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閑話 気付き

(いや、あり得ない。マジであり得ない。)

 この町を見て回ってるだけ。

 全部仕事の為。

 こんなのデートでも何でもない。

 何故かさっきから意識してしまっている。

 というのもこの町に来てから、いや首都で置いてけぼりにされてからか。

 最初は怒りに任せていたが、冷静に考えてみれば私は別の仕事を任されていた。

 こいつが私を庇って怪我をしたときから恩返しをしようと考えていたから怒りの感情が沸いたのだが、それはわがままと言うものか。

 というか仕事を放棄したのだから逆に怒られても仕方がない。

 そう考えればそれでも見捨てないでいてくれるこの男はどれだけ心が広いのだろうか。

 考えてみれば最初から酷い接し方だった。

 クレアさんが死んだのだってロイが悪いわけではない。

 私だってもう少し上手くサポート出来たはずだ。

「シャル?少し休むか?」

「……大丈夫。」

 気遣いも出来る。

 駄目だ。

 さっきから良いところしか思い浮かばない。

 これじゃまるで私が本気で好きになってるみたい……。

 よし、駄目な所を上げていこう。

 まずは、嘘をついたこと。

 1人で無茶はしないとか言っておいて結局嘘をついて1人でここまで来てる。

 でも、それは私を危険な目に合わせないためか。

 ……次に着替えを覗いた。

 ……あれは事故か。

 それも私を心配してのことだし。

 あとは……。

 駄目だ結局良い所になってる。

 認めよう。

 私はロイの事が好きなのだろう。

 こう言うことは少しでも意識したらとことんまで意識してしまうと聞いたことがある。

 もう手遅れだったのだ。

「やっぱり少し休むか。自分も疲れてきたし、ちょっと待っててくれ。」

 そう言うとロイはどこかに走り去っていった。

 走れるほどには疲れていないのか。

 やはり、気を使われている。

 自分は疲れていないのに私の事を気にして自分が疲れていることにして休憩を取った。

「シャル。はいこれ。」

「あ、ありがとう。」

 ロイから飲み物を渡される。

 さっきはこれを買いに行ってたのか。

「あ、お金は……。」

「いいよ、これくらい。」

 飲んでみるととても美味しいジュースだった。

 店も最近話題になっている店だ。

 確か、値段は飲み物だけでもそれなりにするはずだが。

 まともな収入が無いだろうに奢ってくれたのか。

 駄目だな。

 このあと町長の家にいくと言うのにこんな調子で大丈夫なのだろうか。

 せめて、開拓記念公園の待ち合わせの時には活躍して見せなければ。

 ほんの少しでもこの人の役に立ちたい。

 多少無茶してでも活躍して見せよう。

「ありがとう。ロイ。」

「あぁ。」

 でも、この人の中にはクレアさんの存在がある。

 どれだけ時間を積もうともクレアさんを越えることは出来ないだろう。

 本人も気付いていないかもしれないが彼の中でクレアさんは特別な存在になっている。

 なら、私に出来ることはひたすらに彼をサポートすることだ。

 密かに活動することには慣れている。

 目立たなくても何も思わない。

 その結果彼に認められなかったとしても、最終的に良い方向へと転がるのならそれで良い。

 それで良いのだ。

「じゃあ、そろそろ行こうか。大丈夫か?」

「分かった。もう大丈夫。早く町長のところへ行こう。」

 さぁ、これからも頑張るとしようか。

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