③おじさんの布教活動
全10話完結保証!
20時更新
普段から布教活動はしている。
行きつけのガールズバーは指名制度ないからウザい営業メール来ないので安心して話せるが今回は初見の店出しブログに記事にしていいか店舗情報と女の子の顔写真は大丈夫か確認しないとな。
キャッチのお兄さんに声を掛けられ説明したが断られた。
ブログは開設したが記事がまだだし登録者も居ないからだ。
それもそうかと思っていたらメイド風衣装のコンカフェキャストから満面の笑みで声を掛けられた。
「聞こえちゃったんですけど、ブログに載せるお店探してるんですか?うちなら大ん丈夫ですよ!
店内の撮影はNGですけど担当したキャストとのチェキ撮影した写真はSNSに乗せても平気です!
ただし有料ですけどね♡」
コンカフェは要するにガールズバーみたいな物だ。
行った事もあるしチェキ撮影の存在も知っては居たけど、こう言う事に対応出来るんだと変に感心した。
さすが現代に対応した水商売(?)
「じゃあお願いしようかな?」
彼女に案内されてコンカフェへ付いていく、短めのスカートから見える長く細い脚を見て20代後半かなと勝手に予想していると笑顔で振り返り
「うちのお店は40分ワンセットでこの時間は5000円で飲み放題なんですけどお客様は初めてのご来店なので初回ワンセット60分になります
担当するの私で良いですか?」
違う子に説明するの面倒だし
「お願いしますよ」
「畏まりました、私【ミサ】と言いますお客様のお名前は?」
「俺はトモ職業は自由人」
「えっと…遊び人って事ですか?」
「いや自由人、好きな事して生きている」
そんな会話して居るとお店に到着し
「ようこそ【横浜ドール】へ〜」
店内は近未来的と言うか宇宙船をイメージされている感じがした。
彼女がボーイさんに声を掛け席に案内するように頼むと
「トモさんは何飲まれますか?」
「生中あるならお願い、ミサちゃんも好きなの頼んで良いよ」
「ありがとうございます、ちょっと言ってきますのでお席で待っててくださいね♡」
彼女はビールサーバーに向かい俺はボーイに席に案内されて店の説明を受けた。
大体はミサちゃんと同じだが「お触り厳禁」と言われて吹き出しそうになった。
またかよ!
「お待たせしました♡」
彼女は生中を2杯持ってきた。
好きなのと言って高額のお酒じゃない所が好感持てる。
「この乾杯からお時間スタートです!ではお疲れ様でした、乾杯〜」
グラスを当ててから俺達はビールを飲んだ。
俺は喉が渇いていたし一気に飲み干してしまった。
「良い飲みっぷりですね!2杯目はビール以外が良いですよ」
「どうして?」
「ビールサーバーは離れた所ですしその度に席を離れることになるのでこの場で作れるヤツを選んだほうがお得ですよ」
このコさっきからお客様に無駄な時間を取らせないように気を使っているのか。
「じゃあ焼酎水割りで」
「わかりました♡」
手慣れた感じで水割りを作り始めた。
「トモさんっていい身体してますけど何かやられてますか?」
「健康の為ジム通いしているけどスポーツはしてないよ」
「そうなんですね……胸揉みしだいて良いですか?」
「はぁ?今なんて言ったの?」
「そうなんですね」
「その後だよ!」
「胸揉みしだいて良いですか?ですよ♡」
「お触り厳禁だろ!?」
デジャブかな?
「それはお客様がキャストに触るのは厳禁ですけど私は許されます!だって筋肉好きだから!!」
「何なのコイツ!?触るにしても最初は腕だろ!
何で段階飛び越して本丸行くのさ」
「そこに素敵な胸筋あるからですが?」
「もう酔ってるのかよ!?」
「私お酒強いのでビール一口くらいで酔わないですよ♡
冗談はさて置き水割りです」
出された水割りに口をつけると濃いと感じるが飲めないことも無いので飲み干した。
「良い飲みっぷり!」
手早く作り始めたが水の焼酎割りの気がする。
絶対冗談じゃないよね?俺狙われてんの?お持ち帰りされるの?
こんな感じのやり取りが続き彼女の担当時間が過ぎた。
結局、布教活動何一つ出来なかった。
店内指名をしますかと聞かれたが色んな娘と話したいと断りチェキ撮影してミサとは終わった。
次の娘はまともで布教活動出来て満足だった。
ワンセット間際に3人目来たけど短いながらマルシェタウンの説明は出来たと思う。
ミサの話はブログに書けないなと思いつつ料金を支払い店を後にする。
「トモさんお疲れ様でした♡」
エレベーター降りたらミサ、ちょっとしたホラーだった。
「なんでいるの!?」
「私のシフト時間終わったんで待ってたんですよ♡
場内指名されたら待ち伏せできないとこでした♡」
怖いわ!
何でも語尾に♡付ければ許されると思うなよ!
俺は全力で逃げきりタクシーを捕まえて自宅に帰った。
お読み頂いてありがとうございます
評価などして貰えると番外編のモチベーションになるかも知れません!