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違和感 2

「で、俺のとこに来たのか。」

「うん。で、何か心当りある?」

 研究所を出てからは真っ直ぐサン・ジョルジュへと向かった。

 急ぐ理由も無かったのだが、他に心当たりは無い。

 ならば誰かに頼るのが一番だ。

 そして、1番頼りになるのはこの父親だ。

「まぁ、パッと思いつくのは無いな。まぁ、調べとくよ。」

「ありがとう!」

 店は既に営業を再開しており、客もチラホラと来ている。

 お世辞にも繁盛しているとは言えないが。

「……で、ロイは?」

「あいつも自分で探してるよ。」

 シャルルにじっと見られる。

「な、何?」

「お前、また前みたいな事になったら承知しねぇからな。」

 実はロイが怪我をした際、シャルルにこってりと絞られたのだ。

 これまであそこまで怒られたことは無かった。

「だ、大丈夫。ちゃんと念を押しておいたから!」

「……あいつは首都に来て日が浅い。一人で調べられる程この辺りに詳しくは無いと思うがな。」

「た、確かに……。」

 そう考えると確かに変だ。

「あいつ、他に心当たりがあることとか何かは言ってなかったか?」

「……あ!」

 そういえば鉄球の出処について心当たりがあるとか言っていた。

 あの時は有耶無耶にされたがもしかすると……。

「ご、ごめん、お父さん!行くね!」

「おう、こっちも何か分かったら研究所に手紙出しとくからな。気を付けろよ。」

 急いで店を出ていく。

 店にいた客からは変な目で見られたがそんなこと気にしていられない。

 もし本当に一人で動いているのなら直ぐについて行かなくてはならない。

 勝手に怪我されたら困る。

「止まれ!」

 研究所をめがけ走っていると目の前をナイフを持った男が立ち塞がる。

「邪魔!」

 が、そんな事に構っている暇は無い。

 走りながら顔面を殴る。

「ぐはっ!」

 今はこんなチンケな強盗に構っている暇は無い。

「お、おい!大丈夫か!?」

 倒れた男は気を失っているようで仲間と思しき男に介抱されている。

 まぁ、気にせずに走り続ける。

 もしかしたらあいつはまだ研究所にいるかもしれない。

 ひたすらに走り続け、研究所についた。

「……。」

 ドアノブを回すと鍵がかかっていた。

 ……いや、まだ出て行ったと確定するにはまだ早い。

 用心して鍵を閉めたのかも。

 合鍵を持っているので、それを取り出し鍵を開ける。

「お、おーい、ロイ?いるー?」

 扉を開けると中は電気がついておらず真っ暗な部屋だった。

 電気をつけ、事務所まで行くと人の気配は無く、テーブルの上に手紙が置いてあるのみだった。

「……シャルへ。悪いけど一人で鉄球の出処を探ってみます。もしかしたら危険かもしれないのでシャルはそっちで鉄球を加熱する装置について探ってみてください。よろしく。追伸探さないでね……。」

 思わず手紙を読み上げてしまう。

「……はぁ?」

 思わず手紙を握り潰してしまう。

 自分でも分かるほどブチギレているようだ。

 嘘をつかれたことにキレているのか、まだ信用されていない事に怒りを覚えているのかは分からない。

 が、とにかくキレているのは確かだ。

「はぁ、どうしようかな……。」

 溜息をついてしまう。

「今、あいつが目の前にいたら殺しちゃうかも笑。」

 何故か笑えてきてしまう。

 取り敢えずここを出よう。

 もしかしたら付近の人が行方を見ているかもしれない。

 取り敢えず心を落ち着かせてからここを出よう。


 数分後。

 自分は研究所を出ていくシャルの後ろ姿を見ていた。

「……あいつ、自分がいるって知らないんだよな……。」

 まるで分かって言っているかのようなセリフだった。

 実は1人で調査しようと思っていたのだが、目的地までの汽車が1時間後だったのだ。

 なのでそれまで研究所で時間を潰していたのだが、もしシャルが勘づいて帰ってきたら面倒だと思い、居留守を使うことにしたのだ。

 だが、ただ居ないふりをするのは面白く無いと思い、置き手紙を残したのだ。

 隠れて覗いていたがめっち怖かった。

「……後でシャルに謝ろう。うん。そうしよう。」

 やり過ぎは良くないとしっかりと理解した。

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