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お礼

ブブッ、ブブッ

「………ん、もう朝か……」

4時半か。そうだ。今日は出張だ。できるだけ早めに待ち合わせまで行こう。


1時間後、準備が出来た。

「奈緒、行ってきます」

そう言って俺は病院を出た。


待ち合わせの時間から10分程待っているとパタパタと足音が聞こえてきた。

「す、すみません! 遅れました! 」

彼女はそう言った。

「何やってたんだ! とっくに時間は過ぎてるんだぞっ! 」

そう上司が怒鳴った。そりゃあそうだろうな。

「ったく、さっさと行くぞ。この件は後でな」

「す、すみません…………」

今日の主張は俺と上司の岩山さん、それから遅刻してきたこの女だ。




「あ、あの」

1日目の仕事が終わってホテルに向かう途中、遅刻してきた女に話しかけられた。確か名前は……芹沢由加里だった気がする………

「…………何ですか」

女とはあまり話したくない。だから俺はこういう態度をとる。

「あ、いえ、今日はありがとうございましたっ!」

芹沢はそう言って頭を下げてきた。

「俺は特に何もしてませんよ」

「そんなことないです。河井さん、いろいろフォローしてくれました。それでは………」

と言って彼女は去って行った。

初めてあんなことを言われた。けれどフォローしたなんていうのは仕事だから。仕事じゃなかったらフォローなんてしない。

だけど正直驚いた。だって俺は会社の中で悪い噂しかないために話しかけられることなんて1年に数回ぐらいしかない。

遅刻してきて、バカじゃないのかと思っていたが、性格は本当にいいのかもしれない。



………だってこんな俺に「ありがとう」と言ってくれたのだから。



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