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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

虚空の底の子どもたち

つれない付き人は私の女神様

作者: 日浦海里

 『お勤め』を終えて、治癒室から出ると、いつも通り、乳白色のローブに身を包んだフェリが頭を下げて待っていた。

 肩で切りそろえられたアッシュブロンドの髪が彼女の表情を隠す。

 昔は物珍しがられた彼女の髪の色も、彼女の人柄のせいで周りから触れられなくなって久しい。


 綺麗なのに、と、何度見てもそう思う。


 私はフードを外し、外套を脱ぐと、フェリに外套を渡した。

 フードから開放され、ローブの中にしまってあった黒髪を引き上げて背中に流す。仕事終わりの開放感と蒸し暑さからの開放感に息を吐きだした。


 彼女は外套を無言で受け取ると、そのまま私の後ろに付く。


「帰ります」


 肩越しに彼女にそう声をかけると、フェリが無言で一礼するのが見えた。



 私、エレノア・リットンは、教会に使える治癒術士だ。

 この世界にはエーテルとマナが満ちていて、マナは自然現象、エーテルは生命現象に作用する力を持つと言われている。

 人は皆、それらの物質を体内に取り込み、放出するための『ホール』を持っていると言われている。

 そして、マナに干渉する力を持つ人は魔術士、エーテルに干渉する力を持つ持つ人は治癒術士と呼ばれている。

 その存在は貴重だけど、一方で正しく扱わなければ、非常に危険な力でもあるため、力の持ち主は、それぞれ魔術協会か、教会に所属している。


「ま、そんなのは、体のいい説明で、実態は金、権力の道具。ある意味奴隷だよ」


 部屋に帰り着くなり、私はベッドに倒れんだ。


 治癒術士の場合、人の体にあるエーテルの流れを理解しなければ、正しく力は行き渡らず、力は十全に発揮しない。

 また、使い方次第では、状態を悪化させることもある。

 素質があると見込まれれば、教会に「保護」され、教育を受け、教会の「管理下」のもと、治癒を行うのも、意味のあることだった。


 ベッドに倒れ込んだ私を見て、フェリは外套を壁掛けに掛けると、私の靴を脱がし、ベッド脇に揃える。

 そして、一礼をしたかと思うと、部屋を出て行った。


 フェリは私につけられた専属の付き人だ。

 治癒術士は、教会にお布施を納めたものの治癒を行う『お勤め』、エーテルについての修養、能力を高める修練、後輩の教育等で1つ陽(1日)が終わる。

 とてもではないが身の回りには手が回らない。そのためにいるのが付き人だ。

 彼、彼女らは、教会と契約した付き人の派遣組織から送られてくる。

 貴重な人材に付ける世話役であるからには、ちゃんとした人材を、ということらしい。

 裏でどういう取引が行われているのか、知りたくもない、と捻くれた考えを持ってしまうようになった自分は、すっかり教会に染まってしまった。


 そんな付き人たちは、普段、人と普通に交流する機会が少ない治癒術士にとっての数少ない心許せる相談相手……らしい。

 らしい、というのは、私の付き人、フェリがあまりにもつれないからだ。

 さっきも部屋に戻ってくるまでの間、一言の会話もなかった。

 話しかけたとしても、事務的なこと以外は返事しない。

 他の治癒術士の付き人たちは、術士と仲良さげで、異性の付き人なんかだと、婚姻関係にまでなることもあるのだとか。

 フェリを見ていると、到底信じられないのだけど、そうらしい。


 笑えばきっと可愛いのに。

 そんな彼女の事を、私は心の中で、勝手に「沈黙の女神」と名付けていた。

 まぁ、女神様なんて、こっちの祈りに応えてくれるものではないから、みんな沈黙かもしれないけれどっ!


 △▼△▼


 日々の『お勤め』は、教会の治癒室で行われることが多いけど、時には外回りをすることもある。


 教会まで足を運ぶことの出来ない、色んな意味で「弱い」人にも、等しく加護を、という教会の方針だ。

 耳触りはいいし、それ自体は間違ってないけど、「それで各村からお布施を取っていなけりゃね」と、心の中で悪態をつく。


 与えられるだけに慣れてしまえば、人は怠惰になる。そのお題目だって分かっているけど、どこか反発心を覚えてしまうのは、私が教会を好きになれないからだろう。


 相変わらず、無言で私から3歩後ろの距離を保つフェリを従えて、村の小さな礼拝堂の周りに集まる人たちを診て回る。


 左足に義足をはめたカールさん。

 木の伐採作業中の事故で、左足を木に挟まれ、助け出すためには足を切断するしかなかった。

 切断面がきれいな場合は、エーテルを使って、人の治ろうとする力を促すことで、元に戻すことが出来ることもあるけれど、潰れてしまったり、失われてしまったりしたものまでは、元には戻せない。

 私にできるのは、痛みを和らげることだけだ。


「いつも、悪いね。時々どうしても疼いてね」


「カールさんがお仕事を頑張ってこられた証ですよ」


「それがこれって酷かないかい?」


「もう二度と同じことが起きないように、と神様がお伝えしてくださってるのです」


「あんた、忘れっぽいもんね」


 横で聞いていた奥さんのリリさんが、カールさんの背中を叩く。


「違ぇねえ」


 カールさんが朗らかに笑う。

 あぁ……、私は、この人たちにいつも救われるのだ。



 ついで、日向で小さな木の椅子に腰掛けていた薬屋のおばあちゃん アイリさんの下へ向かった。

 そして、腰に手を当てて、背中から腰、足にかけて滞っているエーテルを流す。

「大変だろうけど、光星様の巡るたび(毎日)歩いたり、軽く腰を伸ばしたりするのはさぼっちゃダメだからね。身体はさぼるとすぐ固くなっちゃうからね」


「エリーちゃんはいつも優しいねぇ」


 エリーは私の愛称だ。

 よく話をする人の中には私をこうして愛称で呼んでくれる人もいる。


「薬草を練り込んだ当て布です。痛みが酷いときは、患部に当ててください」


 フェリが小さく畳んだ布を数枚、アイリさんに渡していた。彼女が、「ありがとね」と、柔らかく笑う。


「フェリ、それいつ用意したの!?」


 問い掛けてみても、フェリは頭を下げるだった。

「命令」すれば答えてくれるかもしれないけど、そうでもない限りは答えてもくれない。どうしてフェリはこんなにつれないのか。


 ため息を吐いて立ち上がった時、こちらを見ている少年がいることに気付いた。

 手を強く握りしめ、俯きがちに、でも、視線はこちらを外すことのない様子に、得もしれない悪寒が走る。


「どうしましたか?」


 それでも、教会からの遣いとして回っている以上、粗雑に対応するわけにはいかない。

 右手で左腕の裾を握りしめ、努めて平静さを装って声をかける。


「どうして、もっと早く来てくれなかったんだ」


「……」


 それだけで、分かってしまった。

 仔細は別にして、彼が何を思い、私が何を恐れたのかが。

 顔はよく見えなかったが、その声はアルだろう。彼の身内には、身体を悪くしていた人などいなかったはず。


 彼が走り寄ってきて、私の両肩を掴む。


「妹はずっと待っていたのに!」


「……申し訳ありません」


「お母さんが作った、エリーねぇちゃんの大好きなお菓子、渡してあげたいんだって」


「……ミアに何があったんですか?」


「分かんないよ、分かんないけど、突然燃えるような熱さになって、なんにも食べられなくなって、それで……、それで……」


 熱病、衰弱を伴うもの?

 広まるものではない?

 ……あぁ、こんな時にまでこんなことを考えてしまう自分が嫌になる。

 でも、問題があるなら……。


 そんな事を考えていると、ふと肩に熱を感じた。


「エリっ!」


 フェリが私の肩とアルの腕を掴み、思い切り引きはがす。

 突然のこととその勢いに、私はその場に倒れ込んだ。

 身体を起こしながら、フェリとアルを見る。


「アァァぁァッ!」


 そこには、燃え盛る炎を手にしたかのようなアルとその手を握りしめるフェリの姿があった。

 フェリは熱さを無理やり我慢しているのか、苦悶に顔を歪ませている。


「落ち着きなさい。気を静めなければ」


 言いかけて、フェリは目を見開くと、すぐさま、アルの炎が吹き出ている側の腕を空に掲げた。


 ボンっ


 鈍い爆発音と共に、水が辺りに降り注ぐ。

 紅く、温かい。


「あっ……」


 アルの呆然とした顔と、ゆっくり倒れていくフェリの姿。

 アルの手からは一瞬で炎が霧散し、アルもまた、その場に崩れる。


「フェリっ!アルっ!」


 突然のことに思考が止まっていた私は、二人が倒れたことで正気に戻った。


 アルはきっとマナの暴走を起こしたあと、マナ切れを起こしただけだ。


 爆発音が響き、血の雨が降った。

 なら、フェリは……。


 慌てて倒れたフェリに駆け寄ると、彼女の右の肘上から下が無くなっていた。

 爆発面が焼けたせいか、血はそこまで流れていない。

 ……はずなのに、彼女の白いローブの右胸から赤黒い染みが、そして、彼女の背中からは血溜まりが滲み出すように広がってきていた。


 咄嗟に、彼女の身体を横倒しにする。


「っ!!」


 前からは分からなかったが、彼女の背中の右側が抉れていた。


 こちらは爆発の熱を直接浴びなかったのか、それともローブに護られてしまったのか、血が流れ続けている。


 このままでは出血だけでフェリが死んでしまう。


 こんな傷、私じゃ……。


 そう思いながらも、患部を拭き、エーテルを流し、少しでも命が繋がるようにと処置を施していく。


 いや、死なないで、フェリ……



 不意に、何かが脳裏に閃く。


 崖から落ちる少女。

 腹部を貫かれた少女。

 見つめる私。

 叫びながら、手を当てて。


『いいのですね?』


 そんなこと、聞かれるまでもないっ!



 エーテルの薄い乳白色の光でもなければ、マナの淡く青い光とも異なる、ただ、白い光がフェリを包む。


 フェリの腕と背中に、辺りからかき集められるように何かが飛来したかと思うと、あっという間に、なくなったはずの右腕と背中が元通りになっていた。


 光の消える瞬間に、何かが抜け落ちていく感覚が私を襲う。

 エーテルでもなく、マナでもない、私自身のなにか。


「おいっ、大丈夫か!?」


 遠くでカールさんの声がしたような気がして、そこで私も意識を失った。


 △▼△▼


 目覚めると、私の手を握り、じっと見つめるフェリの姿があった。


「また、救われてしまいました……」


 私から話しかけたわけでもないのに、フェリが、話しかけてくれた。

 そのことにも驚いたけど、「また」というフェリの言葉に引っ掛った。


「やっぱり気付いてなかったんですね」


 そう言って、フェリが笑った。

 アッシュブロンドの髪が窓から差し込む光にさらされてキラキラと輝いてみえ、彼女の笑顔と相まって、まるで本物の女神のように見えた。


「私は昔、あなたに命を救われたのです」


「……まさか、あのときの?」


「はい。あなたがまだ宿屋の娘で、私はただの行商人の娘だった頃に」


 △▼△▼


 私が子供の頃、母が、全身が石のように硬直し、やがて生きる機能も動かなくなってしまって死に至る病、石化病に掛かったことがあった。

 それは、薬か、教会の治癒術士で治癒可能なものだったが、薬は当時の我が家には高価であり、教会までの道のりは、母の命の長さよりも長かった。


 そんなとき、たまたま村に来ていた行商人の女の子が、薬となる薬草のある場所を知っている、と教えてくれた。

 それは、村から半陽(半日)ほど離れた場所にある

 渓谷の崖の上で、その場所への道幅の狭さから、大人が採るには難しい場所、ということだった。

 自分はそこに何度も採りに行ったことがあるから、と、私を案内してくれた。


 行商人にとって、薬の採取場所など、命をかけて守るものだ。そんな場所を教えていいのか、と聞いたら


「二人だけの秘密にしてね」


 と、手のひらを唇にあて、にこりとされた。

 そう、そういえばその子はずっとフードを被っていた。

 あまり顔を見せたくないのだ、とそう言っていた。

 行商人は旅をする。その一行に少女がいると知られるのは余計なトラブルになる可能性があるのだろう。

 私も多くの旅人が通り過ぎる宿屋の娘だ。そうした、旅人なりの事情は、なんとなくわかるつもりだったから、深くは尋ねなかった。


 そうして、彼女の言う薬草のある場所で、いざ採取しようとしたとき、事故は起きた。

 小さな突起を使って慎重に崖を登る彼女に、普段この辺りで見かけることのない鳥の獣が襲いかかってきたのだ。

 それはただの威嚇行為だったのかもしれない。しかし、それでバランスを崩した彼女は、崖から落ちた。

 途中、崖から張り出していた木にあたり、衝撃が吸収されたからか、強く叩きつけられた彼女は、まだ息があった。

 だが、落ちただけのはずの彼女の背中からは血が流れ出していた。


 背中を見ると、木の枝が深く刺さっていた。


「薬草……」


 彼女がそう言って、崖に手を伸ばそうとして、私は泣きながら叫んだ。


「もういいからっ!」


 私のわがままのためにこの子が死んでしまう。

 死なないで、という気持ちと

 助けなきゃ、という気持ち


 でも、何をすればいいのか分からずに、ただ彼女の手を握りながら、死なないで、と祈っていたとき。


 ……そういえば、あのときも尋ねられたのだった。


『いいのですね?』


 と……。


 △▼△▼


「あの時、エレノア様が治癒術の素質に目覚め、私を救ってくださったことで、あなたはご家族と引き離されることになりました」


 素質があると見込まれれば、教会に「保護」される。

 それは、そういうことだ。


「あの時は……私のためにフェリが命を落としそうになったのに、お母さんの薬、くれてありがとう」


「いえ……」


 そういえば、その時の礼がまだ言えてなかった。

 まだ、原理を理解していない私の治癒術では石化病を治癒させることは出来なかった。

 本当は初めてフェリを治したときも、どうやったのか覚えてない。

 あれは、本当に治癒術だったのだろうか。


「そして、今度は、人の世からも、引き離されるかもしれません」


「……」


 やっぱりフェリも気付いてたようだった。

 私がさっき使ったのは、治癒術でも魔術でもない何か。

 そしてそれはおそらく……


「神力。過去に、神に遣わされたとされる聖女ミラが使ったとされる失われた肉体すらも修復する力。いくつかの制約があったとは聞きますが、治癒術でも叶わない欠損の修復ができる力は私が知る限り神力のみです」


 フェリがいつもの感情を閉ざした表情で語る。


「エレノア様がその力に目覚めたとあれば、教会はエレノア様を聖女の再来として祭り上げるでしょう。

 そうして、私はまた、あなたから平穏な日々を奪い去るのです」


「フェリ」


「あなたを守るつもりが、守られてばかりですね」


 私は身体を起こすと、泣きそうな顔を浮かべたフェリをぎゅっと抱きしめる。


「そんなことない」


 無口だけど、私の愚痴に文句も言わず最後まで付き合ってくれて、いつも不便がないようにと気を払ってくれて、不満の多い「お勤め」の日々を、それでも頑張ろう、と過ごせているのは、間違いなくフェリのお陰だった。

 あなたが居てくれるから、私は頑張れる。

 どっかの知らない神様なんかじゃなく、フェリこそが私の女神様だよ。……だから、


「……逃げちゃおうか」


「は?」


「教会には未練なんてないし、聖女なんて柄でもない。今だって猫被るの大変なのに、これ以上はお淑やかに、なんて耐えられないよ!」


 しばらくして、フェリの身体が震えだす。


 流石に逃げ出すは怒られるかな?


 そう思っていたら、くすくすと、フェリの笑う声が聞こえてきた。


「教会嫌いも極まったものです」


「教会のご飯は不満じゃないけどね」


 フェリが、吹き出すように笑ったかと思うと、次の瞬間には、感情を消したかのような表情に戻る。


 ほんと……それ、どうやってんの?


「どこまでもお供します」


「嫌って言っても連れてくからね」




 これから数神期(数年)後、天地崩壊と呼ばれる天変地異が起きた時、どこからか現れた二人の女性が、大地を鎮め、世界を救い、女神と聖女の再来と呼ばれるようになるのだが、それはまた、別のお話。

いつもなら活動報告に書く裏設定


エレノア:

 治癒術でも魔術でもない神力を操ることのできる聖女

 神力の正体は限定的な時空魔法。

 ただし、戻した時と、その範囲に応じ、自らの寿命が対価となる

 一度目にフェリを救ったときも、治癒術ではなく神力

フェリ:

 女神の子。

 女神の寵愛を受けてこの世に生を受けたある意味本物の聖女。

 女神の信仰が衰えたとき、大地に封じられた闇が溢れ出してしまうため、信仰が衰えたとき、人々の信仰心を高める必要がある。定期的に女神信仰を普及させるために、女神の奇蹟をふるうための器として生を受け、ある一定の年齢になり、器として成熟した際、女神の子として覚醒する、予定だった。

 感情が薄いのはそのため。

 エレノアと出会い、これ、このままでもいけるのでは?と女神が考え、とりあえずフェリはフェリのままエレノアの側に仕えることに。

 そのため、フェリは自分が女神の子としての自覚なし

 

 教会では、治癒術士が良いように使われている、という話を行商仲間から聞いてしまい、家族から引き離してしまっただけではなく、教会でもつらい想いをさせねばならぬのか、と教会行きを決意。

 どーにか、こーにかして付き人としての資格を得て潜り込んだ。

 付き人を統括してる長の女性が、エレノアのラブなフェリを見て、応援してあげようって心に決めたから一緒にいられるようになったのは、物語のどこにも出てこない裏話


10/30追記(12/04修正)

○世界観

6柱の天の神がいて、四元素の女神と光の女神と闇の女神がいます。

光の女神と闇の女神は双子神で、仲良し。

闇とは言いますが、精神的な闇というよりは明暗の闇の意味合いが強いです。


これに対する6柱の地の神がいます。

こちらも四元素と光と闇。

これらはすべて男の神。


天の神様は創造と変容

地の神様は破壊と安定

を司っています。


天の神様が扱うのがエーテル

地の神様が扱うのがマナです。


これとは別に、虚界がある、と言われています。

すべての根源にして虚無。

世界を放ち、膨張させる一方で

世界を取り込み、収縮させようとします。

この虚界を封じているのが地の神様、

というのが、この世界に伝わる神話です。


産み出されては消え去る世界の中で

偶然虚無に還ることを抑えることのできた世界。

こうした世界は

他にもあるかもしれませんが

相互で認知はされていません。

神の力は人々の信仰心によって成り立ち、

この力が弱まれば、

地の神による封印も弱まり、

世界は異界に呑まれます、と言われています。


本編最後に記載した天地崩壊の始まりです


地の神は一般的にはあまり知られておらず

彼らの力は各元素に対応する

天の女神から受けています。

地の神は天地創世神話で、

虚界を封じて以降、

表に出てこないため、

認知度が低くなっています。


フェリは天地崩壊に繋がらないよう

女神信仰を途絶えさせないために

女神の奇蹟を人々に見せるための器

女神の子として生を受けています。

実際には、光の女神の子です。

世界にはこうした女神の子が、

各属性に一人、

時流に合わせて遣わされています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 企画ご参加ありがとうございます~!! もうもう、世界観がすごい!!まるでこれから始まる大作のプロローグですね。 後書きの裏設定まで楽しめて二度美味しい!! なるほど……こんなやり方も楽しい…
[良い点] 「つれないメイド企画」から拝読させていただきました。 他の方も言われてましたが、よく練られた設定が魅力的で、短編ではもったいないような感を受けました。 「つれない」理由も良かったです。 そ…
[良い点] 使うと寿命が縮むという神力はほんとにヤバいとき以外は使えないですね。時として患者を『見捨てる』覚悟も必要かも。 フェリさんは身の回りの世話だけでなく、エレノアさんの仕事の負荷を減らすべく、…
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