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④おじさんはツッコミキャラ?

全10話完結保証!

更新は20時

 数日後

 浜松でライブなので始発の新幹線に乗り向う。

 定番の観光地を巡り御当地グルメを楽しんで先行物販目当てに会場に行くとミサがいた!


 ストーカーだよ!恐ろしいよ!何でここに居るんだよ!シェリータウンの話一言たりともして無いぞ!

 先行物販を諦めて逃げようとしたら見つかった!


「あートモさん偶然ですね♡」


 絶対偶然じゃないよね?俺に付いたキャストに聞いてきたよな!

 美人だから余計恐怖を感じるわ!


「偶然だね!じゃあ!」


 服を掴まれ


「これって運命だと思うんですよ♡」


 それは絶対無い!運命だと思うのはお前の思い込みだ!


「うんそうだね……ミサはシェリータウンのライブに来たの?」


「たまたまここに居たらトモさんが居て運命感じてました♡」


「またお店行くよ!並ばないとダメだから俺行くよ」


 と去ろうとしたら、さらに服を強く掴まれた。


「なら連絡先教えて下さいよ♡」


 ならって何よ!このまま騒がれても困るから教えると嬉しそうに笑い去っていった。

 これどうするのが正解?



 悩みつつも頭を切り替えて先行物販で【ルカ】ちゃんと【クルミ】ちゃんのチェキ撮影券を購入した。


 ツアーのセットリストは変わらないけど生で観るとダウンロードと比べられない良さがある!

 前回は初参加だからノリとか分からなかったけど今回は会場と一体になれた気がする。


 チェキ撮影会では先ずは【ルカ】ちゃんの列に並ぶ。

 居た場所が良かったのか前の方をゲット出来た。

 彼女は子役出身で中学生までは何らかのドラマかCMに出演している程売れっ子だった。

 高校生になると大喰いの才能が発覚しバラエティの仕事が増えて女優の仕事が激減した。

 仕事が途切れないのはありがたいけど違う事に挑戦たいなと考えた時にリックんに誘われアイドル界へ。


 順番が来ると券を渡し前回の説明を受け挨拶し一礼。


「どこの団体の方ですか?」


 小声で顔を近づけて話しかけてきた。

 彼女はプロレスファン、詰まりプ女子なので俺の体格を見て勘違いしたようだ。


「普通に鍛えているだけで戦えませんよ」


「言えませんよね?普段マスクつけているんですもんね」


 人の話を聞けよ!

 彼女の中で俺=マスクマンが決定しているし!


「鉄人のポーズして下さい!」


「はあ?」


 昔のロボットアニメでコブ出来ないのに両手で力こぶ作るヤツかな?


「いいから早く!」


 言われるがままポーズをとるとブラ下がって来た。


「レイレイ今!」


 カメラ担当の女性スタッフが素早くシャッターを切った。

 仲良さそうだしマネージャーか?

 じゃなくて止めろよスタッフ!

スタッフ〜


「シオちゃんがしているの見てやりたくなったんだ〜

私のパパ小さくて非力でしてもらえなかったから⋯⋯」


「プロレスラーにしてもらえば良いのでは?」


「今、しましたよね?」


 小首を傾けて不思議そうに見上げてる。

 クソ!カワイイ!!

 そして完全にプロレスラー認定されているし!!

 チェキを受け取り一礼して立ち去る。

 天然と言うより人の話を聞かず暴走するタイプなのかな?

 あとコミュニケーションの取り方が芸能界長いからか手慣れてる感じがした。

 

 次は【クルミ】ちゃんの列に並ぶ。

 彼女は声優志望だったが身長が高くスレンダーだったので雑誌モデルからキャリアスタート。

 最初は戸惑いもあったけど売れれば良いかと考えリックんがアイドルプロデュースするというので直訴した。


 毎回のやり取りあって一礼!


「スゴク大きいですねいくつあるんですか?」


 声優を志した事もあり少しアニメ声


「178センチです」


「もう180センチと言えばいいのに」


「モテたくてサバ読んでるみたいでいやなんですよ」


「アハハァウケる〜、ポーズは、んがぁ〜ってして下さい!」


 前の2人が希望したポーズをするクルミちゃん

 仕方がないのでするとぶら下がり


「マネージャー今だよ!」


 言われるままシャッターを切るマネージャー。

 カメラ担当はマネージャーなんだ!

 だったら余計に止めようよ!

 他のファンの目が厳しい気がするけど俺、出禁にならないよね?


「2人がしてて仲間外れ嫌だったんだ〜」


 他のメンバーと距離あるしファンの対応しながらよく見ているんだな。

 芸能界の人は視野が広いのだろうか?


「そうなんですね、ライブ1番躍動している感じがしました頑張って下さい!」


 一礼して立ち去った。



 次は布教活動なのだが会場から出るのが怖い……。

 身体を縮めるようにして周囲を確認すると今度は居なさそうだ。

 一安心して繁華街へ向う。

 一つ言えるのはコンカフェは二度と行くまいと心に固く決める。


 今回は順調に許可も取れて楽しくシェリータウンの魅力を語れ満足した。

 無事にホテルに戻り一眠り……スマホにミサからメッセージ一つ無いのが不思議だった。

 アレだけ執着していたのに連絡先教えて大人しくなるなら早く教えれば良かった。


 次のライブは2日後に名古屋だがミサが何をするか怖いので一旦横浜に帰ることにした。



 その頃ミサは忙しくしてトモへのアプローチどころではなかった。

 彼女は横浜と東京でコンカフェを経営している実業家。

 トモは20代後半と予想したが32歳である。

 あの日トモの担当したキャストに事情聴取して浜松に現れると知ると仕事をドタキャンして行ってしまったのだ。

 プライベートのスマホを幹部に取り上げられ普段しない仕事もさせられ連絡どころでは無かった。

 その間もトモへの想いは募るばかり……。



 シェリータウンの掲示板でも動きが!

 正確に状況を見抜くもの、嫉妬に狂うもの多くの感情が飛び交うがトモのブログの存在をしり内容を読むことで沈静化した。

 トモが望んだ行動ではないと分かったからだ。

 ミサとのやり取りは先行物販開始のかなり前だったので気が付かれなかったようだ。




 ルカが日常化しているエゴサーチしているとトモのブログを発見する。

 内容を読むと定番の観光スポットも独特な視点で楽しく感じ、御当地グルメも1回にガッツリ食べるのではなく食べ歩きに適した量の少なくリーズナブルなお店を紹介していた。

 自分が所属するシェリータウンのライブの様子やチェキ撮影会の様子もチェキ撮影を経験したこと無い人にも分かりやすく楽しく書いてあり嬉しくなった。

 夜の布教活動も自分には想像もしないアプローチで新鮮さと驚きがいっぱいだった。

 読み進めて誰が書いたかはすぐ理解したが一つ残念な事が……。


「プロレスラーじゃなかったんだ⋯」

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