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〜自信の無い少女 IruCa〜

※注意書き※


・本文にて「たこルカ」というキャラクターが出てきますが、ボーカロイド「巡音ルカ」の「たこルカ」とは全く異なる存在であることを先に提示させていただきます。

・たこルカという人物は自分を題材にしており、複雑な存在であります。ただひとつ言えることは強キャラであるということです。

・読者様を"創作キャラを認知している"状態であると仮定して作成しております。

・Twitterにて登場キャラクターについてたまに投稿しております。気になった方はそちらもどうぞ▹@takorukaohutwun(フォローは推奨致しません)



至らぬ点もございますが悪しからず



本文↓

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




IruCa side





"自信の無い自分"が嫌いだった


演じるのが好きだった私は中学に上がったら、絶対演劇部に入ると決めていた

だけど、いざ部室を前にすると

舞台の上で堂々と演技する自分が想像できなくて、部に入るのを諦めた


高校に上がってから、もう一度チャンスが訪れた

今度こそ、今度こそ入るんだって

でも現実は上手くいかない

その1歩を踏み出せなかった私の高校生活は、あと3ヶ月で終わろうとしている



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



アト「いーるかちゃんっ!」


「ひゃっ…!ア、アトちゃん…」


アト「一緒に帰るのだ〜!」


「そうだね…!帰ろっか」


この子はアトちゃん、いるかの大切な唯一のお友達

元気が取り柄で絵が上手なアトちゃん

引っ込み思案ないるかとは正反対で、いるかの憧れの人


アト「いるかちゃんはさぁ、結局部活に入らなかったけど良かったの?」


「うん、それにもし入ってたとしても本番上がっちゃって上手く出来ないと思うし…」


アト「ふ〜ん…でも、そういうのってやってみなきゃわからないものなのだ」


「そう、だね…それよりアトちゃん、この前言ってたコンクールのイラストって…」


それ以上言われたらその場にいるのが嫌になりそうで


だって、アトちゃんの言う通りだったから

やりもしないのに無理だと決めつけて逃げ続けてきた私にとって、その現実を突きつけられたのはやはり辛かった


アト「アトの話はいいの!いるかちゃんの方こそ、このままだといつまで経っても変われないのだ!」


「えっ…?」


アト「練習するのだ!」


あとちゃんが得意げにスマホを見せてきた


「ボイス、チャット…?」


アト「そう!いるかちゃんが少しでも人と話すのに慣れればーって、昨日治安の良さそうなアプリを探して見つけたのだ!」


…ここまで気にかけてくれるなんて、やっぱりアトちゃんは凄い

思いやりもそうだけど、何よりその行動力にはいつも驚かされる


「でも…そんな、知らない人と何話したらいいか…」


アト「大丈夫大丈夫!同じ趣味の人とかはタグで見つけられるから〜…とりあえずスマホ貸すのだ〜」


サッと私のスマホを取り上げて、慣れた手つきで勝手にアプリを入れ始める


「ちょっと!アトちゃ…」


アト「はいっ!できたのだ〜!ちょうど家にも着いたし、試しに今日やってみるのだ!感想はまた明日聞かせて欲しいのだ!バイバイなのだ〜!」


「えぇえ…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「う〜ん…」


アカウントを登録したまではいいとして、自分から声をかけに行くことなんて出来るはずもなく


「ぁあ〜…せっかくアトちゃんが勧めてくれたのにぃ…」


お気に入りのぬいぐるみを抱きしめながらぽふぽふとベットでもがいていた時


ピロンッ♪


通知…?


"はじめまして!プロフィールに演じるのが好きってあったのでメッセージ送ってみました!"


「えぇっ!?」


思わず声が出た

送り主のコミュ力の高さに


「と、とりあえず…お返事しないと…!」


『メッセージありがとうございます!!

IruCaと申します*たこルカさんよろしくお願いします´ω`*』


たこルカさんって言うんだ…


確か、ボーカロイド関連でそんな名前のキャラがいたような…


ポコッ


秒で返信が返ってきた…!?

暇なのかこの人…!


「って失礼だよね…えっと…」


"突然ですが!いるかちゃん!お歌に興味あります?よければ一緒に歌いませんか!歌いましょう!"


自分勝手な文とファイルが送られてくる


「えぇっ!?二言目でこれ!?な…なんてコミュ力…しかもこのファイル、既に歌ってある…?」


恐る恐る"たこルカ"から送られたファイルを開いてみる


〜♪


幸いなことに知ってる歌だ…


〜♪


"たこルカ"の歌声が聞こえる

その歌声は堂々としていて…


「この人みたいに…いるかには歌えないな…」


でも、せっかくアトちゃんがつくってくれたきっかけとこの人が与えてくれたチャンス


今までみたいに逃げて後悔したくない…


「っ…!」


勢いよくクローゼットを開けて中に入る


「…さすがにお母さんに聞かれたらまずいよ…」


少しだけ触れたことのある録音アプリを起動させて


…〜♪





私は、1歩を踏み出した


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