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祈りに似た想いとして……

作者: のまいと

誰かに届ける想いの手紙として…。


世界が明日 滅びるとしたら

僕は白い小鳥を一羽 空に放つだろう


自由 平等 博愛の旗を

人々が掲げて 街を闊歩かっぽして

眼前で 静かに理想の溶けてゆく街


これが僕らの創り上げた世界


未来を生きる理由を見つけられない人達

溢れる食物と肥えた腹 飢えた細い腕の対比

無機質な凍てついた電子仕掛けのビル群


これが僕らの歩いてゆく世界


世界が明日 滅びるとしたら

僕は白い小鳥を一羽 空に放つだろう


扉を開けた鳥籠と柔らかな掌

小さな白い軀を そっと抱えて


  ねえ この翼が青い空に

  広がって それに託した

  僕の想いは誰かに届ける

  一通の手紙に似ているね


空を舞うその真っ白な羽

僕の胸の奥の微かな

想いと きっと 祈りに似て


目を閉じる前に 暗闇が訪れる前に

どうか その光景が

僕の瞳に灼きつきますように


世界が明日 滅びるとしたら

僕は白い小鳥を一羽 空に放つだろう


でも 今日も世界は厳然として世界であり続けて

僕は 僕の世界を 僕として 生きている


白い小鳥は その光景は

胸の奥 誰にも知られずに

静かに羽を休めて

そっと 翼を閉じている

誰かに届いたら嬉しいです…。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ちょっと悲しくて、静かに胸の内に染み込んでくるような作品ですね。 何度も繰り返される「世界が明日 滅びるとしたら 僕は白い小鳥を一羽 空に放つだろう」からの「でも 今日も世界は厳然として…
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