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必要な犠牲 3

「でも、あれだけ大騒ぎしてたら普通入ってくると思うんですけど。」

「まぁ、このままだと入ってくるだろうね。」

 先程のノックしてきた人物は恐らく仲間に伝えに行ったのだろう。

 もしくは自分のいた部屋を調べに行ったか。

 この建物は広い。

 どの建物から騒ぎ声が聞こえたかは直ぐにはわからないだろう。

 恐らく、先程居留守を使ったのでこちらの所在はつかめていない筈だ。

「でも、何でここの敵は昨日の内に仲間に伝えに行かなかったんでしょう。」

「うん、恐らく1人だったからじゃないかな?報告しに行っている間に逃げられたら後を追うのも一苦労だろうからね。こいつもそれが分かっていたから一晩中見張っていたんだろうさ。」

 恐らくこいつにとってもここでの遭遇は予想外だったのだろう。

 なので、顔が割れていない内に所在や今後の行動を探り、仲間に伝えようとしているのだろう。

「では、無力化しますか。」

「ふふ、そうだね。」

 咄嗟に無力化するのが最善だと思い、言ってみたが正解だったようだ。

 クレアさんが静かに扉を開ける。

 廊下には1人の若い男がいた。

 男は自分が泊まっていた部屋へと向かっているところだった。

「あの男がそうですか?」

「うん、そうだね。じゃあやろうか。」

 クレアさんは勢い良く、しかし静かに駆け出す。

 男はこちらに気付き、振り向くが遅く、その時にはクレアさんの拳が男の鳩尾に入っていた。

(つ、強い……。)

 男は気を失い倒れていた。

 クレアさんは男を担ぎながら戻ってきた。

「強いですね……。」

「まぁ、鍛えてるからね。」

 当たり前かのように言う。

 だが、この強さは彼女が人一倍努力して手にいれたものなのだろう。

 前にクレアさんが言っていた。

 あれほどの技術を才能無しに努力のみで身につけたというのは大変驚きである。

 しかし、天才だと言うクレアさんの兄妹はあれの上を行くのだろう。

「さて、こいつから話を聞くか、今のうちに坑道へと入り込み、坑道内の調査に行くか。どちらにする?」

「え?自分ですか!?」

 なんか大事な所を任されている気がする。

「うん。正直どちらでも構わない。今、坑道は奴等の襲撃部隊、あのテントの中にいたやつらが君の村へと行っているだろうから手薄だ。坑道に入り込むなら今しかない。因みに前者だとこいつが口を割ればスムーズに君の両親を助けに行けるかもしれないが、時間がかかるだろうし、口を割らないかもしれない。後者のこのまま坑道へと乗り込むとすると時間たっぷり調査が出来る。まぁ、坑道の規模によっては君の両親を助けられずに終わる可能性もあるけどね。」

 少しの時間考えた。

 前者の方が良いかも知れないが、こいつが情報を持っているかどうかも怪しい。

 ならば、自分の答えは……。

「今のうちに坑道へ行きましょう。」

「よし、ならこいつは縛ってここに置いていこう。」

 そう言うとクレアさんは縄で男の手足を縛り始めた。

「……まあ、やってみるか。」

 何か独り言を言うとクレアさんは思い切り男をひっぱたいた。

「クレアさん!?」

「いや、直ぐに目を覚ますなら聞いておいた方が良いなと思ってさ。」

 もう一度ひっぱたく。

 すると、男が目を覚ました。

 あの一撃を繰り出すクレアさんのビンタはさぞかし痛いだろう。

 男は半分泣いている。

「私達の質問に正直に答えてくれたらもうやらないよ。」

 すると男は顔を背ける。

「誰がお前なんかに従うか!」

 すると、思い切りビンタが飛ぶ。

 良い音が部屋に響く。

「痛っ!」

 更にもう一発。

 往復ビンタである。

 容赦が無い。

「言うかい?」

「……はい。」

 先程までの強情な男の姿はそこには無く、従順な男がそこにはいた。

 まぁ、後はこの男が情報を持っている事を祈ろう。

 ……後、クレアさんを決して怒らせないようにしよう。

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