表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/27

6.神

ついに神が現れた!






いまなら

「あの大空に翼を広げ飛んで〜行けちゃ〜う〜よ〜♪

おばさん、掃き掃除終わりました!」


「ふふ、今日はとってもご機嫌ねえ。

何か良いことでもあったのかしら?」


「そうなんです!とっても素敵な男性を見かけちゃいまして!えへへ」


「あら、やっとエマちゃんのお眼鏡に叶う男性が居たのね!」


「それはもうキラキラと神が地上に舞い降りたのかもやお姿!私の世界は今、薔薇色に輝いています!」


思わずクルクル踊りだしてしまいそうだわ!

なんて素敵な日!






「じゃあ、二人がうまくいったら紹介して頂戴な。お祝いしましょ。」


「ええ?!私ごときが神にお近づきするなど畏れ多いですよ!」


「そんなこと言って、エマちゃんは可愛いのだからどんどん攻めていかないと!神様とやらがお空に帰っちゃうわよ?」


「た、たしかに…」






そうよね、お空にお帰りになられる前に、地上に繋ぎ止めて置かなければ。






取り敢えずは、明日も早起きして外を見張ろうじゃないの


コレはけっしてストーカーではなくってよ


エマは妙な使命感に燃えるのであった。






翌朝、早起きしたエマは、しっかりと身支度を整えて窓際に待機する。






あ〜やばい


心臓飛び出る!ドキドキする!






ニヤニヤする顔を引き締めながら、窓に置いた花の手入れをする…というフリをかましながら騎士様が巡回してくるのを待つ。






時間あってるよね?


昨日通ったの、これくらいの時間だったよね?


そわそわ落ち着かないながらも、視線は目下の通りから逸らさない。






キタ!キタキタキター!


よしよし。


凝視して変な奴と思われたら大変だよね。


目線は花に水をやりつつ、騎士様を視界の隅にロックオンしておこう。そうしよう。






うおおおー、なんと素敵な…顔面造形美(この世界では不細工)






思わず引き締めていた顔がニヤける。






ああ、行ってしまった…


たった数秒、されど数秒…


神が降臨するのは一瞬の出来事じゃのう。


無い髭を撫でながら、感傷に浸るエマだった。






次の日も、また次の日も、またまた次の日も、エマは毎日欠かさず視界に映る神を拝めた。


花やり用のじょうろ片手に。






勿論、通らない日もあったが。


仕事が休みなのかもしれない、もしくは体調を崩したのかもしれない。


そんな日はエマも元気が出ず、トボトボと定食屋の仕事に向かう。






そうして過ごすうちに、2ヶ月が過ぎた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ