺の彼女…恋人になって下さい!
そして腕を組んで歩いて欲しい!」
「はい♡」
と言って左腕に腕を絡める。
「ここで泣かされるとは思わなかったです」
少し含みのある言い方だったけどスルーしよう。
「どこで食べるの?」
「色々考えたんですけど、うちのお店はどうですか?
食事にも力入れているんですよ」
「あ、いいねその方が楽しそうだね!
俺はてっきりホテルの高級レストラン連れてかれて部屋とってますと言われるのかと」
目を逸らすミサ……考えてた上に抑えられなかったな。
店へ目指すなか
「俺は浮気するつもりも無いけど布教活動と言う名のキャバクラとかに行くのは許して欲しい」
「トモさんのブログ知ってますし推しへの理解はありますから安心して下さい!」
ん?とは思ったが予想出来るのでスルー
「私の浮気は心配してくれないんですか?」
「あんな積極的な行動する奴はしないと思うよ、
するの?」
「その言い方ズルいです!私美人ですよモテますよ!
少しは心配してくれても良いじゃないですか!」
「愛しているし信じているから大丈夫」
俺の腕を力を込めて抱きしめると
「本当にズルい♡」
何となく会話するよりこうして歩いてる方がたくさん話すよりよい気がした。
横浜ドールに到着すると店内のキャストがだらけている様子に
「お客さん連れて来ると言ったでしょ!
女子高生の教室じゃないんだからシッカリしなさい!」
こちらを振り向いてちょっとドヤ顔…カワイイ。
「すぐ持ってくるからトモトモはこっちで待っててね♡」
と言って消えていった。
ミサの行動に動揺するキャストに俺。
何で今トモトモ呼び?
「あのぅ、先日お席に着いたアイスです
オーナーとのご関係は?」
「さっき告白して付き合うことになったよ」
他のキャストがざわめく。
「⋯⋯ん?、ミサってオーナーなの?」
「知らないで付き合ったんですか?」
「知らなかった、店長くらいかなとは思ったけどオーナーって!
そんな地位なのに仕事ドタキャンして浜松に行ったの?
ヤバいなアイツ」
「普段はスゴク気遣ってくれるし憧れの女性なんですけど、あれはヤバいですよね!」
「もっとヤバいのはトモさんッスよ!
あたしなら、ヤバいストーカー無視っすよ!警察案件ッスよ!!」
あの日席に着いた【いのり】が会話に入って来た。
「あれはずっとモテ続けたから想いの伝え方を知らないだけでしょ、それで俺への気持ちが暴走しただけでしょ?
ストーカーされて鍛えてる俺でも怖かったけどそれだけ強い想いの反動かなってね」
「「大人だー!」」
「何が大人なのかな?
わ・た・しの大事なお客さんになにをしているのかな?」
料理を運んできたミサの後にオークが見える。
……普通鬼じゃない?
キャストと追っ払い隣に座ると俺の身体にしなだれてきた。
「あの娘達何か言ってた?」
「ミサってオーナーだったんだね」
「実は仕事出来て偉いんだよ、どう思った?」
「仕事も気遣いも出来るし店長かなと思っていたから、もっと偉くて驚いた」
「それだけ?」
「頑張ったんだなエライよ」と頭を撫でる
「嬉しいなぁ、理解してくれる人って」
その後お店自慢のカレーやオムライスに舌鼓を打ちながらミサの恋愛事情の話を聞いた。
彼女は年上のイケてるオジサン所謂【イケオジ】がタイプで同世代に興味を持てなかった。
良いイケオジは大体パートナーが居るので不倫や略奪するの嫌だったので【愛するより愛される方が幸せになれる】と言う言葉を信じて言い寄る男性から選ぶ形の恋愛をしてきたそうだ。
俺を見て一目惚れした上に独身と言うレアイケオジだと分かると取られる前に行動しないと!!
と暴走したらしい。
恋とは恐ろしいものでミサを知れば知るほどアレだけ異質だった面が可愛く愛おしくなる。
それよりも恐ろしいのは推しが一番なのは普遍な所だ。
比べようが無い次元だと思う。
ある種信仰に近いのかも知れない。
ランチが終わるとミサは色々仕事があるので俺は帰る事に
「じゃあね、明日は名古屋だけど明後日の午前中には帰って来るからちゃんとしたデートはその時しよう」
抱き合ってキスをして別れた。
そして翌朝、名古屋に行く為に新横浜駅に向う
「もうね、何となく分かってましたよ!
お約束?パターン化?
おはようございます、今日もかわうぃね!」
満面の笑みで手を振るミサがいた。
「トモトモ、おはよう♡」
何で居るのは愚問だよな?俺を待っていたのは明白だしね。
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