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最期 1

「ここだ。」

「……この中に……。」

 デイビッドと共に訪れたのは自分の地元に近い東方の都市部である。

 あの戦艦でこちらの方面まで移動してきたのだ。

 あの戦艦で読んだ詳しい作戦内容は恐ろしい物だった。

 あの作戦が完遂されればもはや誰にも止めることは出来ないだろう。

 そして、その作戦に重要な物がこの工場内で生産されているとのことだ。

「おい。話は通してあるだろ?さっさと入れろ。」

「え?でもさっき……。」

 見張りの男は隣のもう一人の見張りと目を合わせる。

「ま、まさか!?」

「くそっ!しくった!」

 男達は慌てて門を開け、塀の内側を確認する。

「おい。一体どうしたと言うんだ。」

「はっ!も、申し訳ありません。先程聞いていた年齢位の人物が訪れたので勘違いし、中に入れてしまいました!」

 すると、デイビッドは怒りをあらわにする。

「馬鹿者!さっさと探せ!」

 デイビッドの怒りのこもった指示を聞き、即座に見張りの男達は行動を開始した。

 誰かがこの工場の調査でもしていたのだろうか。

 自分と同い年位の人間でこういう所を調査する奴か……。

 ……まさかな。

「すまんな。取り敢えず予定通り工場の中の例の物を紹介させてくれ。」

「例の侵入者はいいのか?」

 すると、デイビッドは頷き肯定を示した。

「ああ。捜索は続けさせるが、お前の協力を得るのが最善だ。中の状況を見てくれたらお前も決意を固めるだろうさ。

 そして、デイビッドが工場の扉を開け、中へと案内する。

 案内された通り、入っていく。

 中にはずらりと本で見た戦車というものにそっくりな物が大量に並んでいた。

 まだ生産途中の物も多数はあるが、殆ど完成している。

「どうだ?すごいだろ。」

「ああ、確かにこれは凄いな。」

 反乱軍に加担するかどうかはまだ迷ってはいたが、これを見せつけられては首を縦に降るしか無いのでは無いだろうか。

 異世界の知識を駆使すればどんな近代兵器相手でも善戦は出来るだろうと考えていた。

 時間さえ稼げれば反乱軍と同等の技術力まで持っていける。

 それからなら勝てるだろうと考えていた。

 しかし、戦車まで持ち出されてはもはや勝ち目は無いだろう。

「……数はこれだけか?」

「こっちに来てくれ。」

 デイビッドはにやりと笑うと地下へと案内した。

 デイビッドに続き、地下へと通じる階段を降りていく。

「っ!これ程とは……。」

 地下に広がっていた景色は先程とは比べ物にならない数の戦車が並んでいた。

「これだけじゃあない。隣接するいくつかの工場も戦車を作っていてなそれらとは全て地下で繋がっている。そして、この地下はこの東方地域に張り巡らされた坑道と繋がっている。ここまで言えばわかるだろ?」

 成る程、坑道を利用し複数方面へ展開。

 技術力で勝っているにも関わらず、戦略においてもこいつらの方が上か。

 だったらこいつらの側に立ってこの反乱を早期に終結させて方が被害者は減るのでは無いだろうか。

「……一つだけ良いか?」

「なんだ?」

 気持ちは決まった。

 だが、一つだけやっておきたい事がある。

「家族が近くに住んでいるんだ。事が始まる前に両親を避難させたい。」

「ああ。勿論だ。」

 良かった。

 これで、思い残す事は無いだろう。

 ……いや、シャルやトマス、ルイも無事なのだろうか。

 心配事はたくさんあるが、圧倒的な戦力差を見せつければ政府も降伏せざるを得ないだろう。

 取り敢えず、家族に顔を出しに行こう。

 何故だろうか。

 心は決まったというのにモヤモヤする。

 本当にこれで良かったのだろうか……。

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