夢は世界征服です!!
"夢"
この言葉を僕は何万回と人生で聞いてきた。
だが、夢を成し遂げる人なんて、極わずかだ。
高校の時、教師にこう言われた。
「もっと現実的な夢をもったらどうだ?」
この言葉に僕はこう思った。
「現実的な夢を本当の夢と呼べるのだろうか?」
そう思いながら、その教師に僕は、自分のレベルに合った出来るだけ現実的な、可能なことをその教師にいった。
今思えば、あの時、教師にそんなことを言わなければクソみたいな人生にはならなかったかもしれない。
僕は会社にいる時ふと、高校の時を思い出した。
「そんなにしたかった夢とはなんだったんだろう?」
「まぁもう人生は、戻りはしない。」
この言葉を生きている僕が人生で証明している。
どんなに足掻いたってあの頃には、戻れない。
あいにくにも、仕事も楽しくはないがホワイト企業だ。
だから給料も人並みには貰っているし、好きな物も買える。
毎月、父と母に仕送りだってしている。
至って普通の34歳会社員だ。
しかし、顔も悪くはないが、彼女がいない。
そのおかげで、毎週土日は、外に出歩かずに毎日、家でゲームをする。それが日課だ。
しかし、なぜだろう、こんなに虚しい気持ちは
あの、小中高の頃にはあっただろう、巨大な壁に打ち向かいギリギリ自分の力で成し遂げられるのではないかと思ってしまうような大きな夢、時には無理だと思い挫折してしまうような、夢がもう俺にはない。
ゲームをしながら考えていた。
「やめだ、もう寝よ」
そう言いながら、まだ昼の3時ごろなのにベットに行き寝た。
起きると真夜中の2時に目が覚めた。寝過ぎてしまった。
腹が減ったので、近くのコンビニに行くために部屋着の上に上着を着て、家をでた。そして、コンビニに入りお酒と弁当を買った。
そして、家に帰り、コンビニでかった、弁当とお酒と冷蔵庫にあった酒のおつまみをとって食べ始めた。
暇なので、何か面白いものがやっていないかと思いテレビをつけた。
そうすると、お笑い番組がやっていた。
それを見ながらご飯をたべていた。
そうすると見ていたお笑い番組が急に変わった。
変わったにも関わらずテレビの画面がずっと
「少しお待ちを」
だけだったので、別のチャンネルを押してみたりしたが、
どのチャンネルも
「少しお待ちを」
という言葉だけだったので、仕方がないからスマホからキーチューブ(動画サービス)を見ようと思いそれを開けると、そこにも
「少しお待ちを」
の言葉があった。さすがに不思議に思い、テーブルの上に先ほど買った、お酒を手に取って飲んだ。
そうすると急にテレビとキーチューブの画面から内閣総理大臣が映された。
内閣総理大臣から衝撃的な事実が語られた。
「明日の午後6時ごろに地球は隕石によって消滅をします。」
「みなさんは、人生で一番悔いの残らない一日にしてください。」
この言葉が言われた。
「え、、、」
この言葉しか僕は口からいえなかった。
「なんだよ、こんなにあっけなく僕は死ぬのか。まぁ仕方ないか」
自分でも驚いた。明日死ぬと言われたのに口から出たのがこんな冷静で他人ごとのような言葉だったからだ。
別に彼女もいないし、父さんと母さんが死ぬのは悲しいが、自分が死ぬのは全然怖くない。むしろ、なんかワクワクしている。
普通に老死とか交通事故で死ぬんじゃなくて、隕石だって言われたら、漫画の中の主人公ぽくてカッコいい死にかただとおもったからだ。
とりあえず父さんと母さんに最後の電話を入れるか
そう思い、携帯で父さんに電話をかけた。
すると、父さんが電話にでた。
「どうした?こんな夜中に」
父さんからの第一声がそれだった。
そのことから僕は、明日皆が、隕石で死ぬことを父さんは寝ていて気づいていないのだと理解した。
そこで僕は父さんに今の現状を説明した。
そして父さんからの言葉は、意外にも冷静で驚いている様子は声だけでは、判断できなかったので、父さんに聞いた。
「明日死ぬんだよ。今の現状理解できてないの?」
と僕は聞いた。すると父さんは、
「隕石で死ぬと言われて驚かんものはいない。だが、まだ実感が湧かないだけだ。」
と言った。
そこから、僕はやっぱり父さんも驚いているんだと思った。
そこで、僕は父さんに不用意なことを聞いた。
「父さんはさ、人生楽しかった?」
父さんは、この質問に驚いていた。僕がこんなことを言うのは、初めてだったからだ。父さんは少し考えて、答えた。
「お前はどうなんだ?」
「俺は母さんとお前に出会えて、本当に幸せだった。子供の頃の夢は叶えられなかったが、それ以上のものをお前と母さんからもらった。だから、俺は人生を満足できたと思っている。」
その言葉に僕は、驚いた。父さんの言葉からそんなことを思っていたと知ったら胸が急に苦しくなった。それと同時に父さんから
「お前はどうだ」
と言われてすぐに答えられなかった。そんな僕が実に情けない人生を歩んだんだと思ってあらためて自分の人生にショックを覚えた。
そして、ふと疑問に思えた。
父さんの夢ってなんだったんだろうと
そして父さんに、
「父さんの夢ってなんだったの?」
と聞いた。すると父さんは、一瞬でその答えにこたえてくれた。
「宇宙飛行士だ。俺は小学生の時から人のいないところに行ってみたくて、人がいないと言ったら宇宙だろ?だから俺は宇宙飛行士になりたかったんだ。」
そう父さんから聞くと涙がなぜか流れてきた。もっと自分も夢に生きるべきだったんだとそう思えてきた。人生は戻らないと、もう俺が証明している。もっと行動すべきだったんだとあらためて父さんの夢を通して理解した。
そして僕はまた父さんに不用意な質問をした。
「父さんは僕の小中高の夢って何か覚えている?」
父さんに何話してんだろ、と思いながら少し父さんの回答に期待を抱いていた。そうすると父さんはまた一瞬で回答してくれた。
「あーそれな。多分だけど世界征服じゃなかったか?」
その言葉に衝撃を受けた。
父さんに一言だけ言った
「それだ」
父さんは黙って聞いていた。僕は世界征服したかったんだ。まだ誰も成し遂げたことがないこと。世界征服、それがしたかったんだ。
でも、もう遅い、明日死んじゃうんだから。そう思ってしまった。
父さんとの会話に戻り、父さんが
「家に帰ってくるのか?」
と聞いた。そこで僕は
「多分、帰れないと思う。皆、明日死ぬとわかって仕事しようとはおもはないと思うし、交通機関とかすべてが機能しなくなると思うから。」
そういうと、父さんは少し寂しそうに僕に
「残念だ。母さんを今から起こすからちょと待ってて」
と言われて3分ぐらい待った。すると母さんからの言葉が聞こてた。
「凪くん。父さんから全部聞きました。テレビを見てみたら本当だとすんなり理解できたわ。最後に会えないのは残念だけど、最後まで私たちの子でいてくれて本当にありがとう。」
母さんからの言葉に涙が溢れた。そして父さんと母さんに最後の言葉を告げた。
「こちらこそ本当にありがとう。父さんと母さんの子供で本当に良かった。産んでくれてありがとう。」
この言葉をいい終わると電話ごしに父さんと母さんの泣いてる声が聞こえてきた。そして、通話を切った。
最後に父さんと母さんに電話して良かった。自分の夢を知れて本当に良かった。あともう少し時間があればと思ってしまう。
時間があったところで世界征服なんて、できたかわからないけど、自分の生きている時間に行動をしたかった。
心からそう思ってしまった。
気づけば朝の6時35分だった。
部屋の中にいたので外はどうなっているかと思い、見てみると外は想像以上にパニック状態だった。近くのコンビニは夜中に行った時とは比べ物にならない程に荒らされていた。ほかにも火事などが起こっているが消防車などの音が一切しない。
窓から見る限り街は廃墟になっていた。
僕はその光景に信じられなかった。
外の世界を見ても嘘だと思った。だから、部屋着を脱ぎ捨て、服を着て急いで外に出た。しかし窓で見た世界となんら変わらなかった。
近くのコンビニは荒らされていた。近くの公園では女の人が襲われていたり、あたりは地獄だった。警官が銃を持っていたのを見かけて、助けを求めようとその警官に声をかけた
「すいません!あそこで襲われている女の人がいます。一緒に助けてください。」
そう、僕がいうと警官は一言だけ
「はい」
と言った。
「安心してこっちです」
と指をさして警官を案内するとその警官が拳銃を襲われている女の人と男の人に連射をした。
僕は
「何してるんですか?」
と動揺していった。そしたら警官は言葉を一言だけ話した。
「どうせ今日死ぬだけです。」
僕は
「え、、、」
と言い、怖くなり逃げ出した。警官をチラリと見ると笑っていた。
部屋に戻り、現実を受け入れられなかった。
昨日までは、こんなこと漫画やアニメだけだったじゃないか
こんなことが現実に起こるなんてと思い。
自分の部屋のトイレで吐いた。
そして、午後3時になり、外を見ると空がでかい隕石で埋め尽くされていた。それを見て、本当なんだと思い笑ってしまった。
絶望した顔で、あたりを見渡し何か、気を紛らわすものを探しているとテーブルの上に携帯があった。その携帯を使って少しでも気を紛らわすため携帯の中からゲームを探した。そうすると妙なことに自分が入れたことがないアプリがあった。
名前は「転生DREAM」というアプリだった。
不思議に思いそれを押した。そうすると質問がでてきた。
「あなたが住んでいた世界で夢をもっていましたか?」
「僕は夢を持っていた。だが、自分に嘘をつき続けて夢を捨ててしまった。」
僕はその質問に持っていると押した。
そうすると次の質問に移った。次の質問は
「あなたが住んでいた世界での夢はなんですか?」
というものだった。僕は素直にこう書いた。
「僕の夢は世界征服です!」
そうすると携帯が光り出した。僕はびっくりして、携帯を床に落としてしまった。
そしたら急に光が自分の周り一帯に広がり出した。10秒ほど光っていた光は、きえた。すると部屋の窓から外を見ると外の色が全て灰色になってしまっていた。
「どうなってんだ?」
と困惑して言葉を発した。
携帯を落とした床を見るが携帯がなくなっている。
どこにいったんだと考えていると
「凪」
と後ろから言われて後ろをみた。
すると宇宙人のような姿をした生物がいた。
「誰だお前!」
と大きな声で言うと、その宇宙人のような生物は落ち着いて自分の名前をいった。
「俺はフルパ」
俺は聞き返した。
「フルパ?」
するとフルパは、喋った。
「凪の世界の簡単な言葉で言うと、俺は神だ。」
フルパは言った。神だとそんなものはいない、でも本当に神なのではないかと半信半疑な状態に僕はいた。僕はフルパに質問をした。
「何をしにきに、神様は僕の前に現れたんだ?」
フルパは喋った。
「その前に神様とゆうのはやめてほしい。」
「え、、、」
と僕はフルパの喋った内容に動揺してしまった。するとまたフルパは喋った。
「神様って俺の名前じゃないんだから、俺の名前はフルパだろ。」
確かに、そう言われればと思い、フルパに謝った。
「ごめん」
そういうとフルパは
「全然大丈夫」
と言った。そして先程説明した内容にフルパは答えてくれた。
「凪のアプリで書いた内容面白かってさ、今から異世界に行ってもらう。そこで異世界征服したら俺たちの力でこの世界修復してあげてもいいよ。」
フルパは言った。僕はフルパが言ったことを本当か確かめた。
「異世界征服したらこの世界を復元できるって本当なのか?」
フルパが言った。
「だから言ってるじゃんか。凪が異世界征服を完了したらこの世界も復元してあげるって、そして凪がこの世界で世界征服することも可能になるってこと。」
フルパが言っていることに脳が追いつかなかった。
だが僕はフルパに無意識に答えた。
「お願いする。フルパ」
するとフルパは僕がこう言うとわかっていたように僕に言った。
「異世界に今から転生させる目を閉じて」
フルパがいったことをなんの疑いもせずに僕は目を閉じた。
そしてフルパが一言言った
「元の世界よりも残酷な死をするかも知れないよ」
その言葉に僕は返事をした。
「僕は世界征服をする男だ。」
そう言うとフルパが笑った。そしてフルパは言った。
「やっぱり凪は面白いやつだな。」
「いいよ」
とフルパが言うと僕は目を開けた。
そこは今までで僕が見たことがない世界だった。
森の匂いと、土の匂いが心地よかった。
そこで、フルパがこの世界の仕組みを説明した。
「この世界で重要なのはお金さ」
「お金?」
僕はフルパに聞いた。
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