表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

主張前は

ピッ、ピッ、ピッ

規則的な電子音が聞こえる。真っ暗な個室。独特な消毒の匂い。

そう、俺は今奈緒の病室にいる。そして窓の外を見る。

「今日は月が綺麗だな」

そういえば、あの事故の時も月が綺麗だった気がする。庇われた時にふと見た、あの時の月に似ている。

明日から3日間の出張だ。だから、今日はここで寝る。待ち合わせ場所から少し遠いが仕方ない。少しでも奈緒の近くに居たい。それだけだ。

割と主張の多い俺はいつもこうやって朝を迎える。どんな時でも奈緒のことを忘れないように、頭の中にこびりつける。

「いい加減、未練がましいよな。こんなの依存にちかいよな」

そんなことを言ってみる。言ったところでどうとなるわけではない。

頭の中ではちゃんと分かってるんだ。だけど、気持ちはそう上手く割り切れない。だってあんなに好きで好きで、そんなやつが突然植物状態になったら、しかも俺をかばった所為だとしたら、忘れるなんてことはできない。少なくとも俺はできない。

そんなことを考えていたら、奈緒と過ごした日々がよみがえった。楽しかった時。喧嘩した時。そして事故の時。一つ一つを昨日のことのように思い出す。



暫く思い出してから俺は眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ