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天才二人でやることか?  作者: 炒り玉子
8/10

7話 自己紹介がてら、不運

「じゃあお前、自己紹介しろ」


立木と出会った翌日の昼休み、坂谷はさっそく立木に無茶ぶりをしていた。


「え?えっと、立木裕、趣味は…グハッ!」


立木が何か言おうとした瞬間、顔にどこからともなく黒板消しが飛んでくる。


「自己紹介もさせてもらえない不運さとかさすがだな。てか黒板消しって何してたら

飛ぶんだ?」


白井は心配より先に不運さに感心している。


「昨日は9位だったからああなったって言ってなかったか?今日は何位だったんだよ」


「えっと今日は5位」


「5位でその不運とか最下位の時お前の命大丈夫か?」


基本的に人の心配などしない坂谷もちょっと心配するレベルである。



*****



「と、いうことでだな。実験だ」

「立木を危険な状況に置いたらどこまでの不運に見舞われるのか試してみた!」


白井と坂谷は嬉しそうに言う。


「youtuber風に言ってもぜんぜんマイルドになってねぇよ!普通に怖いからやめてくれ!」


必死な立木


「『してみた!』つけとけばなんでもネタになるって聞いたけど?」


安定でバカな坂谷。


「『してみた!』にも荷が重いだろこの状況は!」


立木は今、筋肉隆々のラグビー部集団が走ってくるコースに植えられた木に縛り付けられている。


「おいこれはいじめだろ!これをいじめといわずしてなんという!」


そう叫ぶ立木の表情とはうらはらに、白井と坂谷は最高に楽しそうだ。


「さーて。どんな不運が起きるかなー」


ラグビー部集団が接近してくる。


「俺は『ラグビー部がよけきれずに衝突する』に賭ける。」


「いやイノシシか。まあ運ばっかりは僕も予想できないからなー。『喧嘩売られてボコられる』で。」


そして正解は…


ズシャッ


『立木を縛り付けていた木が倒れる』だった


「そう来たか!それは盲点だったな」

「ラグビー部関係ないのかよ!」


木は立木だけでなくラグビー部も下敷きにして倒れた。


「ラグビー部もろとも行った!」

「罪のないラグビー部が!」


白井と坂谷は楽しそうである。


「いててて」


木の下から這い出してきた立木。不思議とどこも怪我はしていない。


「立木無傷じゃん。お前実は運いいんじゃね?」


木の下敷きにされた上に『運いい』とまで言われた立木は叫ぶ


「いや一回木倒れて無傷なだけだったらプラマイゼロだから!倒れた先に一等の宝くじ落ちてるぐらいじゃないと意味ないから!」




*****


そして三人はその日、一緒に下校することになった。


すると、地蔵がたくさん並んでいる道に差し掛かったところで坂谷が口を開いた。


「地蔵の顔って面白いよな」


開口早々かなり罰当たりなことを言う坂谷。


「そういえば昔両親が趣味で地蔵巡りしてて俺もついてってたんだけどさ」


立木も話し出す。


「なんだそのトリッキーな趣味」


「で、俺その時まだ1歳とかだからよくわかってなくてお地蔵さんに落書きして遊んでたんだよー。あれは今思えば結構やばいなー」


その話を聞いてハッと坂谷が白井の方を向いて言う


「…絶対不運の原因それだろ!」


「いやお地蔵さん心狭くね!?」


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