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真逆の世界の君との物語  作者: 吉川 青
3/13

第二話 共通点

「お前も小説を書くのか?」

そう聞くと、少し動揺しながらも小野寺は小さくうなづいた。

へぇー。こんな奴も小説を書くのか。意外に思いながらも、少し興味が湧いた。あらゆる才能をもつ者は、この世界がどんなように見えるのか,それをどのように表現するのかが気になった。

「読ませてよ。小説」

俺はフェンスから手を離し、小野寺の方へと向かった。

「あれ、死なないの?」

「いいから読ませろよ」

そう言うと、小野寺は何も言わずに屋上を後にした。

……せっかく分かり合えると思ったのに。せめて一言「無理」とか言っていけばいいのに。てか言えよ。そう心の中で毒づいていると、また扉が開いた。

「はい」

そう簡潔に言った小野寺の手には、原稿用紙が握られていた。

「いいの?」

「君が読ませろと言ったんだろう?」

「あっさり了承してくれると思わなかったから…」

「僕も人から評価してもらいたかったから」

「ありがとう」

とりあえずお礼を言いつつ、俺は原稿を受け取った。今時アナログかよと思いながら。

「じゃあ家で読んでみるから」

そう言うと、小野寺隼人不満そうな目で俺を見つめた。

「すぐに感想が聞きたいから今目の前で読んでほしい」

「よほど自信があるんだな」

小野寺は何も言わなかった。

今すぐに小説を読みたかった俺は、小野寺の意見を聞き入れた。 屋上でも良かったが、また誰か来るかもしれないから、近くにある喫茶店へと移動した。そして小野寺はコーヒー、俺はオレンジジュースを注文した。

俺は本の中へと入っていった。

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