第9話 不思議の森のネコミ
登場人物紹介
明智桜子 ちろらし探偵社所長
猫柳明美 通称ネコミ、超力探偵。
バディはらっちー。
二階堂 通称シザー、霊能探偵。
らっちー しゃべる探偵犬。
バディはネコミ。
一柳裕子 かつての明智桜子のバディで同級生。
加賀照美 通称テル、シェフ探偵。
二階堂博士 シザーの父親、超常現象研究家。
*登場人物その他名称は全てフィクションです。
明智所長から全員に呼び出しがかかった。
いよいよだな。あの森ヤバいけど、異変を終わらせなきゃね。
「皆さん、今までは森周辺での異変の解決をして来ました。しかし、森本体の異変を解消しない限り根本的な解決にはなりません。」
所長が物思いにふけっている。昔何かあったのかな。
「遂にこの時が来たな。」
シザーさんはりきっているな。
「森ん中にカラスの変異体いたりしてなぁ。」
加賀さん、不吉なこと言わないでよ。
「らっちー頑張ろうね。」
『ネコミどの...。』
何からっちーの様子がおかしいな。
ビビってるのかな?
「今回の調査については二階堂博士に協力して頂きます。」
「諸君、ワシが超常現象を研究しておる二階堂じゃ。」
シザーさんのダディだ。やっぱ博士とか胡散臭いよね。
博士の説明によると、森の異変は段々強力になっているんだそうだ。これ以上放置したらヤバいレベルになるらしい。
ところで?
「あの、博士。」
「なんじゃ若いの。」
「二階堂さんって博士の息子さんですが、何で霊能力者なんですか?」
どうしてもココ気になるのよ。
「あやつは霊能力などない。ワシの発明品を使っているだけじゃ。」
そう言えば、何か道具とかは使うが呪文とかとなえてはいなかったな。
全員で森の入口まで来た。
あれ?一柳オーナーがいる。
「一柳オーナー、どうしたんですか?」
「ネコミちゃん、これでも私探偵なのよ。」
衝撃の事実!オーナー探偵だったの?
「全員揃ったわね。」
所長まで来るとは余程のことだ。
「よし、この装置を全員持つのじゃ。」
博士が機械を配る。
いよいよ森に突入だぁ!
森に入ると遊歩道がある。何か細いな。
暫く歩くと博士が持っている機械が鳴り出した。
「近くにおるぞ、気を付けるんじゃ。」
えっ、何がいるの?何も見えないけど…。
その時だった。
前方に白いモヤみたいなのが沢山見える。
「何かあそこボヤけてません?」
「あれは無数の生霊じゃな。」
はかせー!サラっとヤバいこと言わんでよ。
矢吹さんとこ一体でも大変だったのにあんなにいたらどうすんの。
「親父、アレだな。」
「頼んだぞ!」
二階堂親子のコンビネーション凄い!
博士が何か機械動かす。シザーさんは生霊めがけて何か沢山投げてる。
次の瞬間、眩しく光ると生霊は全て消えていた。
「ネコミ、この程度でビビってたらこの先もたないぞ。」
シザーさん、そりゃ厳しくない?アタシ一応新人なんだけど。
更に奥に進む。
何となく息苦しい感じがする。
「異変の数値があがっとる。元凶に近づいとるのう。」
何か嫌な予感がする。
「らっちー大丈夫かな?」
『あれはしゃべる動物じゃな!』
「らっちーのお友達?」
『ネコミどの、どう見ても敵っぼくね?』
らっちー呆れないでよ。
目の前に鹿がいる。
『お前達、ここから先は立ち入り禁止だぞ。引き返すんだな。』
鹿のくせに生意気だな。
「どこに行こうと私達の勝手でしょ!」
『忠告はしたからな。どうなってもしらんぞ。』
「あのー鹿さん。」
『何じゃ小娘。』
いや、鹿の年齢どうなってるんですか?
私小娘じゃないもん。←そこじゃない。
「この先進むと何かあるんですか。」
『我々も近づけない何かの発生源がある。』
それが異変の元凶じゃあないか。
「ところで、鹿さん。そこに案内出来ます?」
『無謀な小娘じゃな。でも悪くない。』
「じゃあ案内お願いします。」
『だが、断る!』
なんでー!
なんだかんだでしゃべる鹿の案内で森を進むことにした。
暫く進むと、何か渦巻きがある。
「何、あの渦巻き?」
「あれは時空の狭間じゃな。入るとこの世界には戻れんかもしれん。」
時空の狭間?まずい!ヤツが来るか?
「シザーさん!」
「ああ、来るぞ、油断するな。」
カラスの変異体ここで登場か!
翼が見えた。間違いない、ヤツだ。
「あれは!」
「えっ、一柳オーナー知っているんですか?」
「私が見た化物。」
「あれが裕子が見たヤツなのね。」
なんか曰く付きの怪異なのね。
「シザーさん、今度こそ駆除しないと。」
「ネコミ、気合い入れてけ!」
「博士、どうすれば?」
何か機械を操作して、博士は私に道具を渡した。
「あんたならこれが使えるんじゃろ。」
またまたトリセツ無しの謎アイテム。
でも、以前シザーさんから渡されたものとは違う。
「これ、どうすれば?」
「それは空間圧縮機じゃ。出力の関係で一回しか使えんぞ。」
激ヤバアイテムじゃん!しかもワンチャンってめちゃくちゃ緊張する。
「ネコミ、ヤツは空間を移動出来る。まず一定空間に捕縛し、そこを圧縮するんだ。」
言うのは簡単だけどやる身にもなってよ。
でもここが正念場だな。
何の因果か空間操作能力が身に付き、今じゃ何故か探偵してる。
カラス変異体に集中だ。
頭にイメージが湧く。真っ白な空間にヤツだけがいる。続いてヤツのいる空間を真ん中に押し込む。
閃いた瞬間、カラス変異体は粉々になった。
「やっつけたの…。」
「やったなネコミ。」
「博士、あの道具って...。」
「あれは思考具現化装置といったとこかの。但し、空間操作の出来る者しか使えんのじゃよ。」
それで私専用なのか。
カラス変異体を駆除したことにより渦巻きは消滅した。
「鹿さん、異変の中心は?」
『あの目の前の球体だよ。』
何かデッカイ真っ黒い玉があるんですけどー!
第10話(最終話) 予告
ついに異変の元凶を解決か?!ちろらし探偵社の力を結集し最大の謎に立ち向かう。
次回 「ちろらし探偵社よ永遠なれ」
フルメンバーにて挑む最終解決。いよいよ次回でこのお話も最後となります。異変解消のその先に待ち受けるものは...。
それではまた。