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出会い そして 始まる
春の気持ち良い陽気の中、皆が幸せそうに歩く中、
俺は死ぬことを決意した。
もう無理。疲れた。この人生に。この世界に。
よし、死のう。今度こそ死んでやる!そう思いながら
俺は屋上の扉を開いた。
俺は疲れていた。親や先生の意見を突っぱねて、
市内一の進学校を受験。運良く受かったが、その先は地獄だった。周りの成績がどんどん良くなるのに
反比例するように、俺の成績は下がっていった。
どんなに努力を重ねても周りとの差は開いていく
一方。そんな現状に嫌気がさしていた。でもそれを
選んだの俺だ。そんな自分にも嫌気がした。
だから死ぬんだ。そんなことを考えながら、
誰もいないはずの屋上の扉を開いた。屋上には…
誰もいない。……。まぁそうだよな。俺はフェンスを
越えようとした。その時、突然扉が開く音がした。
「えっ!!」
思わずそう叫んでしまった。
そこには俺と真逆の存在である
小野寺隼人の姿があった。