南の島で 3
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「じゃ、行くか。」
取り敢えず昨日の打ち合わせ通り、協力者の元へと向かう。
異世界犯罪が多発しているとのことなので、情報を集めつつ行くこととした。
で、一つ判明したことがある。
ここで横行している異世界犯罪は全て知っているものだということだ。
勿論、全て対応したことがあるわけではない。
ただ、書物でその知識があるというだけだ。
それに、聞いてみる限りではそこまで被害額は大きく無いらしい。
横行し過ぎて一般市民に慣れられたというのもあるかもしれない。
だが、それにしても詐欺の額が小さい。
まぁ、そういった所は追々調べていけば良いだろう。
まずは、協力者とやらに会いに行くのが先だ。
「ここにいるらしいな。」
予め言われていた場所に着くと、路地裏で、陽の光もまともに届かず、暗い。
正直人が暮らすような所では無いと思う。
「ここに本当に人がいるの?」
「いる……らしいな。」
本当に人の気配はしない。
シャルの疑問もご尤もだ。
正直、何か間違っているのではないかと疑ってしまう。
「取り敢えずノックしてみようぜ。」
「あぁ、行こう。」
試しにノックしてみる。
返事は無い。
「……やっぱ間違ってたかな。」
「家に何か用か?」
すると、横から何者かに話しかけられる。
背は高く、体格が良い。
相当強い。
それは一瞬で理解した。
というか何処かで見た顔な気がする。
「ここはあんたの家か?」
「……そうだが?」
トマスが自分達を庇うように前へと出る、
年長者だからとか、軍の人間だからとか気にしてるのだろうか。
そんなものは気にしなくても良いのだが。
「じゃあ、俺達が今日訪ねる事は知ってた筈だろ?なぜ居ない?」
「……別に今日訪ねてくるとは聞いてないぞ。」
確かに。
考えてみればここを訪ねるのは昨日考えたのだ。
知ってる訳は無い。
サーシェルさんが話をつけてくれているとしても日付までまは定めていなかった。
仕方が無いだろう。
「じゃあお前らが……。」
「はい。自分は異世界研究所のロイ・ヤンです。早速この街についての情報をお願いします。」
「まぁ、こんなところだな。」
「……そうですか。」
大体、この島の異世界犯罪の状況については推測どおりだった。
それにやはり聞いただけでも書物で知っている犯罪ばかりだった。
これならば自分たちでも対処していけそうだ。
さらに、横行はしているものの被害額は小さい。
というのも、巻き上げる額を小さくしなければそもそも引っかからない状況らしく、犯罪者側も苦戦しているらしい。
ということは何もしなくてもいずれ自然消滅しそうだ。
だがまぁ、何もしない訳には行かない。
出来ることをしよう。
「……にしても妹の後を継いだ奴等がこんなんだとはな。拍子抜けだ。」
「……妹?」
まさか。
後を継いだということは……。
「ねぇ、あなたの名前ってまさか!?」
シャルも驚きを隠せていない。
それもそうだろう。
「ああ、俺の名前はルイ・ゼノン。異世界研究所、前所長クレア・ゼノンの兄。そして、隠密部隊、陽炎部隊の第2中隊中隊長だ。階級は一応大尉だ。」
なるほど。
顔が見たことがある気がしたのはクレアさんと似ていたということだったのか。
合点が行った。
前にクレアさんから兄妹がいるとは聞いていたがまさか陽炎部隊だったとは。
「……手紙で妹が死んだと聞いたが?」
「……はい。」
すると、ルイは鼻で笑う。
シャルが少し反応する。
クレアさんの死を笑われたのだ。
そうもなるだろう。
「お前ら、何も分かってねーな。」
「……はい?」
一体どういうことだろうか。
「あいつは自分が死ぬ前提の作戦は絶対に立てない。例え誰かを守るためだとしてもな。良く考えてみろ。あいつが死んだ状況で敵諸共自殺することが最善だったか?」
確かによくよく考えてみれば、クレアさんならばどうとでも出来たはずだ。
「じゃあ何でクレアさんは戻って来てくれないのよ!」
「おい、落ち着けって。」
シャルがルイに殴りかかるのでは無いかと言う勢いだったのでトマスが静止する。
「つまり、公的には死んだという事にする必要があったから死を偽装した?」
「お、お前は多少は頭が回るようだな。」
シャルは少し馬鹿にされた事に腹を立てているようだ。
「ま、実際にその時の状況を見ている訳じゃないから何も言えないけどな。勿論、実際に死んだ可能性もある。あまり希望は持たない方が良い。だが、あいつはそんな馬鹿じゃねぇさ。」
まぁ、クレアさんが死んでいないかもしれないという可能性が見えただけでも良しとしよう。
シャルもなんだかんだ言って何処か嬉しそうにも見える。
これからの活動目標が一つ増えたな。
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