表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/27

19.伝

エマさん視点に戻ります

今、レオン様好きって言った




それは花火?

私を?




聞き間違い?




振り向き、レオン様を見上げた。




「好き?」


「貴方が、好きだ。」






レオン様が私を好き


レオン様が私を好き!


大事なことだから3回言う。


レオン様が私を好き!






「私もレオン様が大好きです」






すると繋いでいた手を引き寄せ、抱きしめられた。






突然の事で頭が真っ白になったが、耳元でレオン様の速い鼓動を聞いていたら落ち着いてきた。ような気がする。






お付き合いするって事なんだよね?


もう、遠くから見ているだけじゃない


この素敵な人に、甘えたっていいの?


私の大切な人って自慢していいの?


レオン様の背中に腕をまわし、ぎゅっと抱きしめた。






するとレオン様は、ビクリと身体を揺らしたと思ったら、勢い良く離されてしまった。






なぜだ

今いい雰囲気だと思ってたのに






「す、すまない。エマちゃんが俺を好きと言ってくれたからつい、嬉しくて抱きしめてしまった。」


「良いんですよ。もう貴方の彼女でしょう?私の事は好きにしていいんですよ?」






好きとは言われたよ?


別に付き合ってほしいとかは言われていないけど。






もう、そうゆう事でいいでしょ?


むしろ、そういう意味でしょ?






え?違ったの?


違うんなら泣くけど






今度は私からレオン様に抱きついて見上げると、片手を顔に当てていた。






「あまり、からかわないでくれ。こういう事には慣れてないんだ。」






指の隙間から見える顔は赤く染まっている。






それでもレオン様は、目元を和らげ、嬉しさを滲ませた顔をこちらに向けてくれた。






上目遣いでじっと見つめていると、レオン様は再び私を引き剥がそうとした。






それでも私が離れないと分かると、ちょっと困ったような顔をされてしまった。






触れたい


もっと一緒にいたい


そう思っているのは私だけだろうか






違うのかも、なんて思ったらちょっと泣きそうになった。






悲しくなりながらも、口づけを求めて見上げたままでいると、肩に置かれた手にぎゅと力が入った。





ただ見つめ合う





私は目に涙を滲ませ、真っ赤になっているだろう顔で言った。


「…何で言わせるんですかあ」






そのまま目を閉じて待った。


動揺しているのが伝わってきた来たが、構うものか






そして

一瞬ではあったが、唇に柔らかな感触がした






そっと目を開けると、レオン様の顔も赤かった。


照れた顔も可愛い、愛おしい






「そんなに見られると、押さえが効かなくなってしまうんだが。」






想いが伝わったのが嬉しくて、ニコニコと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ