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助手見習い 4

 後日。

 自分達は東の隣村へ向かっていた。

 本来なら一日もかからずつくはずなのだが、既に日が落ち始めていた。

 明らかにローペースだ。

 理由は明らかである。

「ちょっと……そろそろ休憩にしないかい?」

「さっき休憩したばっかりですよ。あと少しですから。」

 クレアさんがバテているのだ。

 どうやらこういう道にはなれていないらしい。

 確かに首都近郊ではこのような整備されていない、最早獣道と言った方が正しいような道は無いので仕方ない気もする。

「本当にこの道しかないのかい?」

「はい。まぁ、厳密には裏道がありますけど……道とは言えないような酷い道ですけどそっちにします?」

 すると、クレアさんは全力で首を横に振る。

 まだ元気そうだ。

「じゃ、行きましょう。」

「ちょっ、せめてペースを……。」

 流石にかわいそうなので進むペースは遅くする。

 だが、この調子では本当に明日になってしまう。

「あっ、では。」

「え?」

 進んでいくと道が2つに別れていた。

 左の道は村へと続く道だが、右の道は中継地点として使われる洞窟へと続いている。

 大昔は坑道として使われていたものらしく、今は放棄され、村と村の間の休憩所と化している。

 だが、村の者は誰も利用しないので、無用の長物とかしていた。

「こっちの道に休むのに丁度良い洞窟があるんです。そこで休みましょう。」

「おお!そうだね!そうしようか!」

 見るからに元気になる。

 まぁ、元気になってくれたのなら良いだろう。


「……これは。」

「ふむ、暫く使われていないんじゃなかったっけ?」

 洞窟へと近づくと明かりが見えてきたのだ。

 明らかに人がいる。

 まだ洞窟まで少し距離があるのにこれだけ明るいということはかなりの規模である。

 暗くなってきているのも1つの要因だろうが、それでも明るすぎる。

「そういえば、1つ気になったんだが。」

「はい?」

 クレアさんが何かに気がついたようだ。

「これまで歩いてきた道はかろうじて馬車が通れるような道だったがあの分かれ道の村へと続く道はとてもじゃないが馬車が通れる道ではなかったと思う。」

「……なるほど。」

 確かにあそこから先は更に道が悪く、馬車で通るのは至難の技だろう。

 それに比べてこちらの道は昔坑道として栄えていたのもあってか道がしっかりとしている。

「ああ。異世界人達はその洞窟を臨時の拠点にしてるんじゃないかな?」

「……昔、あの坑道はいろんな村へと繋がってると聞いた事があります。もしかしたら……。」

 奴等は活動を首都から田舎の方へと移していると聞いた。

 もし、本当に坑道が様々なところに繋がっていたとしたら奴等にとっては嬉しい限りだろう。

「なんにせよ、近づいてどうなってるか直接確かめた方が良い。」

「はい。」

 そのまま道を進んでいくと坑道が見えてきた。

 予想通りにかなりの人数がおり、テントが建てられ、臨時の拠点のような物になっていた。

 宿泊所のような建物まで建てられ始めている。

 そして、馬車が坑道の入り口に止められており、荷台には檻がつまれていた。

 つまり、風車の人が見たのは檻だったのだ。

 しかし、檻の中身は空で何もなかった。

 だが、見覚えのある2人の男女が坑道の奥へと連れられていくのが見えた。

「あっ!」

「……あれが君の両親かい?」

 静かに頷く。

 今すぐにでも助けに行きたい。

 だが、警備が厳重だしテントの中の人間も加わるとなれば流石に危険だ。

「ここは一度退こう。」

「……はい。」

 悔しいが、今は撤退が最善だろう。

 感情に身を任せても良いことは何も無い。

「村に戻れば坑道の地図か何かがあるかもしれない。それが分かればどこに連れて行かれたかも推測がつくと思うよ。」

「そうですね。目的も達せましたし、一度帰りましょうか。」

 すると、クレアさんは何かに気がついたようだった。

 全く休憩出来ずに同じ道を引き返すということに。

「……帰りの方が楽ですから。頑張りましょう。」

「……はぁ。」

 大きなため息をつく。

 だが、流石にのんびり帰る訳には行かないので心を鬼にして連れていこう。

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