意思を継ぐもの 1
総合pv500突破!
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「じゃあ、行ってきます。」
「ああ、気をつけてな。」
「無理はしないでね。」
自分は今、駅で両親に見送られていた。
あのあと自分は道中にいた敵を無力化しつつ坑道を脱出した。
家についてからは意識を取り戻した両親に事情を説明した。
両親はあのフェンが持っていたスタンガンと呼ばれるもので無力化されたとのことだ。
家を訪ねられたときに油断した隙をつかれたらしい。
最初に応接した母が襲われ、母を人質に取られ、父もスタンガンを食らったらしい。
「村の事は任せてくれ。俺たちが何とかする。お前はお前のなすべき事をしろ。」
「ありがとう、父さん。」
自分の父は村一番の実力者だ。
村の中での影響力は強い。
ここの事はまかせても大丈夫だろう。
次は不意打ちは食らわないとも言っていたし大丈夫だろう。
自分は首都へと行き、クレアさんの研究所に行き奴等の事を調べるつもりだ。
クレアさんの助手(仮)としてすべき事をしよう。
復讐というわけではないが奴等の犯罪は見逃せないからな。
「ロイ。そういえばクレアさんが泊まってた部屋にこんなものがあったの。」
そう言うと母は手紙を差し出してきた。
手紙には『ロイ(未来の助手)君へ』と書かれていた。
恐らく、いや確実にクレアさんからの手紙だろう。
こうなることを予測して書いていたのだろうか。
「ありがとう。母さん。汽車の中でゆっくり読むよ。」
すると、汽車の汽笛が鳴った。
「あ、もう出るみたいだ。じゃあ、行くね。ちゃんと手紙出したり、いつになるかは分からないけどたまには顔を出すようにするから。」
特に計画を立てていた訳ではないので、どうなるかは分からない。
ただ、奴等がクレアさんがいない内に研究所にある様々な情報を処分する可能性を考えて急いでの出発となったのだ。
「ああ、頑張れよ。」
「体に気をつけてね。」
母は少し過保護なところがある。
とはいえ、心配してもらって悪い気分ではない。
踵を返し、汽車に乗る。
席に座り、窓ガラスの外を覗くと両親が手を振っていた。
手を振り返すと間もなく汽車が進み始めた。
すぐに両親も見えなくなり、気が付けば村ももう見えなくなっていた。
そして、母からもらったクレアさんからの手紙を読む。
『こんにちは、ロイ君。いや、こんばんは、かな?まあ、そんなことはどうでもいい。この手紙を読んでいるということは、私はもう君の側には居ないのだろう。どうだい?異世界の作品ではよくある台詞らしい。一回やってみたかったんだ。これ。もうこれだけで手紙終わっていいかな?うん良いね。満足した。じゃあね。』
手紙はここで終わっていた。
訳ではなく2枚目があった。
やはりクレアさんはクレアさんだな。
『まあ、ふざけるのは程々にして本題に入ろう。さっきも言ったが今、君の側には私は居ないんだろう。今後は君の好きに生きたまえ。だが、もし君にその気があるのなら研究所のことは君に任せたい。あそこを継いでくれるものが今いなくてね。君になら任せられる。君はまだまだ未熟な所はあるが、磨けば光るものがあるのは確かだ。自信を持つといい。さて、もし君が研究所を受け継いでくれるというのなら最初は何をすれば良いのか分からないだろう。それに、今後様々な事で行き詰まる事があるかもしれない。そんなときは旧市街のサン・ジョルジュという飲食店に行くと良い。あそこの店主は情報通だ。裏では情報屋として活躍もしている。君の助けになるだろう。じゃあ、元気でね。クレア・ゼイルより。』
手紙はここで終わっていた。
研究所を継ぐということは考えていなかったがクレアさんが言うのならいいかもしれない。
まぁ、今後どうなっていくかは分からないが、せいぜい頑張ってみるとしよう。
クレアさんの名前に傷がつかないように。
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