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エピローグ1
ドサリと、満身創痍の肉体が暗闇の中に落ちる。
「あ"ぁ……再生……しないぃぃ」
左右に両断された肉体は精神、ひいては魂まで届いていた。本当に皮一枚でなんとか繋がっている状況。
ナナ、天上家における長命の怪異、人に憑依し長い年月をもって神の権能を複製し続けてきた神擬き。
「助けて……助けてぇ」
「あーららぁ、見事にやられたわね」
声がする方にナナの目が向く。そこには一人、少女の成をした誰かが立っていた。
「助けて」
「いいよ。助けてあげる。その代わり、少しの間変わっていてね」
その少女は決して、咲哉と心を通わせた彼女ではない。
それは、ハルの体を借りて行動していたナナを中に宿るものすべてと取っ替え引っ替えして乗り移る。
「へひろよはなひたをゐろてはね」
瞬間、肉体が再生する。まるで繋ぎ合わせるように肉を引き寄せて。
「わぬをあわせつすね」
赤かった髪は黒く染まり赤い瞳は青く染まる。他人の肉体を塗り替えてしまうほどの神性、否、神としての格『神格』を有した誰かは、久々の肉体に慣れずも休養に入る。
妹を傷つけた咲哉を恨みながら。




