第7話 ケーキよく!異変解消?!
登場人物紹介
明智桜子 ちろらし探偵社所長
猫柳明美 通称ネコミ、超力探偵、
バディはらっちー。
二階堂 通称シザー、霊能探偵。
らっちー しゃべる探偵犬、
バディはネコミ。
一柳裕子 レストランオーナー、所長の旧友。
加賀照美 レストランシェフ
有田帆夏 レストランウェイトレス
*登場人物の名前、その他名称は全てフィクションです。
目の前に何だか分からん生物がいる…。
変異体?要はバケモンだよね。
でも、あんなのどうやって駆除すんの!
ネズミとかハチじゃないんだから、業者が来てチャチャっと、という訳にはいかない。
「シザーさん、アレどうすれば…。」
「まずは動きを止める。」
何か道具を操作してる。
そう言えばシザーさん、いつも何だか訳分からん道具使っているけど、どっから手に入れるんだろう?アマゾンかな…。
『ネコミ、アマゾンじゃあんなモノは手に入らんよ。』
「なに、らっちー盗み聞き?」
「お前ら、この状況でアホなこと考えてんなよ…。」
そりゃそうだ。『世にも奇妙な生物』がいると言うのに。
シザーさんが、変異体に向けて何か放った。
「これでヤツを少し抑えられる。」
あっ、もがいているが、あの場所に留まってる。
今がチャンスだ。
けど、どうすれば?
あの変異体は壁をすり抜けたりする。物理的な対処は効かない。なら次元的な対処か?
「シザーさん、何か空間圧縮的なモノありますかね?」
「それはお前が考えてするんだろ。俺には出来ん。」
何かヒントでも頂戴よ。
『ネコミ、所長が言ってた異次元何たら、とかどうじゃ?』
らっちー、それそれ!
確か、普通入れない空間に行けるなら、その空間に送ることは?
「シザーさん、あの変異体を異次元に飛ばすのは?」
「根本的な解決にはならんが、今のお前ならその程度だな。」
何かトゲがある言い方だな。でも、この場は何とかなる。
さっき頭に浮かんだ輪投げの要領で、今度はアイツを飛ばせばいいよね。
『ネコミ、どうするんじゃ?』
「とりあえず、アイツを飛ばす!」
前方の変異体をジッと見て、空高く飛ばすイメージを考える。
強く念じた瞬間、変異体は消えた。
「ヤツを飛ばせたみたいだな。だが、消えちゃいない。ヤツはまだ存在している。何処かの次元にな。」
『やったぞ、ネコミ!』
らっちーははしゃいでる。
目前の危機は去った。しかし、いずれあの変異体を完全に駆除しないとね。
事務所に戻ると所長に今回の件を報告した。
「所長、あの変異体どうなったんですかね。」
「おそらく別次元にいるから、ここに来ることは無いけど、怪異のレベルによってはまた来ることがあるかもね。」
そんな怖いこと言わないで下さいよぅ…。
あんなのとまたやりあうんですか?
まっしょうがないか。
その後、あのレストランは営業を再開した。
シェフの加賀さんから、今回のお礼だということで、夕食に招待された。
らっちーもめっちゃ食べてたな。
レストラン繁盛しているみたいだったけど、突然閉店した。
理由は分からないがどうしたんだろう?
レストランの案件から暫くしたある日、事務所を掃除していると誰か入って来た。
「ようこそ、ちろらし探偵社へ。ご用件は…って加賀さん?」
「ネコミちゃん、久しぶり。元気そうね。」
何かまた事件でも?
「所長いる?」
「今出かけていてもうすぐ戻ると思いますが…。」
暫くして事務所に所長が戻って来た。
「所長、加賀さんがお待ちしてます。」
「照美、もう戻っても大丈夫なの。」
へっ?なんかめっちゃ親しくない?依頼先の社員って感じじゃないよね。
「所長。修行はバッチリですよ。レパートリー増えたし。今度披露しますね。」
「所長、加賀さんって...?」
「ネコミの先輩よ。今はレストランで修行したから、さしずめシェフ探偵かしら。」
えっ、加賀さん探偵だったの?
思い返せば、異変の時有田さんはめっちゃビビってたけど、加賀さん冷静だったな。それに異変が起こっても淡々と処理してたし。
でも何でシェフ?
「あの、加賀さん。なんでレストランに勤めていたんですか?」
「私、料理作るの好きなんだけど、技術が欲しくてね。」
「照美、よくこの事務所でまかないしてたしね。」
所長、体よくこきつかってるよね。
「私が裕子に頼んで修行させてもらったの。」
あの一柳オーナーも癖ありそうだもんね。
「それに、調査も兼ねて潜入捜査ってとこかしらね。」
更っと凄いこと言う人だね所長は。
「何の調査なんですか?」
『あの森に関してじゃよな、所長。』
「らっちー、分かって来たじゃない。その通りよ。」
何か大変な事が起こってるの?怪異の森には何かありそうだけど。
「所長、例のブツ準備出来ました。」
二階堂さんが事務所に入ってくるなり、何か道具出した。
「みんな揃っているから、改めて説明するわね。ネコミには初めての話になるけど、しっかり聞いてね。」
いつになく所長がマジなんですけど。
一体何の話?
「みんなも知っているように、怪異の森の異常レベルが上がっています。ここ最近の案件も段々厄介になりつつあります。」
事件の原因、あの森のせいなんかい?
「今回、二階堂博士に、ああネコミは知らなかったかしらね、二階堂君のお父さん、研究者なの。」
えっシザーさんのダディがドクター?
もしかして、アノ変な道具ダディのお手製?
「所長、もしかしてアレが出来たってことですか?」
加賀さん、アレって何?アレって。
「今までは異変が起こってもその場の一時対処のみでしたが、博士の発明により異変を緩和する装置が出来ました。よって、これより森本体への調査を行います。」
いよいよ本丸攻めるんかい。そんな時にメンバーに加わってしまったアタシって...。
エピソード3 レストラン怪異編 完
第8話 予告
まだ新米の明智探偵と一柳探偵助手。二階堂博士との出会いにより2人の運命は大きく動く。
異変の発生とその謎に挑む彼女らとちろらし探偵社誕生のエピソード。
次回 「はじまりの探偵」
ちろらし探偵社のメンバーが勢揃いし、いよいよ最終エピソードに。とその前に過去譚をどうぞ。それではまた次回に。